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素知らぬ雨粒
部活が終わって靴を履いた
顔を上げれば雨がいた
傘が無いから何もないから
冷たい雨に打たれながら
屋根の無い世界をただ歩いた
瞳の色をした空が
大粒の涙こぼしているように思えて
受け入れてしまったら
悲しみに染まる気がして
皮膚を刺激しているのに
雨に見向きもしないで
いつも通り歩を進めた
感覚をやや鈍感にして
脳をほぼ空っぽにして
前だけを見て今だけを見て
上と横の刺激に耐えて
自分だけの道をただ歩いた
見ていた友達が言った
お前の上だけ雨が降ってないみたいだと
もうどんな試練にも
流されない予感がした
思惑にまんまとハマる
友達のやさしい顔
焼き付けて今を歩いた
受け入れてしまったら
悲しみに染まる気がして
皮膚を刺激しているのに
雨に見向きもしないで
いつも通り歩を進める