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ツギハギ勇者の伝説

作者: このさく

ツギハギ勇者の伝説は、これでラストを迎える。


これまで、この世界を支配するアーキ帝とツギハギ勇者の闘いは散々な結果ばかりだった。


女神から選ばれた勇者の存在をアーキ帝が知るやいなや国中の二歳児未満の子供を一人残さず殺すよう命令した。


ツギハギ勇者は、女神から賜っていた能力のおかげで三日ほどで十つほどの少年にすくすく育つことで難を逃れたが、子供が死んだことを勇者に逆恨みする者も少なからず現れた。


そんな逆境の中、暴利な税に苦しめられる村を女神から授かった力で救おうとして、あこぎな統治者から税を盗み村に届け村に笑顔が溢れた。


しかし、そんな夢は束の間、勇者が村を離れれば村は焼かれ、みな口々に言った『勇者などいなければいいのに』と。


そんな事があって、もう勇者は世界を救うとかどうでもよくなり復讐心だけでアーキ帝の根城に飛び込んだ。


アーキ帝の根城である【浮遊居城】には部下がいなかった。


「よく来たな。我はアーキ帝だ。主の名は何だ?」


「知れたことを。俺の名は萩野(ハギノ) 次郎(ジロウ)。ツギハギ勇者だ」


「勇者だか、革命家だか、テロリストだか知らぬが、我と手を組まぬか?」


「知れたことだ。この世界にお前は必要ない」


勇者は武器を持たず服も着ず全裸で玉座に座る魔王に突撃した。


魔王の操る大岩が勇者を襲ったが、それを紙一重で避けながら魔王に近づき手刀で魔王の心臓を貫いた。


勇者の体を光が包んだ。


その光は女神が出した物だった。


「あなたは、世界を救い………

女神の言葉は途中で途切れた。


なぜなら全裸勇者が女神に手刀で襲いかかったからだ。


「まさか、悪鬼帝が取り付いて!?」


「よく分ったなあ、神。ここまで我の計画通りだったのさ」


「すみません、殺します」

女神はどこまでも冷たくどこまでも透き通る声で言った。


「最初っからそのつもりだったんだろクソったれ」


女神は魔法陣を無数に展開してアーキ帝を攻撃する。


だが、アーキ帝の体は無傷だ。

「テロリストと王が手を組めば神ごときに負けるわけがないわ!」


「まさか、勇者。悪鬼帝と手を結んだの!?」


「勘が良いなあ、クソったれ。おまえもこいつもこの世界には必要ない。だからなにをしてでもまず殺す」


「なんで、私を殺そうとするの?真の敵はあいつよ」

女神は状況が理解できてないようだった。


「我の前に、この世界を蝕んでいたのは神、お前だろう」

「このままいけば、世界はクソったれのお前が支配することになる」


「ねえ、勇者。そもそもクソったれってなによ!!?」


「まだ、気づかぬか神よ。この世界全員にホンを配り、その内容通りに人々の生き方を強制する。そんな神への不満から我が生まれたのだ」

「お前は責任をクソったれに押しつけるな。お前のことは許していない。クソったれの次はお前だ。覚悟しろ」


「あの苦しみのない世界のなにが悪い!?」


「そのせいで生まれた受け身な社会がクソなんだよ。クソったれ」


「クソったれだと、クソったれだと、ク ソ っ た れ だ と!!!」

激昂する女神に襲いかかる二人。


「死ねぇぃ、クソったれぇ」

「終わりだ、神」


魔法陣が無数に展開し始める。


が、それよりも速く二人の偉人が女神を抱きしめる。


そのまま女神が上半身と下半身に分かれ女神の肉体は砂と化した。


「次はお前だ。悪鬼帝!!」


「残念だったな。勇者よ。この城は封印装置になっている」


「なにが言いたい?」


「また第二第三の神が現れぬよう、この世界を見守らぬか?」


「その前にお前を殺す」


「また、出会わぬ事を願っておるぞ。勇者よ」


「いい感じにして終わらせようとしてんじゃねぇぞ、クソが!!!」


このあとここにコンタクトを取ってくる人がいた。

その時は、女神から盗んだ勇者召還の方法が書かれた秘術の書とアーキ帝がホンを粉々にしてガラスに練り込んだ者を渡して、これまでの冒険の旅を語った。


こうして彼らの闘いは神話になりました。


昔、ヒトには悩みというものがありませんでした。

ヒトはみんなホンを持っていました。

このホンの通りに従えば苦しみはありませんでした。


しかし、そんな世界を脅かす怪物が出てきました。


その名は悪鬼帝、彼はホンを壊して回りました。


そして、人々は嘆き悲しみました。


悪鬼帝は人々に重い労働を強要しました。


その重い労働で優秀だった者にはホンのレプリカが渡されました。


また、その労働を果たせなければその村ごと焼き払いました。


しかし、神は世界を見捨てませんでした。


神は今夜、神の世界から英雄が現れると全世界に宣言しました。

その英雄がみなさんご存じツキハギ勇者です。


悪鬼帝は全世界の二歳児以下の子供を殺すように命令を出しました。


しかし、ツギハギ勇者の親が生まれたばかりのツギハギ勇者を桃に入れ川に流したのです。


この川下には子供のいないおじいさんとおばあさんがおりました。


おばあさんは川に流れる桃を見つけると家に持ち帰りました。


その桃をおじいさんが切ろうとすると桃を食い破り赤子が出てきました。


赤子はスタスタ歩きこう言いました。

「天井天下唯我独尊」


その後、赤ん坊は十日もしないうちに立派な青年にまで成長しました。


その青年はツギハギと名乗り神の世界から来たそうです。


そして重税に苦しむ村を救おうと悪鬼帝の兵と戦いました。


ツギハギ勇者は悪鬼帝の兵に胸を貫かれ全裸になりながらもまるで動じず一人残らず手刀で首を落としました。


そしてツギハギ勇者は、このまま兵と戦ってもあまり意味がないと思い悪鬼帝の居城を乗り込みました。


そして激闘の末、ツギハギ勇者は自らの命を犠牲に悪鬼帝を封印しました。


それは、封印の森のどこかということしか分かりません。

そして、封印の森には守人がツギハギ勇者と悪鬼帝の墓を守っているそうです。

守人は国にツギハギ勇者からもらったとされる神の国から勇者を呼び出す秘術の書と未来のことを少しだけ見通せる水晶を差し出しました。


こうして平和な世界が出来上がったのでありました。


でも、ツギハギ勇者が残したとされる予言の水晶が割れるということがありましたが、ツギハギ勇者が残した神の世界から新たな勇者を呼び出す魔法で現れる、新たな勇者が何とかしてくれることでしょう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 狂気の世界に、脳の一部を持って行かれました。 どうしてくれるんですか。 空き家探検からの異世界冒険の話を考えていたのに、何だかやる気が無くなりました。
2018/11/23 11:30 退会済み
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