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セルフグラフィティ

 「リトルバスターズ!」のネタバレがある可能性があります。


心に届く物語



この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。



----- 第六話 「セルフグラフィティ」 -----


 俺には、もう新しいシナリオを生み出す引出し、

アイデアが枯渇していた。

 だが、こんな逆境でも、めげるわけにはいかない。

 俺には、一つアイデアがあった。

 それは、ずばり「セルフパロディ」だ。

 これに手を出すのは、

はっきりいってネタにつまった創作者が最後に

行き着くパターン化の手口だ。

 新作のコンセプトを一緒に作る事になった

新人シナリオライターと相談した。

 新人の意見は、

『青春グラフィティ』を作りたいという事だった。

 俺は、ネタにつまったので「セルフパロディ」

を作ろうと思っていたと話した。

 他のシナリオライターと会議を開き、

色々話し合った結果、

セルフパロディと青春グラフィティをプラスして

「セルフグラフィティ」を作る事になった。

 ストーリーは、

今まで俺がやってきたゲームデザインを

新作のゲームに落とし込む。

 俺は主人公を助ける兄貴分の役だ。

 俺はゲームの中でプレイヤーに苦楽を与え

成長を促がす事を目的にゲームを作ってきた。

 今回は、セルフパロディでもあるので、

俺自身が登場し、

主人公に苦楽を与え成長してもらう。

 言わば、今まで作ってきたゲームデザイン、構造

のネタばらし的なゲームと言える。

 何人かのシナリオライターを加え、

もう一つのコンセプトである、

「青春グラフィティ」をシナリオとして盛り込む。

 シナリオはほとんど完成し、

俺はラストをどう作るか迷っていた。

 俺の案では、

最後に残ったヒロインと主人公の二人で

強く生きていく話だった。

 新人にこれでどうだろうか聞いてみる。

 新人にダメだしをもらった。

 最後はハッピーエンドにするものだと。

 新人は、当初の案からシナリオを分岐し、

ラストから更に主人公に頑張ってもらい

ハッピーエンドにする話を付け足した。


 新作は発売された。

 シナリオの各キャラクターの話の評価は、

まちまちだった。

 ギャグはそれなりに受けている。

 メインシナリオの方は友情やギャグもなかなか評判が良い。

 最後は、ハッピーエンドにして間違いなかったようだ。

 この作品は、後にアニメ化され、評判はまあまあだった。


 俺は、やりきったのだろうか?

 もうシナリオを書くアイデアは尽きている。

 そんな俺にオリジナルアニメの脚本をやらないかという話がきた。


 新人シナリオライターが、麻榎のシナリオで感動して憧れて

この会社に入社し、このシナリオをより良い方向へと

導いたのだとしたら、現実の師弟関係とシナリオの師弟関係が

シンクロし、麻榎の願いがシナリオとして現実化した作品とも言えます。

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