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理想のヒロイン

 「智代アフター」のネタバレがある可能性があります。


心に届く物語



この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。



----- 第五話 「理想のヒロイン」 -----


 前作の「☆集め」をコンセプトにした作品が大ヒットした事もあり

自分の好きな作品を作って良い事になった。

 俺はファンサービスも兼ねて、

「☆集め」の作品で人気だったキャラの

アナザーストーリーを作る事にした。

 このキャラは、

自分にとっての理想をヒロインにしたようなキャラで

このキャラとの恋愛を上手くできるかどうか不安だったが、

かねがね好評だった。

 昔からやってみたかったRPGをミニゲームに入れたり

色々好き勝手に作る事にした。

 RPGは、ダンジョンもので

装備を選んで配置し、後は自動戦闘で勝敗が決まる。

 ドロップするアイテムの名前をギャグにするなど

気楽に遊べる作りだ。

 変わってシナリオは前半はギャグやほのぼの恋愛などで

家族感や日常の楽しさなどを書き、

中盤では、感動にもっていく。

 しかし、中盤以降には、

ヒロインにとてつもない悲劇や試練が待っている。

 だが、理想のヒロインはそんな苦難や悲劇に

見まわれようとも真っ直ぐ正しく強く生きる。

 それこそが俺の理想のヒロイン像だ。


 作品が発売された。

 RPGの評判がなかなか良い。

 シナリオの前半の評判もなかなか良い。

 ギャグの評判もなかなか。

 エロの評判もやり過ぎなくらい良いと評判だった。

 しかし、シナリオの後半の評判は恐ろしく悪かった。

 『なぜ、主人公が酷い目にあわなければいけない?!』

 『ヒロインがかわいそう』

 などなど酷い評判だらけだった。

 俺は落ち込んだ。

 ファンが望んでいたシナリオではなかったのだ。

 いつもどおり感動させるシナリオを盛り込んだつもりだった。

 でもファンの目にはそうではなかったらしい。

 俺のメンタルは、それほど強くはなかった。

 酷い評価に俺は、その後かなり落ち込み自信をなくした。


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