☆☆☆☆☆(幸せの欠片集め)
「CLANNAD」のネタバレがある可能性があります。
心に届く物語
この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。
----- 第四話 「☆☆☆☆☆(幸せの欠片集め)」 -----
新作のコンセプトを決める会議に俺は、
こういうコンセプトをプレゼンした。
新作のコンセプトはずばり、「☆」だ!!!
『えーと、ヒトデ?』
ズコー、俺はずっこけた。
俺は、もう正攻法で心に届く物語を書く限界を感じていた。
だから、超常現象や魔術に頼る事にした。
ドラゴンボールの玉集めのように集めると願いが叶う。
ドラゴンボールの悟空の元気玉のようにみんなの元気を
少しずつわけてもらって大きなエネルギー玉を作るように。
集めるのは、人の思い、優しさの欠片だ。
言わば願掛けにも近い。
ストーリーのギミックにも、
☆(人の思い、優しさの欠片)を
集めるギミックを盛り込む。
☆を集めて集めて集めて、
何か奇跡が起こる事を期待するのだ。
人の思い、優しさの欠片が集まると、
この場所の神様か何かが
きっと願いを叶えてくれる。
コンセプト会議の結果は思わしくなく、
社内の空気も悪くなり
小説家だったシナリオライターはスランプになり、
別ブランドからの応援のシナリオライターは、
雑誌インタビューでブランドのアンチを掲げ、
執筆するという状況になった。
この新作は何度も中止になるかと
思われる事態になりながらも
なんとか4年たって完成させる事ができた。
思えば無茶な企画だった。
フィクションである物語の上ならそれも簡単だ。
俺はそれをさらにメタ化して、
現実世界へと実体化させる。
言わば願掛け、もう神頼みなのだ。
あまりのめちゃくちゃさに俺は恥ずかしくもあり、
このシステムの説明を、
物語クリア後の☆(ヒトデ)好きの
女の子に代弁させる事にした。
彼女のクリア後のムチャクチャさは、
彼女にあるのではなく
実は生みの親で俺自身にあったのだ。
元からムチャクチャなキャラ付けだったので、
誰も本当の事だとは思うまい。
きっとプレイヤーも大笑いして
ギャグだと思ってくれている事だろう。
俺はさらにこの新作の現実世界への実体化のダメ押しに
ある事を思いついた。
☆集めをコンセプトにした新作は発売された。
なかなか評判がいい。
俺の最後のギミックが炸裂した。
この新作はクリアすると
インターネットで評価サイトと繋がり
この作品の評価をする事になる。
そこでの評価は、
☆をいくつか並べ多いほど評価が良く
5段階で評価される。
そして、ほとんどが☆☆☆☆☆だった。
『感動した』『泣けた』など
そのサイトの評価は、☆で埋め尽くされた。
やったやったぞ!!!
俺の☆集めは大成功だった。
後は、この結果が現実世界へと
影響してくれる事を願うばかりだ。
この☆集めをコンセプトにした作品は、
アニメ化され泣ける感動するアニメに
名を連ねる名作となり大ヒット作となった。
クラナドは、人生。
それと便座カバー