死んだけど生き返れて異世界転移
俺は起きたら上も下もないだだっ広い空間に、フワフワと浮かんでいた。
「何だここ…?」
不意に零れた一人言を何者かが返答してきた。
「やあ、ここが何処かと聞かれると僕も返答に困りはするんだけど、端的に言うと君は死んだ、そしてここは待機部屋みたいなものだと思ってくれて構わないよ。」
待機部屋って何だ何の待機だ、それに俺が死んだ?
そう言えば仕事から帰って来て、泥のように眠ったような気がするけどそこからの記憶がない。
「俺は何で死んだんだ?」
こいつが誰なのか知らないが、俺が死んだ事とここがどういう場所か知ってるんだ、もしかしたら知ってるかもしれない。
「君の死因かい?何だったかよく覚えてないけど、確か熱中症だったかな」
熱中症だとそんな事あるのか…
「まあ過労で自分の体調が悪いことに気付いた時には、手遅れですぐに救急車で搬送されるも死亡ってとこらしいよ。」
あーここ最近残業多かったしなぁ…
「あ、ところで自己紹介まだだったからしておくけど、僕は君のいた世界とは別の世界を統べている神様みたいなものだ。」
お、おうここまで非常識な環境だと妙に説得力あるな。
「それで、その神様が俺みたいな一般人に何の用事ですかね?」
取り敢えず話し掛けてくるんだし何かあるんだろ異世界転生とか
「僕の用事は特に無いんだけど、僕の世界で君が転生だか転移をさせる事が、君のいた世界の神様との話し合いで決まったんだけどどうする?ってことだよ」
なるほど、それなら答えは決まっている。
「じゃあ転移で。」
ほうと呟いてから、異世界の神様が粘土みたいなものを取り出した。
「これが君の肉体ね、一応君が念じた人型には成れるけど能力は元の君と殆ど変わらないからね」
えっそこはこのままな体じゃないのかと思っていると、見透かされたかのように神様に言われた。
「君のいた世界と僕の世界だと美醜はそう変わらないけど、君は美形ではないし、折角異世界でもう一度生きれるんだしモテたくはないかい?」
俺はむう、と唸ってしまったこの神様中々話が分かる、確かに出来ればモテモテで困ることはないと思うし楽しい方が良いに決まってる。
「なら俺が思う美形になっても良いんだ。」
ニヤリと笑いながら神様が答えた。
「その通りだよ!さあ、異世界転生いや異世界転移を楽しんでくれたまえ、その代わり僕の世界を脅かす邪神を倒してくれよ!」
えっそんなの聞いてないぞとか思ってるうちに気が付けば見知らぬ草原に立っていた。