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勇者がヒモになったなら  作者: ひーらぎ
5章「勇者の使命・ヒモの役目・おれの人生」
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5章「勇者の使命・ヒモの役目・おれの人生」8

今作品は、C90「よろづ屋本舗」にて販売した作品となります。


「やれやれ……参ったわね」

 古びた民家の屋根瓦へ腰掛けた少女が太ももへ両頬杖をついて深く溜息した。服はボロボロだし、身体の至るところに生傷が伺える。

 それになにより、せっかくの計画がパーになったのだ。

 それもこれも全て右隣、空家に群がる四人の――そのうち一人の男のせいで。もう本当にやってられない、マジありえないんですけど……。

 もう一度溜息した赤い髪の女がごろんと屋根から落ちないよう大の字に寝そべった。いつの間にか空へは綺麗な星が散らばっている。ただ眺めているだけで敗戦の些細な悔しさまで晴れていくようだ――なんて考えてみたところで、やっぱり、

「惜しいことしたよなぁ……」

 そう都合よく気持ちの切り替えができたら苦労はしない。

「どうして勇者なんかと休戦協定結べるなんて思ったかなぁ。店長さんの精液も味わってみたかったし……。アレボスでは魔王だからって戦ってはみたけど、実際そこまで戦闘馬鹿でもないし」

 あぁもうなんでこうなるかなぁ。

 もう何度かわからない溜息を零す。

「まぁでもこれでアイツたちはあたしを倒したと思ってるだろうし……一応平和に暮らせるようになったのかなぁ。でも許さない、絶対。ただじゃ済まさないんだから……アルベルト・シュナイダー」

 赤い髪を棚引かせた少女は空家から聞こえてくる笑い声へ舌を鳴らしながら夜空を深く睨みあげた。

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