君のために
ラブラブのハッピーエンドにはしない予定なので、ラブラブのハッピーエンドを求めている方にはおすすめしません。
死ネタが含まれます。苦手な方はご注意ください。
初めて小説を書くので、誤字・脱字や、感情の表現の仕方がおかしい等、たくさん出てくると思います。すみません。
こうした方がもっとよくなるよ、とアドバイスをして頂けるとありがたいです。今後の参考にしていきます。
何か質問があればお気軽にどうぞ。お題、リクエスト等あれば、Twitterのお題箱にお願いします。
ID:syousetsurensyu
ユザネ:馬のしっぽ
朝、登校時間ギリギリに教室に入る。
「おっはー健斗!」
どん、と背中を押される。悠は普通にスキンシップのつもりでしたんだと思うが、結構痛い。力の加減というものを知らないんだろうか。
「ああ、うん」
「相変わらずテンション低いな〜!あ、そういえば昨日のテレビのあなたのためにっていうの見た?凄かったよな〜!」
「……ごめん、まだ見てない」
「え〜そっかー、木野さんかっこよかったぞー?今日帰ってからでも見てくれ!」
「…うん」
適当に返すと、悠は数人男子が集まってるところに行ってしまった。俺と話題が合わなくて、面白くなかったんだろう。
…それでいい。正直悠みたいにテンションの高い人は苦手だ。うるさくて、耳障り。あなたのために、なんて題名からしてみようとも思わない。
ああ、また退屈で面倒くさい一週間が始まる。
勉強は別に嫌いではない。自分の未来の選択肢を広げるためにしないといけないと思っているから。
先生は嫌いだ。授業が全く理解できない。説明、黒板に書く字、まとめ方。……全部下手だ。皆授業中に喋り出したり、顔を伏せて寝始めたりするのは、先生の授業が面白くないからだと思う。怒ったり、成績下げるぞーとか言う前に、自分の授業の仕方を見直してほしい。
友達も正直言ってみんな嫌いだ。…というか誰も友達だと思ってない。所詮「友達ごっこ」だ。話の会う奴がいないし、皆嘘をついてばっかだ。授業中男子の何人かがふざけて、それを見て皆笑っている、ということが多々あるが、笑ってる奴の大半が作り笑い、皆に合わせて笑ってるだけだろう。何も面白くない。早く家に帰って一人になりたい。
そう思っている時に、皆と違う制服を着ている女の子が、先生と一緒に歩いてきた。
「転校生紹介するぞー、皆静かに」
そう先生が言うと、教室内が一気に静まり返る。
「…初めまして、遠藤 彩香です。…よろしくお願いします」
そう言うとその子は深く頭を下げる。他の女子とは違って、綺麗なお辞儀だと思った。
「じゃー、席は健斗の前な。皆仲良くするんだぞー」
彼女は皆からここだよー、と席を教えてもらって俺の前の席に座る。
「…ありがとう」
俺からは見えなかったが、声からしてきっと微笑んでいたんだろう。
これから彼女が来たことで何か変わるだろうか。
…変わる。休み時間、彼女に皆集まって、質問攻めして、うるさくなるんだろう。
そう考えながら、俺は大きな溜息を落とした。