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ソラが描く話の続き  作者: にゃんご
3/5

旅立ち

第3話『旅立ち』

満開に咲いた桃色の花は、風に揺られ花吹雪をおこす。一瞬、視界が桃色になり、そして桃色の絨毯が現れる

『散っちゃったなぁ・・・でも今のめっちゃ綺麗だった!!!やっぱりいいわぁモクラ』

モクラとは私の国で栽培している木のことであたたかくなると、綺麗な桃色の花をつける。

この国にくるのは5度目になる、初めて来た時はまだ6〜7歳だった。

私の国では、このモクラを他の地域に売っている。私の父はこの木を売るため、各地を旅して回っている。

初めてこの国に来た時は父に内緒で荷物に隠れてついて来た時だった。

城内に入り、兵の人に王の間まで案内される。

『ようこそ、遠路遥々よく来てくれましたね』

『硬いなぁ・・・・いつも通りでいいじゃん、イズお・お・じょ・さま!』


彼女はイズ王女、南の国第1大姫であり、王が消えた今、代わりの王を務めている。

『そりゃまぁ、一応この国の国王ですしね』

『友人の前ぐらい、いいじゃんか ねぇ大臣さん』

大臣も苦笑いでイズと顔を見合わせる。

イズは、歳もあまり変わらなく、初めてここに来た時に仲良くなった友人の1人だ。

『それで、イズ、貴女くれた手紙の内容がよくわからなかったのだけども?わたしがどーのこーのとか・・・?』

『はい、それは、あ、うん、その話の前に一つ、覚えているかな?初めて会った時のことか私のことか』

『うん、小さい頃と言えば、イズは体が弱かったよね?今はめっちゃ元気だけどさぁ〜』

当時、父と国王が話している最中に抜け出して、城内を冒険しに行った。その時にイズの部屋を見つけた。

小さい頃のイズは生まれつき体が弱く、あまり城外に出るのも儘ならなかった。そのため彼女にとって旅商人の娘の私はいい話し相手になったのだろう、私達はその場で意気投合し友人になった。それから、この国にいる間は私達は毎日のように遊び、城下町の子供も招き入れて遊ぶようになった。

旅立つ日、あまり外に出られなかった彼女が城下町の門まで降りて来て泣きながら別れを言っていたのを今でも覚えている。


『そのあと何回か訪れたけど、来るたびたくましくなっていて、しまいには国王になってるとはね〜』

『おかげさまで。かな?でもね、あの時から私がここまで成長できたのはやっぱり貴女のおかげだと思うの!』

『いや、そんなことないと思うけど』

『だからね、私は貴女には”誰かを元気にする力”があるのではないかと思うの』

『あるかなぁ』

『思い当たるところない?例えば元気のないを植物が次の日にいきなり元気になったいたとか?』

『あーそういうのはあるかも・・・』

以前、ある村のモクラが感染症にかかり死にかけてたいたところ、私達が来てから急激元気になって感染病も治り、翌年にしっかり花を咲かせるみたいのはあったけど・・・・

いやでも、うーん


『こんな話いきなり言われて、よくわからないと思うけど、私はあると思っているの。だからね、お願いしたいの、貴女にはその力を使って、あることをするために旅に出て欲しいの』

『えっと、みんなに元気を分け与える旅、的な?』

『いや、魔王を倒す旅・・・もちろん危なくないように、この国一の召喚師を同行させるわ』

『ま、、、魔王??そんなのがいるの?』

『いるわ、最近、魔物が増えたのはそのせいだとうちの者が突き止めたわ。

本当は私もついて行きたいけど、この国は今こんな状況だから・・・・』

悲しそうにしているイズを見て私は

『うん・・・怖いけど大丈夫!、イズの頼みだもの行くよ!私!力の事はよくわからないけど』

『ありがとう、、、貴女ならそう言ってくれると思ったわ、本当にありがとう』

『うん、、それで召喚師ってもしかして・・・』

『ふふ、それは会ってからのお楽しみに、宿と貴女の装備と多少のお金はこちらが用意するわ、それでいつ出発する?』

『うーん、明日』

『明日!?早くない!?!?』

『まぁ、善は急げって言うしね』

『ふふふ、相変わらずなのね、わかったわ向こうにもそう伝えておくわ』

『うん!!』


〜次の朝〜


城下町の門までの足取りが軽い、昨日用意してもらった装備もぴったりで、なにより『旅』という物に出るのが楽しみでしかない。

そしてもう一つ・・・・門の前にいる1人の女性が声をかけてくる。

『あ、おーい!こっちこっち』

彼女が誰なのかは大体予想は付いている。

私の幼馴染で、両親が魔法使いで、将来誰よりも強い魔法使いになるために国を出て修行しに行った。

最近どこかの国に雇われたって噂にきいてはいたけど

まさかこの国だったなんて・・・・


『さちちゃん!!!!!!!!』

ハイタッチ

『やっほー久しぶり』

『私、最初付いてくる人が召喚師って聞いた時、なんとなく、さちちゃんだと思ってたんだ!』

『私も、旅人に同行してほしいって言われた時、貴女だと思ってた!』


2人で再会を喜んでいると、イズが出てきて

『気をつけてね、本当なら私も・・』

『大丈夫!!!大丈夫だから!私たちに任せて』

涙ぐむイズを抱き寄せる

『あうぁありが・・・とう・・・・』

先代の王が突如行方不明になった中、1人で頑張っている彼女は、その分の涙が流れ出したようだった。

しばらくして、目を腫らしたイズは笑ってこちらに

『勇者そらよ、またその仲間に神の加護があらんことを・・・・・いってらっしゃい』


『うん、いってきます』




こうして私の旅始まった・・・・・

続く

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