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黒龍の契約者―Contractor Of BlackDragon―  作者: 爪牙
第7章 神々の日常~ライの1日~編
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第56話 ライの1日 Ⅴ

・ライの1日編もこれで終わりです。





~ライの1日 16:50~


 あ~~やっと終わった!

 あの後、神主がやってきて他の参拝客の邪魔だからと社務所に案内された。

 ついでに、俺が気を利かせてお茶を淹れたら神主さんにスッゲェ謝られた。そんなに深く考えなくてもいいぜ?


「―――――また曾孫ができるとは、ありがたや~~~~~!」


 アメさん、そろそろやめてくれないか?それで指紋が全部なくなったら俺も心を痛めるよ。

 あ、ついでに雉君ことコソ泥Dにはここでお茶を飲んで貰ってる。


「アメさん、嬉しいのは分かるが、まずは本人達が――――――」


 とここで、ようやく当人達の話が終わったようだ。

 どっちも喉が枯れるまで喋り続けたからお茶を一気に飲み干した。


「―――――マジで・・・マジでできたんだな?」

「・・・・・うん。」


 うんうん、この神社はラブ系効果もあるからイイ雰囲気になってきたな。

 ここからは俺もなんか言っておくか!


「やあ、そこの若夫婦(仮)!お腹の子達の事なら大丈夫だぜ?奥さんにはウズメちゃんの加護があるから安産はほぼ確実だから、あとは事故や生活に気を付ければ大丈夫だぜ?」


 そう、お孫ちゃんにはウズメちゃん事、天宇受売神(アメノウズメ)の加護があるからその辺は心配はあまりしなくて大丈夫なのだ!


「あ、ありがとうございます!!」

「うむ!素直でよろしい!旦那も見習わなければな!!」

「(まだ旦那じゃねえよ。)はい・・・・。」

「聞こえてるぜ?」

「!?」


 フフフ、神は地獄耳なのだ!

 ん?アメ婆さん、何か言いたそうだがどうしたんだ?


「あのう、ライ様?」

「何だいアメさん?」

「・・・・・そのう、先程のお言葉・・・・『お腹の子達(・・)』と聞こえたのですが・・・・?」

「「「――――――!?」」」


 ああ、あの事か!

 コソ泥D・・・・面倒だからキジ君でいいや!キジ君も驚いてるな。


「ああ、それは双子(・・)って事だよ。俺って、本性は鳥だからよ、何か最近は多産のご利益も付いてきた節があるんだよな~~。あ、性別は生まれてからの秘密な?」

「「「えええええええええええええ!!??」」


 キジ君まで叫んでどうするんだよ?

 ま、後の事は当人達に任せるとしますか!

 ああ・・・・だから、アメ婆さんはそんなことしなくていいから!誰か止めて!?


 あ、すっかり忘れたが、他のコソ泥達についてはというと――――――――

 Aは先に言ったとおり漁船の刑、Eは秩父の山奥に放置の刑、生霊だったCは大学病院の集中治療室で覚醒した。まあ、3人ともちょっとオマケ(・・・)つきの罰を追加しておいたけどな?





~ライの1日 17:40~


 ふう、今日は久しぶりに社で働いたから疲れたぜ!

 さて、ガーデンに来た俺はゲームをしながら今日の出来事をみんなに話してやったぜ!


「――――――てな訳で、今日はスッゲェおめでた騒動だったぜ!」

「OH~~~~!何だよそれ!?俺もヤバくね?」

「お前は男だろ?」


 俺と対戦してる丈が体を揺らしながらボケてきやがった。

 あ~~~、そういやコイツの家系は体の方が早い(・・・・・・)からデキちゃった婚が多いんだっけな?そう考えれば、コイツとヨッシーも別の意味でやばいかもな?


「―――――また馬鹿な話?」

「ようリサ!勇吾と黒はどうしたんだ?今日は午後から日本中にいない(・・・・・・・)けど?」


 そう、午後の暇潰しで勇吾の方を観ようとしたら国内に見当たらなかった。

 黒もいないってことは仕事なんだろうけど。


「勇吾なら台湾(・・)よ。今日、ギルドから依頼取ってきて午後から出かけてったわ!」

「ああ、そう言えばギルドの出張所ができてたんだったな?」


 忘れていたが、冒険者ギルドの支部、と言うか出張所がこの度東京に開設された。

 まだ仕事の依頼は少ないが、どうやらでかい依頼を見つけたみたいだな。

 てか、2人だけで言ったのか・・・。


「―――――ヨッシーは置いてけぼりか?」

「ええ、相変わらず避けてるのよね・・・・・。」


 勇吾の奴、相変わらずヨッシーが苦手みたいだな。嫌いではないのはわかるんだけどな・・・・。


「あ!そうだライ、今週のイベント一緒にいかね?」

横浜(・・)のやつか?もちろん行くぜ!軍資金は貯まってるから、いっぱい狩りまくるぜ!!」

「おう!ま、俺は厳選して買うけどな!」


 おいおい、厳選する奴があんなゲーム部屋とか作るかよ?

 まあ、俺はその辺の事はツッコまねえけどな!


「こ、こいつらは・・・・・・。」


 リサは何か引き攣ってるが、俺は気にしないぜ!

 そう言えば、ガーデンの方も何だか賑やかになってきたよな~~~~。

 ま、名古屋の件からトントン拍子に話が進んで行ったからな~~~~。俺はあの後、常立に説教されてそれどころじゃなかったけど――――――――。





~ライの1日 19:00~


 晩飯DAZE!!

 今夜は勇吾がいないから、料理当番は丈とヨッシーだから期待できるぞ!な~~んて、今夜のメニューはガーデン屋外でのYA☆KI☆NI☆KUだぜ!!


「お肉~~~~~!!」

「肉だ~~~~~~!!」

「は~~~い!ご飯はこっちよ~~~~♡」


 肉の焼ける匂いにハシャグちびっ子達!

 そして割烹着を着た丈がご飯を持っていく―――――――何のコスプレだ?


「あ、鳥の神様だ~~~!」


 ちびっ娘が俺を指差した。

 コラ!(ひと)に指さし向けちゃダメだろ!


「藍!人に指さしちゃダメだろ!」

「ハ~~イ!」

「スミマセン、娘が失礼な事を・・・・・・。」

「イエイエ、俺は心が広いので気にしない気にしない!」


 ハシャイでいる娘を叱りながら俺に謝るオッサン、コイツは確か佐々木美緒&佐々木藍姉妹の親父だったっけ?

 そうそう、あの名古屋の1件のあと、丈が何時の間にか親子揃ってガーデンに拉致って来たんだっけ?

 あ、説明すると、名古屋での事件の後、佐々木姉妹の身元引受先でひと悶着あったんだよな。


 事件後、両親の親戚が集まって姉妹の引受先で嫌な感じになった。義父の方は親戚がそろいもそろってクズ揃いで血の繋がらない姉妹を母方の方に押しつけやがった!母方の方も、何だかめんどくさいとか、老いた姉妹の祖父母の介護で余裕がないとか、こっちもそろいもそろってダメ軍団だった。

 そこへ、丈が何時もの様に勝手に乱入して強引に姉妹を連れて行こうとした。まあ、世間体を気にしたクズ&ダメ軍団は止めようとしたが、何時の間にか作っておいた正式な書類や、ちょっとした――この前勝手に見つけてきた――旧日本軍の金塊をドンとプレゼントしたら笑顔で見送ってくれたらしい。


 その後、とある公園のホームレス軍団から、姉妹の実父を発掘して全部(・・)一緒にガーデンに拉致って来た。これは俺も後で聞いたが、佐々木姉妹の実父は不況でリストラしてしまい、女房とは離婚で親権も何もかも失ってホームレスをしていたらしい。姉妹には父親は死んだことにしていたので、実父に会った時の姉妹、当時は幼かった藍は別として美緒は大泣きだった。

 佐々木親子(佐々木は義父の姓)改め、野々山親子は丈が勝手にやった手続きの元新たな居住先を得て、今はガーデンに新居を構えて暮らしている。無職の父親には丈やヨッシーが親戚のコネを乱用しまくって再就職し、今は愛娘たちの為に働いている。もちろん、俺らの事情は説明済みだ!



「お~~い!酒樽持ってきたぜ~~~~!!」

「お、待ってました~~~!!」


 焼けた肉をどんどん食べていくと、丈が何所からか酒樽を持ってきた。

 おいおい、未成年の飲酒は神様も見逃さねえぞ?


「お~~~きたか!」

「兄ちゃん、気が利くな~~~!」


 大好きな酒の登場に、大人達はぞろぞろと集まってきた。

 このおっさん達は、野々山パパと一緒にホームレスしてた皆さんだ!

 もののついでとかで、丈が勝手に移住させ、今はガーデンの農業やインフラなどに従事してもらってる。

 まだ来てから数日だが、俺は酒の力ですぐに仲良くなったぜ!


「よう神様!今日も飲み比べするか?」

「いい度胸だな?こっちは酒の神と飲み比べしてきたんだ、人間に負けると思うなよ!」


 オッサンの1人が酒を運んできて勝負を挑んできた。

 フッフッフ、夜の俺はただじゃ落ちねえぞ?


「なあなあ、俺も混ぜてくんね?」

「お、いいぞいいぞ!」

「よ~し、今日は夜明けまで飲むぜ~~~~~!」

「「「飲むな!!!」」」


 丈はポカポカと殴られて連行されていった。

 ま、お酒は大人になってから飲もうな?


「よし、では美味い肉と酒に感謝して乾杯!!」

「「「「乾杯!!!」」」」


 そして夜はどんどん更けていった。

 うん!こういう賑やかなのはいいよな♪

 今は台湾にいる勇吾達も美味いもん食ってんのかな?お土産に超期待だぜ!!



 宴は深夜まで続き、今日も俺の1日は賑やかに幕を下ろしていった。






~余談 その1~


 翌朝、埼玉県の秩父の方で男子高校生が山で遭難している所を地元の住民に発見された。

 すっかり忘れてたが、あのコソ泥は方向音痴だったらしく彷徨った挙句、大泣きしながら発見されたそうだ。

 この件で、八意思兼命(オモイカネ)を始めとする秩父周辺の神々から抗議が常立宛できて俺は当然説教されてしまった。



~余談 その2~


 轢き逃げに遭って昏睡状態になっていたコソ泥Cだが、生霊になってた時の後遺症で霊感に目覚めてしまい、死霊の巣窟である病院で恐怖のどん底に落ちていた。

 その後、見まいに来たコソ泥仲間に連れられて俺の社に来て、神主の指導の下で霊感を制御する修業を行っている。ま、ついでにバイトでもさせとくか!

 なお、コイツは入院中に彼女をつくったんだが、その後どうなったかは、あえて言わない。



~余談 その3~


 出稼ぎ中のコソ泥Aの実家には4人の妊婦とその家族が同時に押し寄せて大騒ぎになった。

 何か、アイツの家は結構上流だったので、これが大スキャンダルになったんだが、そこは俺が色々うまくやったので生まれてくる子供達の負担になる事はなかった。

 翌月、別人みたいになって帰ってきたコソ泥Aにさらなる地獄が待っていたんだが、これもあえて言わないでおく。



~余談 その4~


 数日後、名古屋で旧日本軍の金塊が大量に発見されたニュースが全国紙に載せられた。

 持ち主達は全部換金して豪遊しようとしたらしいが、そうは問屋が卸すわけがなく、国や大学が動いたりして金塊はボッシューされた。まあ、あの丈が都合よく金を上げるわけないとは思っていたけどよ。きっと、こうなる事も織り込み済みで、現金じゃなくて金塊を渡したんだろうな?

 当然、何時から持っていたのかで国税局とかも動いていたぜ。そしたら、マジで脱税してた奴もいたみたいで、芋蔓式に余罪が発見されてお縄にかかったそうだ。









・次回からは、予告通りの新章「転生者編」です。


・感想などお待ちしております。



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