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黒龍の契約者―Contractor Of BlackDragon―  作者: 爪牙
第4章 十種神宝編
36/477

第33話 戦闘はバカのせいで強制終了

・今回で十種神宝編は終わりです。


 ルビー=スカーレットが馬鹿の痴漢に襲われている間、慎哉は興奮したまま初対面の良則達のステータスを順番に見ていった。



【名前】門原 リサ

【年齢】15  【種族】人間

【職業】冒険者  【クラス】契約者

【属性】メイン:風 サブ:火 水 木

【魔力】5,245,000/5,251,000

【状態】正常

【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv4) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv2) 風術(Lv3) 火術(Lv1) 水術(Lv2) 木術(Lv2) 剣術(Lv1) 体術(Lv3) 投擲(Lv4) 浄化

【加護・補正】魔法耐性(Lv2) 精神耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv3) 凱龍王の加護 風龍の契約 

【開示設定】ON



【名前】ミレーナ=カフィ

【年齢】16  【種族】ハーフ

【職業】冒険者 見習い教師 見習い探偵  【クラス】世話好き者

【属性】メイン:水 サブ:風 氷

【魔力】5,450,000/5,460,000

【状態】正常

【能力】攻撃魔法(Lv1) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv3) 水術(Lv4) 風術(Lv2) 氷術(Lv2) 弓術(Lv3) 体術(Lv1) 千里眼

【加護・補正】魔法耐性(Lv2) 精神耐性(Lv1) 海姫の加護 水獣の契約

【開示設定】ON



【名前】黒河 トレンツ

【年齢】15  【種族】人間

【職業】冒険者  【クラス】契約者

【属性】メイン:氷 サブ:風 雷

【魔力】5400000/5410000

【状態】正常

【能力】攻撃魔法(Lv4) 防御魔法(Lv1) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv3) 属性術(Lv2) 剣術(Lv2) 体術(Lv3) 投擲(Lv2) 氷鋼の靴(アイスメタルシューズ)

【加護・補正】魔法耐性(Lv1) 物理耐性(Lv1) 精神耐性(Lv1) 凱龍王の加護 古の契約者 氷龍の契約 風神の契約 空間認識

【開示設定】ON



【名前】護龍 良則

【年齢】14  【種族】人間

【職業】冒険者 王子  【クラス】ロイヤルチート 閃拳の継承者

【属性】メイン:光 火 サブ:風 水 土 空 闇 氷 木

【魔力】6,175,000/6,192,000

【状態】正常

【能力】攻撃魔法(Lv4) 防御魔法(Lv4) 補助魔法(Lv5) 特殊魔法(Lv5) 属性術(Lv5) 剣術(Lv5) 体術(Lv5) 神眼 聖火(ホーリーフレア) 時空の王鍵(ワールドマスターキー) 龍皇の籠手

【加護・補正】魔法耐性(Lv3) 物理耐性(Lv2) 精神耐性(Lv5) 光属性無効化 火属性耐性(Lv4) 凱龍王の加護 龍皇の契約 焔神の契約 海龍の契約 天空神の契約 鳳凰の契約 神殺し ハーレムの器 神代の契約王 空間認識 超直感 知識の蔵

【開示設定】ON




「――――――ハハハ、スゲエ・・・・。」



 最後のは笑うしかなかった。


 バカと良則は明らかに規格外(チート)すぎた。魔力も600万越え、能力や加護なんかはレベル4や5ばかりでレベル1は1つもない。メイン属性も2つあり、サブ属性も他とは明らかに多すぎる。能力欄には『魂の武装』らしきものも複数ある。《ハーレムの器》とは一体―――――。以前、勇吾が自分をチートじゃないと言ったのも納得できる内容だった。



『――――――――気持ちは分かるが、落ち着け慎哉。』


「そうそう、こいつらのチートぶりを気にしてたらキリがないぜ?ていうか、こいつらを基準にしたら大抵の人間は凡人になるっての!」


「・・・僕は何て言ったら――――――。」


「何も言うな!」


「―――――――うう。」


「ほら、ヨッシーは泣かないの!」


「そうだぜヨッシー!お前は無双していても恨みを買わないから安心しろ!」


「恨む事すらできないだけだがな。」


『――――――勇吾、お前は黙って治療を受けていろ。』



 勇吾の周りは独特の空気に包まれていた。


 勇吾はすぐにリサとミレーナの2人から回復魔法を受け、その後に黒王も回復を受けた。2人の少女の行う治療作業は手慣れたもので、火傷も出血も見る見るうちに治っていった。



「お~~~~!初めて見たぜ、回復魔法!俺使えないんだよな~~~~!」


「分かるぜぇ!魔法と言えば回復魔法だからな!」



 属性が同じだと相性がいいのか、慎哉とトレンツはすぐに仲良くなっていった。




        ドゴ――――――――――――――ン!!!!




「あ、そう言えばあの馬鹿忘れた!」


「落ちて来たよ・・・・・いつも通り!」



 和んだ空気の中、不意に空の方で爆発が起きて一同はそちらの方を見る。すると、気のせいか勇吾が受けた炎より強力な炎が夜空で爆発し、人影らしきものがこちらに落下してきた。



「いつも思うんだけど、あいつがいるといろんなものが台無しにならるわね?」


「・・・・そうね。」


「あの巨乳の美人可愛そうだな。」


「美人なのが災いしたんだろうな。」


「きっと今日はあの人の厄日なのよ。絶対そうだわ!!」


『・・・・・少なくとも、否定はできないな。』


「はあ、さっきまで頭に血が上っていた俺が馬鹿みたいだ。」



 地上にいる全員がルビーに同情していた。


 そして、ズドンという豪快な音と共に頭から地上に衝突した馬鹿は何も無かったかのように立ち上がった。



「ハッハッハ、丈君はこれぐらいじゃ死なないぜ巨乳の姉ちゃん☆」


「――――――――ヒッグ!あ、あなた私に何てことを―――――――――――!!」



 ルビーは服が微妙に乱れた姿で泣いていた。


 その姿を見た一同―――特に従兄弟の良則―――は大変申し訳なさそうな顔をしていた。



「―――――思い出したわ!あなた・・・・あなたが悪名高き凱龍王族のバカ王――――――!!!」


「あり?俺って有名人―――――――!?」


「「「「照れるな!!!」」」


「あ、こっちのヨッシーは健全だからな?」



 通じたかは分からないが、トレンツは幼馴染の名誉のために補足しておいた。



「――――――フフフ、よく分かりましたわ。あなた達の事は覚えておきましょう。ただし、次に会う時まで今よりも強くなって置く事ね、坊や達?」


「・・・・・・・・・・・。」



 ルビーは持っていた扇を振り全身を炎で包み込む。



「―――――アッ!しまった、神器が!!」


「フフフ、最後の(・・・)は互いに痛み分けになったという事にしておくわ。では、御機嫌よう――――――。」



 そして彼女は炎に包まれて何処かへと消えていった。


 勇吾は一瞬でも神器の事を忘れていた事に苛立ち、焼け果てた地面に拳をぶつけたのだった。











--------------------------



 守護王狼は消えゆく意識の中、神器を持って消えるルビーとそれを止められなかった勇吾の姿を見ていた。


 ルビーの炎に飲まれた後、その圧倒的な力の前に守護王狼の体は一瞬にして滅び、残った意識だけの存在となっていた。もはや聖域の守護者としても精霊獣としての力はほとんど消え、今は実態すら形作れないほどの下級精霊レベルにまで弱体化していた。



『・・・・・・終わった・・・・・・・か・・・・・。』



 不思議と、彼は穏やかだった。


 守護していた神器『澳津鏡』と『辺津鏡』が盗まれた時の怒りも何時の間にか消えている。あるのは安心感と安らぎだった。


 最早意識すら消えそうな程まで弱体化しただけかもしれない。または、自分の代わりに戦ってくれたあの少年達の姿を見たからかもしれない。理由は分からないが、自分の役目が終わったのだけは理解できた。



『・・・・・ここ・・で・・・・消えるなら本望だ・・・・・。』



 もう何千年程経つだろうか。


 かつての守護王狼はこの山々を縄張りにしていた狼の群の頭だった。寿命で死んだ後、この地の魔力の影響の精霊となった彼は、ある時1人の女神に出会った。女神と言うのは彼の印象で実際の性別は分からない。だが、彼女から力を与えられ精霊獣となった彼はそのままその女神の眷属となって使えた。


 ある日、西からやってきたとある人間達がこの地の地下に町を造った。争いを拒み、静かに平穏を望んだ彼等は町の祭殿に2種の神器を祭った。権力闘争の末、散り散りになった十の神器のうちの2つを祭り、その力に護られて彼らは過ごしていった。


 町が滅んだ理由はハッキリ覚えてはいない。ただ、町から誰もいなくなった後、彼は主である女神から町と神器を護る使命を与えられ、それを今日まで守ってきた。


 その使命も今日で終わりと言う事なのだろう。



『・・・・・ハハ・・・・・・礼を・・・・・言う・・・・・。』



 それを最後に、守護王狼の意識は消えた。









--------------------------




 ルビーが去った後、勇吾達は破壊された山や遺跡の修復に取り掛かっていた。と言っても、やったのは全部馬鹿1人だったのだが。



「よ~~~し!《修復(レストレーション)》!ア~~ンド、《森林回復(フォレストヒール)》!」



 必要のないアクションをしながら特殊魔法を2つ同時に発動させる馬鹿。


 すると、周囲一帯が光に包まれてゆき、地面に開いた穴が見る見るうちに塞がっていく。おそらく、遺跡内部の破損個所も同様に修復されていっているのだろう。そして焼けた山の表面には植物の芽が生え、見る見るうちに周囲の木々と違和感ない大きさにまで成長していった。



「完了~~~~~~~!」


「何時みても無茶苦茶よね・・・・・?」


「それはもう言わないの!」


「・・・・・・・・・。」



 勇吾は静かに山を見上げていた。


 そこに良則がやってくる。



「やっぱりそれらしい精霊の気配はもうないよ。多分・・・・・。」


「分かってる。けど、多分ここはアイツにとって大事な場所だ。これで少しは安らかに眠れた・・・・・・かな。」


「・・・・勇吾・・・・・。」



 良則には勇吾が何を考えているのか分かっていた。


 だからこそ、気休めな事は何も言わなかった。



「――――勇吾、そろそろ行こう。ここに来るとき結界を張っていたけどそれ以前の――――あの竜巻を見た人がいるかもしない。」


「そうだな。調査の手が入る前に帰るか。」



 その後、一同は黒王に乗って東京へと飛んで行った。



「なあなあ、今夜はお前ん家に泊めてくれるよな?」



 最初に言い出したのは馬鹿だった。


 勇吾は反射的に嫌そうな顔をした。



「帰れ!!!」


「じゃあ、泊まるわ!」


「お前は帰れよ!!」


「なあ、みんなもそれでよくね?」


「聞け――――――!!!」



 怒りのオーラを纏いながら怒鳴るが、馬鹿は全部無視して勝手に話を進めていった。



「イイんじゃない?どの道この世界じゃ私達だけで宿はとれないしね。」


「つーーか、最初からそのつもりで来たからギルドに宿の申請してねえしな!」


「ええ!?僕は聞いてないよ!!」


「言ってないからな!」


「お前ら・・・・・・・・・。」



 どっと疲れが全身にたまる感じがする勇吾だった。


 一方、普段は見せない地の勇吾の姿を、慎哉は面白そうに見ていた。



「勇吾、何か面白い奴等だな?」


「・・・・お前、これからはお前も苦労する事になるんだぞ!?」


「は?どう言う意味なんだ?」


「・・・・・・。」



 勇吾は遠くを見ながら黙り込んだ。


 慎哉は知らない。勇吾の幼なじみ達、特に(バカ)と一緒にいるとどういう事が待ち受けているかという事を。



「なあなあ、これから何か食いに行かね?」


「そう言えば、まだ夕飯まだだったわね?」



 リサは時計を確認する。時刻は夜の九時を過ぎたばかりだった。



「でも、この時間外を歩いていたら補導されない?」



 チートだけど常識のある良則はこの世界での一般常識を指摘する。



「別にイイんじゃね?俺は構わないしよ。」


「「「「お前はな!!!」」」」



 結局、デリバリーなどを適当に注文する事でこの話題はとりあえず終わった。


 しかし、東京に着くまでの間、彼らは馬鹿を中心に休む間もなく雑談を続けるのだった。






・余談ですが、ルビーはその後、有給休暇を取って温泉にゆき、傷ついた心を癒していきました。


・次回は日常編です。幼馴染達の能力の説明は追々明かされます。

・感想お待ちしております。



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