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黒龍の契約者―Contractor Of BlackDragon―  作者: 爪牙
第14章 天使編
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第333話 天馬(ペガサス)

天馬(ペガサス)族』―――この世界ではギリシャ神話に登場する聖獣。ギリシャ語では「ペガソス(ペーガソス)」と呼び、ペルセウスやポセイドン、ベレロポーンといった多くの神や英雄を乗せ、主神ゼウスにも使えたとされる。その姿は一対の翼を持った馬であるのが一般的だ。


「なあ、あの天馬ってあの2人だよな?『蛹屋(シェムハザ)』の弟子だって名乗っていた、あの……」


「ああ」



 驚いた声でトレンツが俺に訊ねてくる。


 無理もねえ。


 俺だって、目の前で起きている現象に驚いてるんだからな。



「けど、あの2人って水馬族だったよな?」


「ああ」



 さっきの光が視界を埋め尽くしている間に、水馬族の2人は別の種族に変わった。


 本来ならあり得ない現象だ。


 しかもそれだけじゃない。



「なあ、俺の記憶が正しいんだったら、天馬族の羽って1対だったよな?」


「ああ」


「羽、多くね?」


「………」



 そう、目の前にいる2体の天馬の羽は、通常の天馬族よりも羽の数が異常だった。


 普通なら1対2枚、だがアイツラの羽は5対10枚(・・・・・)もあった。


 多すぎるせいか、少し離れてみると羽同士が重なって1対2枚と錯覚しそうになる。


 あれは明らかに普通の天馬族じゃ……いや、天馬族なのかすら怪しい。


 俺は天馬(?)の片方のステータスを確認してみた。



【名前】瀧山(たきやま) 泉希(みずき)

【年齢】19  【種族】聖天馬(アーク・ペガサス)

【職業】高校生(2年)  【クラス】覚醒転生者

【属性】メイン:光 水 氷 サブ:土 風 火 空

【魔力】6,300,000/6,300,000

【状態】正常

【能力】攻撃魔法(Lv5) 防御魔法(Lv4) 補助魔法(Lv4) 特殊魔法(Lv4) 属性術(Lv3) 武術(Lv4) 隠形術(Lv3) 調合術(Lv3) 浄化 人化 天使化 光化の法 水化の法 氷化の法 氷眼 河神之聖衣 聖天之光翼(アーク・ライト・ウイング)

【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv4) 精神耐性(Lv5) 光属性耐性(Lv5) 水属性耐性(Lv5) 氷属性耐性(Lv5) 土属性耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv2) 火属性耐性(Lv2) 空属性耐性(Lv2) 闇属性耐性(Lv2) 全状態異常耐性(Lv3) 詠唱破棄 思考加速 絶対記憶 不撓不屈 聖なる魂 天血 超回復 超再生 竜ハンター 悪魔ハンター 神殺し 転生者 始祖 水神罔象女神(ミツハノメ)の加護 聖魔天使シェムハザの加護



 新種族誕生かよ……。


 しかも転生者って……



〈当人達に訊けばいい〉


「……そうだな。取り敢えず、これで敵は全て倒した訳だし、下にいる慎哉達とも合流するか!」


「おう!丈達、俺のチッ〇スター(コンソメ味)食ってねえよな~?」


「お前もか!!」






--------------------------


――サンフランシスコ(現実世界)――


 場所は変わり、異空間結界の外、現実世界のサンフランシスコ。


 天界の“門”と冥界の“門”、2つの“門”が開いた事により生じた大地震により、サンフランシスコの街は大混乱に陥っていた。


 日本人ほど地震に耐性の無い住民達は我先に逃げ惑い、またドサクサに紛れて商店を襲う強盗なども発生していた。


 そのサンフランシスコの一角、某大学の敷地内に開いた冥界の“門”では、新たな異変が起き始めていた。



『――――時ハ来タレリ』



 ずっと開いたままだった“門”の奥、冥界から邪悪な存在が“門”を通り抜けようとしていた。


 全身が瘴気で包まれたその巨体は、“門”の向こう側へと手を伸ばした。



『《天轟千雷閃》!!』


『―――――ッ!!』



 そこに無数の雷が降り注いだ。


 雷は邪悪な存在の体を貫いてゆき、“門”に触れようとした手を焼き砕いてその存在を冥界の底へと落とそうとする。



『何奴―――!』


『生憎と、ここから先は全面通行止めだ!』


『――――神!』



 邪悪な存在の前に立ちはだかったのは天神――――ライだった。


 そしてライの背後には、他にも複数の影があった。



『―――開きっ放しの“門”を放置するほど神も無能じゃないんだよ。急遽結成の、俺ら日米神様連合がお前らを冥界へ逆戻りさせてやるからYOROSHIKU~♪』


『神如キガ、邪魔ヲスルカ』


『……神、如きねえ~。その“神如き”に、お前ら(・・・)はこれからボッコされるんだよ。後ろの連中も――――覚悟しな?』



 こうして人間達には気付かれない所で、新たな戦いが始まった。


 そしてバカの異空間結界が解かれる頃には、現世に出ようとしていた邪悪な存在は1体も残らず冥界に逆戻りするか、ライを始めとする神々によって討滅されていたのだった。






--------------------------


――地下保管庫前(異空間)――


「転生~♪」


「マジで~?聖書の神はテンプレ神だったのかよ~!神、グッジョブ☆」


『その神は死んでるけどな。けど、確かにグッジョブだ、親父殿♪』


「案外、神、転生してるんじゃね?」


『否定できねえな~』


「来世は「弱くてニューゲーム」?」


「俺ヨエ~!」



 バカトリオが何か騒いでいるが、誰も相手にしなかった。


 現在、勇吾達は再び地下保管庫の前に集合し、そこで互いの戦果を含めた情報交換が行われた。


 “門”を通ってきた天使と堕天使の軍勢はほぼ全滅、堕天使の“器”にされていた一般人は――後遺症などについては経過観察が必要だが――全員無事に現実世界へと戻された。


 天使側については、主導者であるハニエルは色々と壊れた(・・・・・・)まま、現在この場に同席しているサリエルに引き渡している。


 ハニエルはその役目上、可能な限り討滅せず天界に送還する方が世界にとっても都合がいいと判断されたのだ。


 そして黒幕であるリリスとナアマの両名は討滅され、しぶとかったリリスに関してはこの世から完全に消滅され、2度と復活することも無いとシェムハザは語った。


 仮に今後、「リリス」と名乗る存在が現れたとしても、それは全く別の存在になるとも補足された。



「――――で、奴らの目的はサマエルの現世への降臨なのは間違いないのか?」



 そして最も重要な点、敵の目的についての確認に入る。



『奴を消す直前に思考を読んだ。少なくとも、あの2人(リリスとナアマ)はそれを目的として行動していたようだ』



 勇吾の問いにシェムハザが答える。


 あの状況でもしっかりと情報収集をしていた事に、外野からウルサイ歓声が上がったが皆無視した。



『――――7つの封印の内、現在破られているのは3つ。サマエル、アポフィス、そしてバロールの3柱が封印から解放されている。もっとも、すぐに動ける訳ではないが……』


「待て!3つ!?また別のが破られたのかよ!?」



 話を続けるシェムハザに、勇吾は思わず待ったをかける。


 勇吾以外にも同様に驚いている者はいた。


 当然だろう。


 『創世の蛇』のトップである7柱の《盟主》は過去に他の神々や英雄達により狭間に封印されている。


 その封印は強固な上、“鍵”は無限に存在する世界の何処かに散り散りになっており、見つけるのは至難であった。


 だが、その封印が3つまで破られており、その1つが破られた瞬間は勇吾もその目で見ている。



『……聞いてないのか?』


「「「え?」」」



 驚愕する勇吾達だったが、逆にシェムハザは勇吾達が知らない事に驚愕した。


 ちなみにファラフは既に知っていた。



「あ~!ゴメ~ン、教えるのすっかり忘れてた~!テヘ☆」


「あれれ?俺、言ってなかった?」



 その後、バカ達は仲間から凄く怒られたのは言うまでもない。


 その際、持っていた食糧は全て没収された。



『――――リリスの記憶情報の真偽は別として、今回の件でサマエルに利があるのは間違いないだろう』



 そしてシェムハザはバカの存在を関知しないまま話を進めていく。



『本来複数同時に開く事の無い異界との“門”。それが2つ同時に開く事により、この世界お覆う時空の壁が脆くなり、世界の外にいる奴が侵入しやすくなる』


『だがそれは本命ではない』


『そうだろうな』


「ドユコト?」



 勇吾のすぐ横で聞いていた慎哉は、頭上に疑問符を浮かべながら訊ねる。



『サマエルにとって、時空の壁は大した問題ではない。その気になるなら、力技で侵入する事ができる』


『故に、ここまでの事をしてまで時空を乱す理由にはならない。真の目的は別にある』


『ならば、注目すべきなのは“門”を複数開く事ではなく、天界と冥界を現世と繋げるという点だろう。それに、『蛇』の目的を照らし会わせれば、1つの答えに行き着く』



 シェムハザとファラフは互いに視線を向けあうと同時に頷きあう。


 大人しく話を聞いていた勇吾達も話の流れから次に出る言葉を察していた。


 なにせ、今日一日の会話でその単語が何度も出てきているのだから。





『『「『生命の樹(セフィロト)』、『邪悪の樹(クリフォト)』――――」』』







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