第295話 チート化 side 双子
少しずつ調子が戻ってきました。
――北海道 〇〇市――
この日、〇〇市には大雪が降っていた。
北海道なら10月下旬には初雪が観測されるので雪が降ること自体は珍しくはないが、その日の雪は半分は自然の雪じゃなかった。
人為的な大雪だった。
「あ~ん!股間が引き締まる~~~!!」
「わいせつ罪で捕まって来い!!」
「ギャン!」
バカを蹴り飛ばしながら、俺はこの街の何処かにいる双子の下へと向かった。
十中八九、この大雪の犯人はあいつ等だろう。
そしてその予想は見事に当たっていた。
「ゲ!勇吾!?」
「ヤバい!バレタ!?」
「・・・お前らは何やってんだ?」
「いやあ~、ちょっと雪を降らせようと思ったら加減間違えて・・・。」
「ちょっとのレベルじゃねえだろ!」
俺は周りを見渡しながら2人を怒鳴る。
周囲は既に雪景色で、近所の住民達は除雪作業に追われていた。
これが東京だったら、交通事故や鉄道の運休なども起こっていただろうな。
「キャア~~~!人が倒れてるわ~~!!」
すぐ近くから通行人の悲鳴が聞こえてきた。
振り返ると、歩道のど真ん中で、バカが白目をむいて倒れていた。
〈凍死体ゴッコ♪〉
〈いっそ、本当に死んでろ!〉
俺は人が集まる前にその場を離れた。
慎哉達も厄介事はゴメンなので俺の後について来た。
その後、大雪はどうにか収まった。
余談だが、この日からしばらくの間、〇〇市では「歩く凍死体」という都市伝説が流行ることになるが、俺は一切関与はしなかった。うん。
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――〇〇市 佐須家――
俺達は冬弥の家に来たが、家の中はかなり複雑な空気に包まれていた。
それもその筈、現在、この家には佐須家の人々だけでなく、東京の北守家とあと一家が集まって重要な会議を行っていたからだ。
京都の一件の後、修学旅行から戻った慎哉は自分の今の家族、つまり北守家の両親に自分の出生について打ち明けた。
その場には冬弥も同席し、その時の北守家は大パニックになり、落ち着くのに丸1日たった。
それから数日後の現在、佐須家にて三家による緊急会議が開催されている訳である。
「―――って、何で当事者のお前らは参加してないんだ!?」
「いや、別に俺達は困ってないしさ!なあ?」
「ああ、俺は別にどっちの家に行くことになっても問題ないからな。」
「・・・親の苦労、子知らずだな。」
多分、その親達も俺と同じことを考えているんだろう。
なんか同情してきた。
「―――まあ、それはいいとして、お前らのステータスを確認させてもらうからな!天候を操るって、どんだけチートになったんだお前らは?」
そして俺は双子に《ステータス》を使った。
【名前】北守 慎哉
【年齢】15 【種族】人間
【職業】冒険者(Lv102) 白狼戦士(Lv3) 天術師(Lv2) 【クラス】チートツインズ(兄)(笑)
【属性】光 風 土 水 氷
【魔力】6,210,000/6,210,000
【状態】正常
【能力】白狼之魔法(Lv5) 白狼之属性術(Lv5) 白狼之体術(Lv5) 白狼化 白狼の手甲鉤 天候の指揮者 共に戦う強さ
【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv3) 光属性耐性(Lv5) 氷属性耐性(Lv5) 水属性耐性(Lv4) 風属性耐性(Lv4) 土属性耐性(Lv4) 全状態異常耐性(Lv4) 神の御子 白狼の血 双の絆 狼眼 超嗅覚 天の通行許可 神殺し 悪魔ハンター 白狼ホロケウカムイの加護(+2) 聖獣(冬弥)の契約 体の成長期 職業補正 職業レベル補正
【BP】3+500(*世界の神々からBPがプレゼントされました。)
【天候の指揮者】
・一定範囲内の天候を操作する事ができる。
・単純な天候だけでなく、湿度や風速、風向も細かく操作する事ができる。
・効果範囲は能力の熟練度に比例する。
【共に戦う強さ】
・仲間と認識した相手とリンクを結び、互いの五感情報や思考を共有し、互いの能力を向上し合う。
・同調率が上がれば魔力の供給や能力の一時貸与も可能になるが、少しでも拒絶の意識があればリンクは強制的に切れてしまう。
・長時間の使用は精神に負担が大きくなるので要注意。
【天の通行許可】
・とある高位の神が与えた、天界(神界)への入界許可証。
・これがあれば神々の領域を出入りする事ができる。本人にのみ有効。
【名前】佐須 冬弥
【年齢】15 【種族】白狼族
【職業】冒険者(Lv101) 守護狼(Lv4) 天之白狼(Lv4) 【クラス】チートツインズ(弟)(笑)
【属性】メイン:光 氷 サブ:風 水 土 空
【魔力】6,000,000/6,000,000
【状態】正常
【能力】白狼之魔法(Lv4) 白狼之属性術(Lv4) 白狼之武術(Lv4) 神狼術(Lv4) 千里眼 人化 聖獣之理 聖鋼の狼鎧 箱庭を創る者 神喰狼王之暴食牙
【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv4) 精神耐性(Lv4) 光属性耐性(Lv4) 氷属性耐性(Lv4) 風属性耐性(Lv3) 水属性耐性(Lv3) 土属性耐性(Lv3) 空属性耐性(Lv3) 全状態異常無効化 神狼の眼 超嗅覚 無敵胃袋 神の御子 契約した聖獣 双の絆 天の通行許可 神殺し 悪魔ハンター 回復力向上 白狼ホロケウカムイの加護(+2) 職業補正 職業レベル補正
【BP】0+500(*世界の神々からBPがプレゼントされました。)
【箱庭を創る者】
・狭間の世界に自分が管理する世界を創造する事ができる。
・地形、地質、気候等を管理者の技量で細かく設定でき、外部から連れて来た生物を繁殖させる事もできる。
・広さは管理者の魔力量と熟練度に比例する。
・部外者は管理者の許可がなければ出入りはできない。
【神喰狼王之暴食牙】
・『神狼』フェンリルの能力を模した狼系上位種族専用能力。
・対象に噛み付く事で対象を吸収、自身の力として取り込んだり、取り込まずに体内に創った亜空間に収納する事ができる。
・対象に“噛み付く”事が能力の発動条件であり、“噛み付けない”対象には能力は使用できないが、神付けられるのならば、生物・非生物に限らずあらゆるモノにも有効となる。
・また、対象を体内の亜空間に、半永続的に封印する事も出来る。
超急成長だな。
中二臭がする能力名は別にいいとして、どうやらスペックは高いが、まだ意のままに使いこなせてないみたいだな。
さっきの大雪がいい証拠だ。
「兎に角、慎哉は《天候の指揮者》は無闇に使うなよ!しばらくは、2人ともデカくなり過ぎた力の適応に専念しねえと暴走してボンだぞ!」
「いや、もうボンしちゃったし・・・」
「は?」
「昨日、ちょっとな・・・。」
俺の知らない間に何をしやがったんだ!?
俺の知る限り、昨日は地球上で新しい異変は起きていなかったから大丈夫・・・だよな?
「―――それにしても、こうもポンポンとチート大量生産するなんて、アイツは何を考えてるんだ?」
「とあるバカに唆されてやったとか?」
「物凄く納得できるな!」
そして数分後、ふざけた遊びに飽きたバカを尋問をしてその答えが半分正解したのを知るのだった。
俺はその後、新しい悪戯を思いついたバカを引き摺りながら、大事な話し合いがある慎哉達と別れた。
さてと、他の連中のステータスも確認しながら犯人の所に行ってみるか。




