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黒龍の契約者―Contractor Of BlackDragon―  作者: 爪牙
第13章 神殺し編
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第256話 修学旅行1日目②

――京都 伏見稲荷大社――


 鳥居スゲエエエエエエエ!!!


 京都駅で新幹線から降りたらすぐにバス移動、そして着いたのがココ、兎に角鳥居が多い伏見稲荷大社だ!!


 兎に角鳥居が多い!!


 最初に2つの鳥居を潜って本殿見た後に来たぜ、千本鳥居!!


 マジで千本有るのかよ!?



「「マジで千本あるのか!?」」



 あ、同じこと言ってる奴ら発見!


 やっぱ、誰でもそう思うんだな!



「よ~し!頂上まで登ってみようぜ!!」



 同じ班の男子生徒が我先にと千本鳥居に乗り込んでいった。


 おいおい、案内マップ無しで大丈夫かよ?



「って、置いてくな~!!」


「ハッハッハ!置いてくぞ北守~!」


「頂上を目指すぞ~!」



 人のことは言えないのは自覚してるが、あいつらマイペース過ぎだろ!


 俺は千本鳥居に突入する同級生を追いかけていった。



―――――ピシッ!



「ッツ!静電気か!?」



 千本鳥居に入った瞬間、静電気に襲われたような感覚が襲いかかってきた。


 冬にはまだ早いし、もしかして鳥居の不思議パワーに引っかかったのか?


 最初の2つの鳥居の時は何もなかったのにな?


 もしかしなくても、ここの神様に睨まれてる?



「・・・いた!」



 周囲の気配を探ってみると、あちこちに狐火みたいなのがちらほら見えた。


 他の観光客には見えてないみたいだな?



――――こっちを見たよ!


――――シッ!たまたまかもしれないから静かに隠れるのよ!


――――臭うよ!凄く臭うよ!


――――狼の臭いがするよ!


――――龍の臭いもするよ!


――――ウカ様に知らせないと!


――――サタ様やタナカ様にも知らせよ!


――――オオミヤ様にもね!



 狐達がワイワイ騒いでる。


 隠れているつもりなのか?


 俺は無視して先に進んでいるみんなを追いかけた。



――――あれ、人間かな?


――――少しだけど、主様達にそっくりな匂いがしたね!


――――ネ!



 まだ何か言ってる。





--------------------------


 鳥居だな。


 千本鳥居を抜けても鳥居がある。


 絵馬の代わりに鳥居が奉納されてる。


 いっそ、名前も鳥居神社に変えたらどうだ?



「おお!この辺りにはリアル巫女が一杯だぜ!!」


「激写チャンス!」


「男子ってサイテー!」


「そこ!一般の方々に迷惑かけない!!」



 巫女さんに大興奮する連中を教師陣が叱る。


 確かにこの辺りは巫女さんが多いな?


 やっぱ、超有名な神社だからか?


 しかも気のせいか、巫女さん達からは綺麗な魔力が感じられる。


 もしかして、俺と同じこっち側の人間・・・?



「――――いえ、彼女達は一般人です。」


「え!?」



 何時の間にか、俺の目の前に凄い巫女さんが立っていた。


 何が凄いって、胸が凄い!


 軽くGを越えているぞ!


 じゃなくて、気配を微塵も感じなかったぞ!?



「まさか・・・神様?」



 周りには聞こえないように注意しながら訊ねてみた。



「はい。私はこの伏見稲荷大社の祭紙を務めています、大宮能売神(オオミヤノメノカミ)と申します。お初に御目にかかります、『白狼』様の御子(みこ)様。」


「み、御子って俺!?」



 マジで神様、それも女神様登場だ!!


 同じ女神でも、ジルニトラとは風格が違いすぎるぜ!!


 やっぱ、女神はこれくらい清楚な感じじゃないとな!



「フフフ、清楚ですか?ありがとうございます。」



 心読まれてる!?


 流石女神だ!!



「勝手に御心を読んでしまい申し訳ありませんでした。しかし、他の神々から御聞きになったとおりの面白い御方ですね?」


「え、俺ってもしかしなくても神様の愛だな有名人?」


「かの名高き『白狼』様の数千年ぶりの御子様ですから、国内外の神格の方々の間ではそれなりに有名ですよ?特に先日は、邪法により復活した遥か西方の神格を弟君や御友人と共に討滅してくださった事が話題になっております。」



 なんてことだ!


 俺達は知らない内に神様の間限定で時の人状態になっていたのか!?


 しかもなんだか神様と同列扱いされてる!?



「一応言うけど、俺、人間だぜ?」


「存じております。ですが、『白狼』様の御子様である事は事実です。」


「いや、でも・・・」


「今の若い方々には余り知られてはいませんが、神が他者の体を通じて子を成す事はそれほど珍しい事ではないのです。」


「え、マジ!?」


「ハイ、例えば韋駄天様…いえ、スカンダ様の話が有名でしょうか?」



 スカンダって、(バカ)が契約しているあの脳筋神様!?


 戦う度に山を吹っ飛ばしたり、クレーター造ったりするあの!?



「ええ、その(・・)スカンダ様です。この国では韋駄天様と呼ぶ方が多いですね。あのお方は――――」


「北守~!置いてくぞ~!!」


「・・・どうやら御学友を待たせてしまいましたね。この話はここまでにしておきましょう。」


「あ、はい!」


「これも何かの御縁、何か御困りになられた時は遠慮せず御相談下さい。では、良い旅をお楽しみください。」



 御子女神さん―――大宮能売神さんは丁寧に御辞儀をしてから去っていった。


 しばらく視線で後を追ったけど、すぐに人の中に消えていった。


 後でネットで検索で調べたら、あの女神さんは元々は神様に仕えた巫女さんで、それが神格化されて商業関係の神様になったそうだ。


 その後、一通り大社内を見て回ったけど、他の神様とは出会うことはなかった。


 狐とかはストーキングしてきたけど…。


 俺って、そんなに臭うのか?





--------------------------


――京都 東寺――


 昼食を美味しく戴いた後、次に訪れたのは五重塔で有名な東寺だ。


 他の班の人達と一緒に記念撮影をし、ガイドさんの案内で五重塔以外にも食堂や金堂とかを見て回った。


 そして、ここにもいたよ神様!!


 しかも、俺も知っている超有名人が!!



「フホホホ、儂は弘法大師という者じゃ。」


「空海!!??」



 仏像巡りをしていて出会ったのは、かの有名な弘法大師こと空海さんだった!!


 歴史の授業で知ってるよ!!


 真言宗の人だよ!!


 なんか、他のお坊さんと違和感なく背景に同化してたよ!!


 しかもバックにデカい何かがいるよ!!


 誰だか知らねえけど、コエ~~!!



『我が名は降三世(ごうざんぜ)明王!!五大明王の一角にして、東方の守護を任されし――――』


「降三世様、声が大きすぎますぞ。」



 空海さんだけでも凄いのに、仏様まで登場したよ。


 ちなみに、携帯の写メには映らなかったけど、スマフォモードにしたPSTだとバッチリと写ってた。


 明王様の8本の手の幾つかがピースサインになっていたよ。



「フホホホホホ…良い旅を楽しみなされ。」



 凄いな京都、普通に観光するだけで神様に出会えたよ。


 そして俺の修学旅行1日目はまだ続く・・・って、他の仏様もこっちを見てるぅぅぅ!!??







大宮能売神(おおみやのめのかみ):天皇を守護する八神(宮中八神)の1柱であり、稲荷神社で宇迦之御魂神(ウカノミタマ)とともに祀られています。物事を上手く調整する女神であり、食物を支配する神でもある事から、市場の神、商業神として祀られています。穀物神に仕えた巫女を神格化させたとも言われています。


・弘法大師(空海):言わずと知れた真言宗の開祖です。


・降三世明王:五大明王の1人で東方の守護を任せられている。不動明王の次に重要視され、嘗ては大日如来の命を受けてインドの神である破壊神シヴァとその妻パールヴァティを倒したとされています。実は、アスラ神族と関係が深いという説もあります。



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