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黒龍の契約者―Contractor Of BlackDragon―  作者: 爪牙
第3章 アンドラス編
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第22話 地獄の大侯爵

本日1話目です。少し遅くなりました。

勇吾が大暴れ開始?

【名前】アンドラス

【年齢】4722  【種族】悪魔

【職業】貴族  【クラス】大侯爵

【属性】闇 風

【魔力】4,030,900/5,020,000

【状態】狂乱

【能力】攻撃魔法(Lv3) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv4) 特殊魔法(Lv4) 悪魔呪術(Lv3) 剣術(Lv3) 風術(Lv4) 闇術(Lv3)

【加護・補正】魔王の加護 風属性耐性(Lv4) 魔獣の騎乗者 惨殺者 ????

【開示設定】???




「――――ボスキャラか!?」


 目の前に表示された直後の感想はこれだった。


 開示設定や加護・補正に「????」が気になるものの、その能力は高かった。魔力は以前戦った荒神を遥かに超え、勇吾より低いものの同じ500万を超えていた。能力もレベル5はないものの、ほとんどが3や4となっており、かなりの才能を持っていることが見られた。



「・・・・歳が凄いな。」


『爵位級の悪魔の多くは1000年単位で生きているのが普通だ。』


「へえ・・・・・・。」



 色々呆れつつ、戦っている勇吾のステータスも出して比較する。勇吾はこの異空間スローワールドを創りだすのに大量の魔力を消費しており、残りの魔力はアンドラスと大差なかった。



「―――――――――――何これ?」



 そう呟いたのは琥太郎だった。


 琥太郎の目には慎哉の目の前に表示されたステータス画面が映っていた。



「―――――あれ?見えてる?」


『――――――――なるほど(・・・・)、そうなったか。』


「え―――――――!?」


『――――――今は気にするな。今は奴の方が先だ!』





--------------------------


『グアァァ―――――――――――――――!!』


「(―――――――《烈火空裂斬》!!)」


『ガハッ――――――――!!』



 勇吾は烈火を纏った斬撃をアンドラスに放ち、アンドラスの胴を切裂いた。


 勇吾とアンドラスの戦いは意外にも勇吾が圧倒し始めていた。勇吾に斬られたアンドラスから赤黒い血が噴き出し、乗っていた狼から落ちていった。



『オオォ―――――――――ン!!』


「(《空縛(エアバインド)》!《焔十字斬り(ヒートクロスエッジ)》!!)」


『オオォ――――――――・・・・・ン・・・・・・。』



 主人を落とした黒狼をその場の空間に縛り付け、すかさず炎を纏った布都御魂剣で十字に切り裂く。切り口から炎が燃え上がり、黒狼は炎に飲まれていった。布都御魂剣の《浄化》が加わった炎に飲み込まれ、黒狼の体は炎の中で消えていった。


 本来、総合的に言えばアンドラスの戦闘力は勇吾よりも若干上だった。魔力は劣るとはいえ、戦いにおける熟練度は数千年の時を生きるアンドラスの方が上だったからである。しかし、勇吾の持つ布都御魂剣には悪霊や悪魔などと言った邪悪な存在にとって脅威である《浄化》の効果―――――つまり退魔の力が備わっていたのである。更には様々な加護などが加わり、勇吾の戦闘力は―――相手が悪魔などの場合に限っては―――相当な高さになっていたのである。



「―――――アンドラス!」



 黒狼を葬り、勇吾はアンドラスが落下した地上へと降りていった。








--------------------------


「――――――――圧勝?」


『相性が良かったのだろう。アンドラスの属性は闇と風、闇属性同士は効果が薄いが、勇吾は風属性に強い火属性も持っている。それに布都御魂剣は邪悪な存在に対して高い効果を誇る―――――。」


「・・・・やっぱチートじゃね?」


『――――違う。あれは勇吾の努力があってこその結果だ。才能だけでは決してこうはならない。それに、奴は何処か様子がおかしい(・・・・・・・)・・・・・・。』



 勇吾が黒狼を倒すのを見ていた慎哉は勇吾の圧倒ぶりにチート疑惑を再浮上させるが、黒王はそれをあくまで否定した。


 そんな2人をよそに、琥太郎達はポカンと見ているしかなかった。


 その時だった――――――――。





『ギャハハハハハハハハハハァ――――――――――――――――――!!』





 異空間全体にアンドラスの――――――それもさっきまでとは違う笑い声が響き渡った。



「ど、何所からだ――――――!?」



 上空を見上げるが、そこには地上に向かって降下する勇吾しか見えなかった。黒狼が倒されるのに目を奪われた慎哉はアンドラスを見失っていたのだ。



『―――――そこだ!』



 黒王は何もない空間を爪で切り裂いた。


 すると、そに張りぼてでもあったかのように景色の一部が砕け散り、そこ

から黒い怪物が現れた。



『―――――ギャハハハ!流石に神龍の眼は欺けないか!?』



 そこにいたのはアンドラスだった。


 だが、その姿はさっきまでとは違っていた。天使のような白い両翼は烏のように真っ黒になり、フクロウの頭も真っ黒に染まっていた。更に全身からは黒い魔力が石油のようにドロドロと溢れ出し、アンドラスのいる場所を中心に沼地を作るかのように地面に広がっていった。



「うわっ―――――キモッ!!」


『――――ッ!それは―――――――――――!!』



 全身が真っ黒に成り果てたアンドラスの姿を不気味に見る慎哉。それに対して黒王はいまのアンドラスの状態を見て初めて焦りを見せる。



『ギャハハハハハ―――――!貴様なら知ってるよなぁ――――――?俺がどういう悪魔なのかをなぁ――――――?』


『――――――――――兵を呼ぶか!!』


「――――アンドラス!!」



 余裕の笑いを上げるアンドラス。


 そこに、上空から降下していた勇吾が真上から斬りかかる。



       ボコッ――――――――!



「―――――!?」



 だが、勇吾が切ったのはアンドラスじゃなかった。勇吾の前にあったのは、全身が漆黒に覆われた鳥型の悪魔だった。


 斬られた悪魔は《浄化》の効果で消滅した。



『ギャハハハハ―――――!おいガキィ―――!俺は地獄じゃ軍を率いている大侯爵

だってことを知らなかったのか?』


「クソッ――――――!!」



 勇吾はアンドラスから距離をとった。


 直後、地面に広がったアンドラスの魔力の沼からボコッ!ボコッ!と次々に悪魔が出てきた。その数は十を超え、20も超えていった。


 そいてアンドラスの狂った笑い声はまだ続いていく。



『ギャハハハハ――――!これだけじゃねえぞ!』



 そう叫ぶと両腕を広げ、自身の真骨頂とも言える魔法を発動させた。




『―――――――――――《愚者を喰らう不和の(ディスコード)地獄(ヘル)》!!!』




 瞬間、周囲の地面から闇が噴き出た。


 闇は一気に広がり、底なし沼のように地面に立っている人間全員足に纏わりつき、闇の中へと引き摺り込んでいった。



「――――うおっ!!」


「「「キャァァァァァァァァァ―――――――――――!!!!」」」


「「「ウワァァァァァァァァァ―――――――――――!!!!」」」



 慎哉は反射的に空中に逃げるが、魔法が使えない琥太郎達は噴き出した闇に飲み込まれていく。それを見ていた勇吾はすぐに助けに入ろうとするが、アンドラスの兵に阻まれて先に進めなかった。



「―――――アンドラス!!」


『ギャハハハハハハハハハ―――――――――――!!』



 アンドラスは笑い続けながら闇を広げ続ける。



『勇吾、ここは任せろ。お前達(・・・)はそいつを倒せ!』


「「黒!!」」



 そう言い残すと、黒王は自ら闇の中へと飛び込んで行った。



『ギャハハハハハハハハ―――――――!!倒すだと!?人間如きがこの俺を倒せるとでも思っているのか―――――!?』



 アンドラスは笑いながら黒い風を巻き起こす。その風に乗り、主に召喚された鳥型の悪魔は飛び上がり、残された勇吾と慎哉を囲んでいった。



「――――――――――慎哉、まだ早いが実戦訓練だ!俺はアンドラスとその周りの取巻きを倒す。お前はそれ以外の邪魔な下級悪魔達を可能な限り倒していってくれ!」


「―――――――おう!ようやく俺のデビュー戦ってことだな!!


「フン!余裕なことだ―――――――――――!!」



 両手に《ウルフクロウ》を装着し、全身に強化魔法をかけながら戦闘態勢に入る慎哉。


 戦いは終盤戦に入っていった――――――――――。








勇吾は悪魔相手だとチートですが、世の中そんなに甘くありません。

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