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黒龍の契約者―Contractor Of BlackDragon―  作者: 爪牙
第12-2章 大罪獣編Ⅱ――人を捨てた少年達――
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第215話 大魔王来訪?

――勇吾サイド――


 朝起きると、リビングに知らない音が簀巻きにされた姿で大魔王に踏まれていた。


 夢じゃないよな?



「オラオラ!何か申し開きはあるか?ねえなら死ね!!死んで六道一周してから殺されに来い!!」


「・・・・・・。」


「返事しねえなら溶鉱炉に捨てっぞ!?」


「・・・・・・。」



 簀巻きは既に意識を放棄しているらしいな。


 大魔王が踏む度に骨が折られているのに悲鳴すらあげないとは。



「あ、そういや、声帯盗ったんだったな。」



 おい!


 それじゃあ返事が出せないだろが!!


 いや、ワザとだろ!



「当然だろ?」


「読むな!!」



 心読みやがった!!



「家主の許可無く人の家に入るな!!」


「俺がこの世の家主なんだよ!」



 本気で言ってやがる。



「ふあ~!おはヨーグルト~!」


「熟睡終了♪」



 そこにダブルバカがやってきた。


 待て、何故銀洸まで居る?



「あれ~?まだやってたんだ~?」


「絶命した(笑)?」


「これからだ。」


「やめろ!!というか、説明しろ!!」


「おい小僧(ガキ)、誰に向かって口聞いてやがる?」


「奥さんと曾孫を呼ぶ!」


「・・・・・・ほう?」



 その後、大魔王以外からは誰からも責められない他力本願を実行しどうにか大魔王による早朝の大侵攻を防ぐことができた。


 そして他の面々が起きてきたので朝食になったのだが。



「出汁はかたくち鰯の煮干しに、味噌は飛鳥んとこの自前味噌か。煮干しは内蔵も取ってあるようだな。豆腐はあの店の4代目が作ったやつか。あのガキも大分マシなのを作れるようになったみてえだな?」


「おい!」



 大魔王は当然のように朝食を食べている


 隣に曾孫娘を座らせて。



「お、お爺ちゃん!余所の家なんだから遠慮しなくちゃ!」


「何でだ?ここで食べなきゃ、お前はまた朝○ック食ってただろ。いい物食わないと体内が腐るから、しっかりと食え!」


「あ!また私の私生活視てたでしょ!?」



 勝手に話を進めるなスプロット家。


 まあ、呼んだ曾孫が常識人なのは毎回助かるが。



「ハハハハ、爺バカ大魔王!」


「「「バカは黙っていろ!!」」」



 暢気に良則が焼いた出汁巻き玉子を食ってるバカを黙らせ、俺達は本題に入った。


 勿論、未だに簀巻きになって気絶している謎の男についてだ。



「奴が「廃墟の闇露天商」の1人!?」


「そうだよ~!昨夜、丈と一緒に成敗して大魔王に売った~!」


「分かったから納豆食ってろ!」



 もう1人のバカも黙らせ、俺は話の続きを聞いた。



「こっちで調子に乗ってるガキ共がいるから賞金懸けて拉致らせた。終わり。」


「分からないわよ!!」



 リサがキレて怒鳴るが、直後にカウンターを受けてしまう。


 まともな会話ができそうにないな。


 俺は仕方なく、味噌汁を啜っているバカに声をかけた。



「・・・真面目に説明してくれ。」


「ホ~イ!」



 そしてバカは語る。


 昨日は熊本でラーメンを食っていたら、SNSで「廃墟の闇露天商」に法外な報酬が懸けられているのを知り、銀洸と一緒にチートを遠慮なく発揮し発見したという。


 すぐには捕まえず、取りあえず(勝手に)夜食を戴き、気付かれたところで自己紹介をして戦闘開始になった。


 相手はソロモンの悪魔の1柱である「マルファス」と契約しており、どうやらネットにあった目撃証言にあった“鳥”の正体らしかった。


 戦闘内容は省略するが、ダブルバカの必殺技でマルファスを倒し、露天商の1人を簀巻きにして大魔王を呼んだ。


 そして今に至る。



「何故、すぐに教えなかった!?」


「落ち着け勇吾。2人は俺達に気を遣ったんだろう。昨夜は只でさえ、全員多忙で消耗していた。そこに急報が届けば、お前は無理をしてでも動いただろう?」


「ガキが驕ってんじゃねえ。む、この出汁巻きの出汁は・・・!」


「勇吾は無茶するからな~♪」


「うん、僕もそう思う。」


「心配する方の身にもなってほしいわよね♪」



 返す言葉がない。


 このまま続けても意味がないので先に進めよう。



「それで、情報は引き出せたのか?」


「あ~!流した~!」


「ガキだな。」


「もう!お爺ちゃん!」



 ダブルバカと大魔王が混ざると本当に面倒だ。


 とりあえず聞き流し、本題の話だけ聞こう。


 おい待て、俺の出汁巻きが減ってないか?




--------------------------


 大魔王はどうにかマンハッタンに帰ってくれた。


 簀巻きにされた露天商も持って帰ろうとしたが、きっと碌でもない事になるに決まっているからどうにか諦めさせた。


 ちなみに、大魔王が「廃墟の闇露天商」に賞金を懸けていた理由は、単純に気にくわないだけだったらしい。


 元々、大魔王の本業は薬剤師兼医師、普段は自宅の中にある研究室で胡散臭い薬の研究しているせいか薬物関係に独自の価値観を持ち、薬物関係の事件には目を光らせていたりする。


 そのせいもあり、自分の縄張りにドラッグの売人が一歩でも入ると文字通り地獄に落とすと言われている。


 実際、海外のニュースを観ているとFBIが追っている麻薬カルテルの大物が全裸でドラム缶の中でコンクリート漬けにされ、穴の開いたボートに乗せられてハドソン川を漂流していたという話を目にした事がある。


 他にもケチな売人グループがアフリカの奥地や南極で発見されたりなど、もしかすれば帰ったばかりの今も何かをしているのかもしれない。



「しかしマルファス・・・・・・奴らの神出鬼没さもこれで納得がいくな。」



 大魔王一家が去ったリビングで、俺達は現状集まっている情報の整理をしていた。



「ソロモン72柱の序列39位、地獄の大総裁であるマルファスは建造物を創る力を持ち、尚且つ敵の情報を集める能力に長けている。特に、相手の願望や思惑、表には出さない心の中の情報を集めるのはよく知られている。」


「つまり、露天商達はマルファスの能力を使って獲物を見つけていたって訳ね。薬を貰った人全員が例外なく飲んでいるのは、確実に飲む人を心を読んで選別していたからなのね。」


「そういうことだな。現実で追い詰められ、人間に絶望している人間を厳選して選んでいる。もしかすると、因子を持っているかどうかは2の次だったのかもしれないな。」



 だが、その重要な要はダブルバカによって潰された。


 他にも保険がある可能性はあるが、少なくとも相手にそれなりに危機感を与える事は出来た筈だ。


 特に直接ではないが、大魔王ラートンが動いた影響は大きいだろう。


 奴は過去、『創世の蛇』の戦闘員10万人を1度の戦闘で全滅させたことがあると聞いている。


 現場を目撃したバカと良則の祖父母の話では、「撃たれた鳥が沢山降ってるみたいだった。」らしい。


 そんな規格外の化け物が動いていると知れば、奴らも無闇に動けない筈、上手くいけば今日以降は営業をしなくなるのかもしれない。



「――――兎に角、残る露天商は2人、まとめて叩いてこの事件に方を付けるぞ。」


「「頑張れ~~~♪」」


「「「お前もだ(よ)!!」」」



 どうやったのかは不明だが、ダブルバカの能力は奴らの隠形を破っている。


 流石はチートバカと龍王と言うべきだろう。


 そして敵の隠形の要を潰した以上、残りを見つけるのはそう難しくは無い筈だ。



「今日明日中にケリをつける!」


 数時間後、俺は大魔王が人の家の食糧庫を荒していったのを知ることになる。


 大魔王ではなく盗賊王だな。









・その後、闇露天商Aはたっぷりトラウマが残ったそうです。


*大魔王ラートン*

・17世紀後半に現在のイタリアに生まれる。弟が1人、妹が2人いるが、現在も存命かは不明。やりたい放題に暴れ続けた末に『剣聖』になり、一度弟に負けて称号を取られたがすぐに奪還、その後200年以上不動の座に居座っている。

・19世紀末、惚れた女性を半ば拉致った感じで駆け落ちし、色々無許可で渡米する。シカゴでしばらく暮らし、そこで双子の長男と次男が生まれる。孫を盗りにきた(・・・・・)父親と生死を賭けた喧嘩し、その後も色々あってニューヨークに引っ越す。

・ニューヨークに引っ越した後は地元マフィアを気紛れで幾つか潰し、幾つかと親交を深める。移住数年後に三男が誕生し、翌年に長女も生まれる。さらにまた双子の四男、五男が生まれ、家族で平穏に(・・・)過ごす。

・第二次世界大戦中、一部の不良兵士が愛娘に怪我をさせた事にブチギレし、その兵士が所属する基地を物理的に消し、アメリカ政府や軍の心臓をガッチリ掴む。その後、戦争ウゼエと、某独裁者を裏で殺る。終戦。

・現在、孫26人、曾孫75人、玄孫・・・と、大家族に囲まれて幸せに暮らしている。




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