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黒龍の契約者―Contractor Of BlackDragon―  作者: 爪牙
第11章 白狼編
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第164話 夢

新章「白狼編」スタートです!



 真っ暗だ。


 何も見えない真っ暗な場所に俺の意識が漂っている。


 そして何所からともなく鳴き声が聞こえる。





―――――――――――――オォォォォォォォォォォン!





 犬・・・・・・・狼・・・・・・?


 遠くから何かの遠吠えが聞こえる。


 最初はほとんど聞こえなかったのが、最近は動物の鳴き声だとハッキリと分かる。


 これは夢だ。


 最初は数ヶ月に1度、最近は3日に1度は聞く様になった何度も見る夢だ。




―――――――――――――オォォォォォォォォォォン!




 まただ。


 この2、3ケ月でこの夢を見る回数は急激に増えてきた。


 最初にこの夢を見たのは何時なのか覚えていない。


 少なくとも物心が付いた頃には見ていた気がする。




――――――――オオォォォォォォォォォォォン!




 鳴き声が近づいてきた気がする。


 同時に胸が苦しくなるような、何かを思い出しそうな、よく分からない感じに襲われる。




――――――オオオォォォォォォォォォォォン!




 何なんだ・・・・・・。


 お前は何なんだ・・・・・・何がしたいんだ・・・・・・。


 何で俺に吠え続けてくるんだ・・・。


 誰なんだ、お前は・・・・・・!?





―――――――――――――――ピシッ!





 鳴き声の主に向かって問いかけた瞬間、ガラスにヒビが入ったような音が聞こえた。


 そしてその直後、今までなかった何か――――――言葉で言い表せないような喪失感が生まれた。


 何だ・・・・・これ?




『オオオォォォォォォォォォォォン!!!』




 近くだ!


 あの鳴き声がすぐ近くまで来ている・・・・・・!


 誰だ、何所にいる・・・・・・!?





『―――――――――――――――の半身――――――――』





 ―――――――――――声!?


 鳴き声じゃなく、人の声が聞こえてきた。


 聞き覚えの無い声、けど、不思議と聞き入りそうになる声だ。




『―――――――ムが(あば)かれた。多くの血が流れ始めている――――――――――』




 ハッキリとは聞こえない。


 けど、何かを警告するような内容に聞こえる。




『―――――アラ―――――スとレブ――――カ――――も何者かが――――――た。我が末裔の――――よ、引き裂かれし汝の―――――に会い、共に神代の災厄から“今”を守って―――――――――。』




 何だ、何を言っている・・・・・!?


 我が末裔・・・!?


 俺の先祖の例か何かか!?


 誰に会って何を守れって言うんだ!!


 それに、お前は誰なんだ!?




『―――――――――――は―――――――カムイ―――――。汝ら(・・)の祖―――――――――――』




 声が急に遠くなっていく。


 おい、何を言ってるんだ―――――――――――――――!






 俺が叫んだ直後、夢はそこで終わった。








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