第14話 学校裏サイト
・総合ユニーク500突破しました!
・新章です。ちょっと暗くんりますが読んでくださるとうれしいです。
都立桜田中央高校 学校裏サイト掲示板
~1年D組のK・Tについて語るスレ~
1:名無し
ここは最近暗くなっているK・Tくんについて語るスレです。
みんなでK・Tくんを元気づけよう(^o^)/
2:名無し
つーか なんであいつのスレできてんの?
いらねえじゃん
3:名無し
K・Tってどいつ?
4:名無し
ほら、剣道部に入ってるあいつ
GやUにいたぶられているダサいアイツ
5:名無し
IとOもじゃなかったけ?
6:名無し
そうでした!
訂正サンクス!
7:名無し
あ~~~!
窓際でいつも暗くなってる奴か!!
暗すぎて名前知りませんでした(笑)
8:名無し
確かに暗い!
9:名無し
暗い!
10:名無し
つーかキモイ!
K・Tの消滅希望!
俺らの高校生活のために消えてほし~~で~~~す!
11:名無し
賛成ーーーー!
12:名無し
賛成~~~!
13:名無し
みんなひど~~~い(笑)
賛成です!
・
・
・
・
・
・
・
59:名無し
KT死ね!KT死ね!KT死ね!KT死ね!KT死ね!KT死ね!
KT死ね!KT死ね!KT死ね!KT死ね!KT死ね!KT死ね!
60:名無し
死ねコール増えてない?
61:名無し
K・Tの嫌われっぷりは最早国宝級ヽ(^o^)丿
62:名無し
自業自得だな
63:名無し
つーか
マジで死んでくんない?
同じ空気吸ってるこっちの身にでもなれっての!
63:名無し
同~~感~~!
64:名無し
ねえ、そろそろ飽きない?
K・Tばかりじゃつまんないよ。
65:名無し
誰?
66:名無し
おいおい、これからだろ?
67:名無し
飽きませ~~~ん!
100スレ超えるまで止まりませ~~~ん!
68:名無し
K・Tの味方登場?
69:名無し
てか本人じゃない?
または良心を訴える偽善者様
70:名無し
本人キターーーーww
71:名無し
死刑囚キタw
72:名無し
K・TかK・Y
てか、書くとどっちも似てるな?
73:名無し
ハッ!?
74:名無し
新発見!天才じゃん!!
75:名無し
>>72に拍手!
>>64は死ね!
76:名無し
つーか名乗れ!
さっきから黙ってんじゃネエ!
77:名無し
>>64へK・Tなら
O・MA・E・WO・KO・RO・SU!!
78:名無し
処刑人登場!?
79:名無し
明日は公開処刑決定!!
80:名無し
ウケル~~~~www
・
・
・
・
・
・
・
・
・
--------------------------
PCの画面の向こう側では彼に対する中傷が未だに続いている。既にスレは100を超えているのにもかかわらず、書き込みが収まる気配は一向に見えない。
「・・・・・何で・・・・・・。」
涙声で声がこぼれる。
彼は本当に何も悪い事はしなかった。まじめに勉強して高校に進学し、小学校から打ち込んできた剣道に力を注いでいった。剣道部の顧問からは筋がいいと褒められ、練習試合にも出してもらえるようになった。何もかも順調に進んでいった。
だが、数人の同級生に絡まれたことで彼の高校生活は一変した。彼らにしてみれば獲物は誰でもよかったのかもしれない。廊下でたまたま肩がぶつかった、たったそれだけの事で彼らは彼を獲物に決めたのである。
最初は小銭を要求する程度だった。それが次第にエスカレートし、要求する額は千から万に達していった。元々そんなに親しい訳じゃないので断ると暴力を向けてきた。彼はすぐに大人に訴えて解決を図ろうするも、彼らは大人の前では態度を変えて誤解や悪ふざけと言葉巧みに大人たちを騙していった。大人達の多くはそれを真に受け、嘘に気付いた者もトラブルを嫌って見て見ぬふりをした。
悪意は伝染するらしく、他の同級生もいじめに加わるようになっていった。みんな彼に恨みなどある訳ではなく、一種の娯楽と言う感覚で彼をいじめていった。そしてその悪意はネット上にも広がり始めたのである。
「・・・・・こ・・んなの、理不尽だ・・・!!」
彼の精神は限界近くまで追い詰められようとしていた。
高校に入学するまでイジメとは無縁だった彼にはイジメに対して耐性が無さ過ぎたのだ。全国的に見ればさらに過激なイジメは存在するだろう。だが、それでも彼の受けたイジメは十分性質が悪く、短期間で彼の精神を削っていった。
彼はPCの前で涙を零し続ける。画面の向こうではまだ彼に対する中傷合戦が繰り広げられている。「暗殺者募集」「実況希望」「何時までもつか賭けよう」などと書かれている。
「―――――うぅ・・・・。」
――――――これ以上は見たくない。
――――――みんないなくなればいい。
頭を過ぎるのは理不尽な現実からの逃避、そして自分をイジメる者への強い拒絶だった。
『オォ――――――――――――――――――――――ン!!』
突然、窓の外から犬のような大きな鳴き声が聞こえてきた。




