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第139話 神々の日常~古き日本の神来る~

・番外編ではなく、一応は間章になります。

――日本 埼玉の某神社――


 やあ、みんな久しぶり!!


 お前誰だって?


 おいおい、みんなの人気者の天神様ことライくんじゃないか!


 いや~~~、先日の一件で常立から謹慎くらってしまって勇吾達とも一週間以上会ってないんだよな。


 しかも、あいつら俺がいない間に異世界旅行に行きやがって~~~~!!



「よし!今日はあいつ等が帰ってくる日だし、久しぶりに遊びに行ってやるぜ!!てな訳で、留守番を頼んだぜ、スクナ♪」


「・・・・・お前はここの守護神だろ?」



 今俺の目の前にいるのは同じ社で祀られている医薬の神、少彦名命(すくなひこな)くん!


 今日は俺とスクナの2人がここでお仕事なんだが、俺には関係ないぜ!



「別によくね?今日はサッチやトヨクモも久しぶりに来るし、俺がいなくてもどうにかなるだろ!んじゃ、お土産期待しててくれよな~~~~♪」


「ハア・・・・・・・・・・」



 後ろからスクナの溜息が聞こえてきたが、知らねえな♪


 と言う訳で外に出てみると、桜ちゃんを始めとするこの神社の巫女(なでしこ)達が勤労に勤しんでいた。



「あ、ライ様!」


「よう桜ちゃん、俺はこれから契約者の元へと行ってくるから後はよろしくな。中にはスクナがいるから、何かあったらアイツに言っておいてくれ!それと、今日は久しぶりにあの2柱がここに来るから、その辺の事を新人達(・・・)にも教えておいてやってくれ!」


「ハイ、分かりました。」


「じゃあな♪」



 俺は桜ちゃんに手を振りながら飛び出した。


 え?“新人”って誰の事かだって?


 それはちょっと前の俺の話を読んでくれれば予想できるぜ?



---------------------


――《ガーデン》――


 グッドタイミングだぜ!


 丁度我が契約者様も異世界からご帰還だ!!



「YO~~~~!みんなお久しぶり~~~~~~!!」


「あ、ライだ!」


「ハハハ・・・・って、何か全員別人みたいにレベルアップしてるじゃねえか!?瑛介に至っては人間やめてるし、向こうで一体何があったんだ?」


「あれ?神様なのに知らないのか?」



 おいおい慎哉、神様である事と万能である事は別だぜ?



「俺はしがない日本の八百万の神の1柱だぜ?異世界にまで影響力は持ってねえし、お前らが行ってた(とこ)は俺より格上の神様軍団が担当してるから俺は無闇に覗きもできねえんだぜ?」



 ガキの頃、一回異世界のとある地域を無許可で覗いたら、向こうの神様達に滅茶苦茶怒られちった♪


 それはさておき、本当にみんな変わったな~~~!


 魔力なんか数倍に上がってる奴もいるし、何か契約してるっぽい奴もいるな?



「―――――――で、お土産あるのか?」


「・・・・それが目的か。」


「おいおい、お出迎えの後と言ったらお土産が常識じゃないか!」


「「お前だけのな!」」



 何人か同時にツッコまれたぜ!


 何だかんだ言われたけど、勇吾はちゃんと俺にもお土産を用意してくれてたぜ!


 しかもちゃんと人数分用意してくれたし♪


 さてと、本題は終わったところでついでの用事も済ませとくかな?



「――――――で、一体何があったんだ。数日前から日本(こっち)だけじゃなく世界中の神々がいろいろ騒ぎ始めているぞ?俺んとこの常立や大国主も緊急招集されてずっと留守にしてるんだが、説明してくれるか?」


「神様が緊急招集!?」


「慎哉は少し黙ってろ。しかし、やはりこっちもそんな騒ぎになってるか・・・・・・・」


「ああ、特に大陸の方じゃ青龍と黄龍まで動き出しているらしいぜ?あ、これ向こうのダチからの内部情報!」


「・・・・・わかった。向こうで話す。」



 そして俺は勇吾の家でお茶を御馳走になりながら、向こうで何があったのが聞いたんだが、かなりサプライズな内容だったぜ?


 そうか~~、瑛介が『天嵐』の長男坊だったのか~~~~~!


 まあ、一目見た時に俺は違和感感じてたけどな!何で教えなかったって?その方が面白そうだったからに決まってるじゃないか♪


 しっかし、ファーブニル達も奮発するよな~~~~。《聖龍水》で慎哉達を一気にレベルアップ!勇吾もレベルアップ!俺も行きたかったぜ!



「――――――で、ランチは何にするんだ?」


「食っていく気か・・・・・・・?」



 食っていくに決まってるだろ?


 その後、俺は昼までトレンツとゲームしまくり、昼はデリバリーで食いまくって社に戻った。



-------------------


――埼玉県某神社――


「あ、お帰りなさいませ。」


「おう!今帰ったぜ!」



 俺の帰りを出迎えてくれたのは桜ちゃんの先輩巫女さんだった。



「お土産あるから、後でみんなで食べようぜ~~~~♪」


「ありがとうございます。あのう、つい先ほど大国主様がお戻りになりまして、ライ様が戻ったらすぐに来るようにと・・・・・」


「あれ?大国主の奴だけ戻って来たのか?常立は一緒じゃないのか?」


「いえ、大国主様だけが御1人でお戻りになりました。今は少彦名様と御一緒に八海山様と三笠山様の御相手をしています。」



 ん~~~~状況が読めないな?


 俺の勘だと、大国主はもう少し留守にしてると思ってたんだけどな~~?



「分かった!じゃあ行ってくるな!」



 俺は巫女のお姉ちゃんに適当に礼を言うと、俺は神の領域へと入っていった。


 中に入ると、スクナと大国主が久しぶりに会う2柱の大物神様と対峙していた。



「よう!サッチとトヨクモも超お久~~~~~~♪」


「「ライ!!」」



 俺の軽い挨拶に怒鳴ったのは少彦名と大国主だ。


 一方、客人の2人の方は苦笑しながら挨拶をしてきた。



「・・・久しぶりだなライ、もっとも、我らにとってはつい数日前のことだが。」


「ライ、イザナギとイザナミには敬語を使うのに、なぜ我らにはタメ口なんだ?まあ、我らは誰も気にしてはいないのだろうが・・・・・・。」



 最初に喋ったイケメンは国狭槌尊(くにさつちのみこと)(またの名を八海山大神)、次に喋ったのは豊斟渟尊(とよくものみこと)(またの名を三笠山大神)っていう性別不詳の美神(びじん)だ。


 この2人は常立やイザナギ様達と同じ天地開闢の際に降臨した日本最古の神様軍団のメンバーだ!


 ちなみにこいつら、神話では別天津神達と同様に出現した直後にそのほとんどがどっかにかくれんぼしちゃっているが、実際は俺も偶にだがちょくちょく会う神様だ。


 なお、こつらも一応だがこの神社と関係が深い。



「まあ気にすんな!それより、俺を待ってたみたいらしいけど、何の用なんだ?」


「・・・・・ライ、お前、さっきまで契約者の所にいたな?昨今の異変について、我らの知らない情報を聞いてきたんじゃないのか?」



 ああ、そう言う事か!


 俺よりメジャーだったり重鎮だったりのこいつらでも、所詮はこの世界の島国ひとつの神様に過ぎないもんな。異世界の情報にはちょっと鈍感だし・・・。



「大雑把にだけど、知りたいか?」


「ええ、聞かせて貰いましょうか。」



 てな訳で、俺は勇吾から聞いた話をこいつらにも話していった。


 俺は暗い感じが苦手だから明るい感じで話したけど、どうにも話が進むにつれて空気が重くなってくな~~~。



「――――――30年前、そのような事があったとは・・・・・・我らでさえ感知していなかったとすれば、少なくともこの国の神々のほぼ全てが気付いていなかったことになる。唯一気付いていた可能性があったとすれば、『天嵐』が暮らしていた土地の氏神だけだが、確かあの辺りの担当をしていたのは――――――――」


「「「スサノオだな!」」」


「あいつか~~~~~!」



 この前の件もあるし、実は知ってて隠していた可能性はあるだろうな。


 まあ、アイツも何も知らなかった可能性もあるが、普段のアイツの事を考えると誰もそっちの可能性は信じないだろうな。



「ていうか、お前の親父だろ大国主!!」


「・・・・・・・・」



 そうそう、大国主はスサノオの息子何だよ。


 本人は色々複雑そうだから、名古屋の件でも大国主の事はかくして遠まわしに言ったけど、きっと気付かれてたろうな。



「それに《盟主》が動いていたとは・・・・・・・。なら、あの方も・・・・・・」


「そういや、噂だと《盟主》には別天津神の1柱がいるらしいよな?」



 別天津神って言うのは日本の神の中でもスッゴ~~ク特別な5柱の神様の事を指すんだ!


 いわゆる創造神や絶体神みたいなので、何を隠そう、ここにいるスクナの母さんもその中の1柱なのさ!



「なあスクナ、お前は何か聞いてないのか?」


「・・・・・・・知らない。」


「―――――別天津神の方々はそのほとんど(・・・・)が1000年以上音沙汰がない。ただ、あの方だけは・・・・・」



 う~~ん、そういや“あの神”は俺の知る範囲でも全然信仰されている気配がないんだよな~~?


 信仰されない神は自然消滅するのが全世界共通の基本ルールみたなもんだけど、“あの神”が《盟主》やってるのってそれと関係があるのか?


 ま、それは何時か時が来れば分かるだろうな!



「まあまあ、俺達神様がこんな辛気臭くなってたら世の中時化ってしまうって!それよりも、俺の契約者がお前らの分も御土産の御菓子を買って来てくれたから、これからお茶にしないか?」


「ライ、お前・・・・・・・・」


「・・・・・・そうだな。結局のところ、今ここで悩んだところで何も変わるまい。ありがたく頂くとしよう。」


「よ~し!早速巫女さん達にお茶の用意をしてもらってくるぜ!!」



 さ~て、今日のお茶は何にしてもらおうかな~~~~?


 凱龍の菓子は日本茶とよく合うからな~♪


 しっかし『創世の蛇』の《盟主》ね~~~~~?


 7人いるらしいけど、まだ全員の正体までは分かってないんだよなあ?


 『赤い蛇の天使(魔王)』、『無限の蛇』、『あの別天津神』、そして『冥王』の4人しか俺は知らないんだよな~?


 ま、今悩んでも仕方ないし、今は美味しいお茶と御菓子だな♡


 俺はスキップしながら社務所へと向かった。








・国狭槌尊・・・『日本書紀』に登場する常立やイザナギ・イザナミと同じ“神世七代”の神様の1柱。八海山大神と同一視されている。

・豊斟渟尊・・・“神世七代”の神の1人、『古事記』では豊雲野神と呼ぶ。天地開闢以降は全然神話の中に登場しないのでどんな神様なのか分かっていないが、三笠山大神とも呼ばれているらしい。



・さて、ここに来てラスボスらしき神々の存在が出てきましたが、みなさん誰なのか分かるでしょうか?それなりにヒントは出しているつもりなので、ググったりすれば簡単に分かるかもしれませんが。

・明日ももう1話、間章をやって月曜から新章に入りたいと思います。


・同時連載の方もよければ読んでみてください。



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