第133話 レベルアップ
群衆を襲った土砂降りは5分経っても弱まる様子はなく、この頃になると周囲では《防御魔法》などを使って一帯に降り注ぐ余分な『聖龍水』を防ぎ始めていた。
慎哉達もまた、晴翔の魔法でようやく土砂降りの中から解放されていた。
「うわぁ、全身ビショビショだ。容赦しなさすぎだろ!?」
「・・・・脱水の魔法とかあるか?」
「ねえよ!」
「それより!みんなステータスを確認してみてよ!魔力が凄く上がってるよ!」
ビショ濡れになりながらも、琥太郎は自分のステータスを3人に見せた。
【名前】立花 琥太郎
【年齢】15 【種族】人間
【職業】冒険者 高校生(1年) 【クラス】新米冒険者 契約者
【属性】メイン:風 光 サブ:雷 氷 空
【魔力】2,220,600/2,220,600
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv1) 防御魔法(Lv1) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv1) 風術(Lv3) 光術(Lv3) 雷術(Lv2) 氷術(Lv2) 空術(Lv2) 剣術(Lv4) 体術(Lv2) 調合術(Lv2) 天翔丸
【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv2) 精神耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv2) 光属性耐性(Lv2) 闇属性耐性(Lv2) 雷属性耐性(Lv1) 空属性耐性(Lv1) 麻痺耐性(Lv2) 刀剣神フツヌシの加護 剣士の瞳 聖獣(夜鋼)の契約 剣の成長期
「おいおい・・・・・・・」
「思いっきり、レベルアップしてね?」
琥太郎のステータスを見た3人はその変化の大きさに目を奪われていた。
昨日までの琥太郎の魔力はガーデンでの容赦ない修行の成果で30万代まで上がっていたが、現在は200万を越えていた。
「何か、属性も増えてないか?光がメイン属性になってるし、サブには氷と空が加わってるぞ!?」
「他にも能力や補正も凄く増えてるんだよ。これって、全部《聖龍水》の御利益ってことだよね?」
「・・・・みたいだな。俺達のはどうなってんだ?」
自分達はどうなったのかと、晴翔も自分のステータスを確認した。
【名前】神宮 晴翔
【年齢】16 【種族】人間
【職業】冒険者 高校生(1年) 【クラス】新米冒険者 契約者
【属性】メイン:雷 サブ:空 風 土 火 水 氷
【魔力】2,875,000/2,881,000
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv4) 防御魔法(Lv4) 補助魔法(Lv4) 特殊魔法(Lv4) 属性術(Lv1) 槍術(Lv2) 体術(Lv2) 錬金術(Lv2) 占術(Lv2)
【加護・補正】物理耐性(Lv1) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv2) 全状態異常耐性(Lv2) 雷属性耐性(Lv4) 風属性耐性(Lv2) 空属性耐性(Lv1) 土属性耐性(Lv1) 火属性耐性(Lv) 氷属性耐性(Lv1)
雷神(火雷大神)の加護 翠龍の契約 魔の成長期
「・・・俺もレベルアップしてるな。」
「てか、魔力上がりすぎだろ!?一瞬で200万以上上がるって、無茶苦茶だろ!!」
「そう言うお前はどうなんだ?」
晴翔は慎哉のステータスを覗いてみた。
【名前】北守 慎哉
【年齢】15 【種族】人間
【職業】冒険者 中学生(3年) 【クラス】新米冒険者
【属性】メイン:氷 サブ:水 風 土
【魔力】2,530,000/2,530,000
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv1) 防御魔法(Lv1) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv1) 氷術(Lv4) 水術(Lv2) 風術(Lv2) 土術(Lv2) 剣術(Lv1) 体術(Lv3) 投擲(Lv1) 白狼の手甲鉤
【加護・補正】物理耐性(Lv1) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv1) 氷属性耐性(Lv3) 水属性耐性(Lv1) 双の絆 狼眼 白狼ホロケウカムイの加護 体の成長期
「よ~~~し!俺も200万越えだ!」
「・・・・実際のところ、俺達のケースって普通なのか?」
「どうだろう?他の人に訊いてみる?」
「この様子だと、俺も上がってるんだろうな。既に270万なのに、これ以上あがったらどうするんだ?」
「龍王になってるんじゃね?」
「・・・・・・・・・」
瑛介も恐る恐るステータスを見てみた。
そして、予想通りの結果になっていた。
【名前】小嶋 瑛介
【年齢】15 【種族】龍族(飛龍種)
【職業】高校生(1年) アルバイター 【クラス】転生龍
【属性】メイン:風 サブ:空 土 水 火 氷 闇
【魔力】3,500,000/3,500,000
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv4) 防御魔法(Lv3) 補助魔法(Lv3) 特殊魔法(Lv5) 風術(Lv5) 空術(Lv3) 土術(Lv3) 水術(Lv3) 剣術(Lv3) 体術(Lv4) 千里眼 龍眼 人化 千変千影
【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv3) 風属性耐性(Lv5) 空属性耐性(Lv2) 土属性耐性(Lv2) 水属性耐性(Lv2) 火属性耐性(Lv2) 氷属性耐性(Lv2) 闇属性耐性(Lv2) 毒無効化 感染病耐性(Lv3) 龍神(???)の加護 龍王の加護 龍の成長期
「いやいやいや、上がり過ぎだろ!?」
「―――――――種族まで変わってないか?」
「まあな。」
「マジ!?人間やめたのか!?」
「正確にはハーフをやめたんだけどな。いろいろあって、龍族になったみたいだ。」
「急展開だね?」
「早過ぎだろう。どうして変わったんだ?」
晴翔が尋ねると、瑛介は少し戸惑いながら答え始めた。
「・・・・まあ、別に種族が変わっても生活に支障はないしな。けど、父さんと同じ視点で空を飛んでみたくなったってとこだな。」
「へえ。」
「まあ、自分で決めたんならいいんじゃないのか?」
「ちょっとカッコいいな?つーか、《聖龍水》って種族変更までできるのかよ?」
結論から言えば《聖龍水》にそのような効果はない。
ただ今回は、瑛介自身の複雑な事情と、前夜祭で蒼空から渡されていた龍族の血を抑制するブレスレットをわざと外していたなどの条件が合わさって起きた現象であり、瑛介自身もまさかいきなり種族がハーフから龍族に変わるとは思っていなかった。
だが、この後瑛介は自分のとった行動が軽率であったと思い知る事になる。最もそれは、事情を考えれば仕方が無い事ととも言えたが・・・・・・・。
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一方、場所は少し変わって慎哉達のいる場所から1㎞ほど離れた滝壺近くの場所では慎哉達とは別に蒼空を始めとした面々の姿もあった。
その顔触れは女子が多く、男は蒼空以外には龍星と亮介だけだった。
(―――――――――結局、父親の後を追う道を選んだか・・・・・・・。)
他の面々は気付かなかったが、蒼空だけは離れた場所に慎哉達がいる事に気付いていた。
そして、瑛介が自分が渡したブレスレットを外した状態で《聖龍水》を浴び、それがキッカケで龍族になったのも気付いていた。
(自分で選んだ以上は俺がどうこう言うことではないな。)
少し複雑な心情だったが、蒼空はすぐに自分を納得させて視線を弟に向けた。
「・・・・兄ちゃん、タオルある?」
「お前も派手に濡れたな。ほら、着替えも持って来ているから後で着替えるんだぞ?」
「うん!」
蒼空は収納空間からタオルを取り出すと弟の頭にポンとかぶせた。
この頃になるとようやく土砂降りも収まり、周囲では防御魔法を次々に解除していく光景が広がっていた。
「ちょっと、こっちにもタオル!」
「紫織、自分で持って来てなかったのか?」
横を見ると、全身びしょ濡れの紫織が蒼空に手を差しだしてタオルを要求していた。
「忘れたのよ!」
「威張る事か?」
疑問をかけつつも、蒼空は紫織にもタオルを渡し、彼女は髪や顔を拭いていった。
周りを見ると、紫織の女友達やら名古屋組の女子やらがワイワイと騒いでいた。
「兄ちゃん、僕もレベルアップしたかな?」
「―――――ん?龍星、まだ修業なんてほとんどしていないのに、そう都合よく強くなれる訳ないだろ?」
「じゃあ、兄ちゃんは?」
「俺は最初から最高位近くの力があるからこれ以上上がったりはしていないだろうな。」
そう言いつつも蒼空は自分と弟のステータスをチェックした。
言い忘れたが、蒼空は弟のおねだりに屈して、護身用レベルに魔法や武術の修業を少しだけ見ている。
【名前】諸星 蒼空
【年齢】12 【種族】人間
【職業】魔法研究者 冒険者 小学生(6年) 【クラス】微妙に鈍感な転生者
【属性】メイン:土 サブ:水 風 空 木 光
【魔力】7,028,900/7,030,000
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv3) 防御魔法(Lv3) 補助魔法(Lv5) 特殊魔法(Lv4) 土術(Lv4) 水術(Lv2) 風術(Lv2) 空術(Lv3) 木術(Lv3) 光術(Lv2) 錬金術(Lv5) 体術(Lv3) 剣術(Lv2) 千里眼 智と導きの環 個人用研究室への鍵
【加護・補正】物理耐性(Lv1) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv3) 土属性耐性(Lv3) 水属性耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv1) 空属性耐性(Lv1) 毒耐性(Lv2) 麻痺耐性(Lv2) 輪廻を超えし契約者 幻獣の契約 霊視の瞳 知恵神(思兼神)の加護
【名前】諸星 龍星
【年齢】7 【種族】人間
【職業】小学生(2年) 【クラス】覚醒者
【属性】メイン:火 土 空 サブ:木 風 水 光
【魔力】510,000/510,000
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv3) 補助魔法(Lv3) 特殊魔法(Lv5) 武術(Lv3) 錬金術(Lv4) 浄化
【加護・補正】魔法耐性(Lv1) 精神耐性(Lv3) 火属性耐性(Lv2) 土属性耐性(Lv2) 空属性耐性(Lv2) 慧眼 国造神(大国主)の加護
ステータスを見た途端、蒼空は顎が外れそうになった。
(――――――――――おい!)
その時誰にツッコんだのか蒼空自身にも分からない。
龍星もだが、蒼空自身の能力も向上していた。
(700万超え・・・・・・俺が最高位クラスだと!?いくらなんでもこれはないだろ!?それに、龍星も魔力が50万超えで属性が増えているだと!?どういうことだ、俺の知っている《聖龍水》の効果とは明らかに違いすぎる。持ち帰って分析すべきか・・・・・・・!?)
その後、集まった群衆全員ではないものの、一部の人々から《聖龍水》の効果が異常なほど高いという報告が関係各所に送られてきたのだった。
・慎哉達は一気にレベルアップした!
・蒼空は最高位クラスになった!
・龍星は才能に恵まれていた!




