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黒龍の契約者―Contractor Of BlackDragon―  作者: 爪牙
第2章 修業と日常
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第11話 慎哉の修業・基本編

修業のお話です。

2011年7月3日 東京(異空間内)


「――――《氷結の矢(アイスアロー)》!」



 勇吾が作った異空間の中を氷の矢が走る。


 慎哉の手から放たれた鉛筆サイズ(・・・・・)の氷の矢は目の前の的に当たると呆気なく砕け散った。



「・・・・・・ショボイ。」


「―――やっぱり、攻撃魔法(・・・・)では無理みたいだな。」


「はあ、俺才能ネェ~~~~~。」



 慎哉はガッカリしながら座り込んだ。



「どの口が言うんだ。攻撃魔法がだめなだけで、属性術で同じことができるだろ?」


「・・・・でも憧れるだろ、攻撃魔法って?」


「・・・・それはこの世界の人間だけだと思うぞ?」



 勇吾の言う「属性術」とは氷術や闇術といった能力の事を指す。


 属性術は魔力を消費して各属性を操ることができる。しかし魔法とは違い、属性術は詠唱を必要とはせず、使用者のイメージのみで操る。ただし、イメージで操作する分、術の威力や精度は使用者の精神に大きく依存する事になる。イメージが曖昧だと、どれだけ魔力が強くても脆いものしか作り出せないのである。



「とにかく、修業続行だ!」


「―――おう!!」



 そして慎哉の修業は続いた。




--------------------------


~慎哉の修業・属性術編~


「《風刃(ウインドカッター)》!!」



 叫ぶ必要はないが慎哉は叫ぶ。


 風の刃が数発飛び、用意された丸太の的を切り刻む。



「《水流(アクアストリーム)》!!」



 水流が生まれ、切られた丸太を押し流す。



「《凍結(フリーズ)》!!」



 丸太を飲み込んだ水流が一瞬で氷になった。



「―――とりあえず、属性術の基本はこんなところだな。口に出した方がイメージしやすいとは言ったが、大声で叫ぶ必要はないだろ?」


「燃えるじゃん?」


「お前がな!」



 勇吾の突っ込みで属性術の修業(基本編)は終了した。


 本来はもっとイメージ訓練が必要な属性術だが、慎哉は普段からアニメやゲームなど、暇があれば趣味に力を注いでいたので半ば中二病なノリでこの関門を突破したのだった。




--------------------------


~慎哉の修業・魔法編~


 覚えた魔法を頭の中でもう一度暗唱し唱える。



「《肉体強化(ハードボディ)》!!」



 全身を魔力が包み込む。


 慎哉は自分の体が軽くなり、身体能力が上がるのを実感する。



「―――とぉ!!」



 足に力を込めてジャンプする。


 電柱よりも高い所まで跳べた。



「おぉぉぉ!!スゲェ!!スゲェ!!」



 一気に興奮し、そのまま次の魔法を唱える。



「《風の地面(エアグラウンド)》!」



 足の周りを風が吹き抜けた感覚が走ると、空中に着地した。そのまま歩いてみると、まるで見えない地面があるかのように歩くことができた。



「スゲェ!ホントに空中を歩けるぜ!?」


『―――慎哉。』


「―――うおっ!?黒!!??」


『―――もう一度注意するが、その魔法は空中に見えない地面を作るのではなく、地面があるみたいに(・・・・・・・・・)移動できるようにする移動魔法だ。勘違いすると怪我では済まないから気を付けろ。』


「ハイッ!!」



 真上から黒王の顔がドアップで現れ驚く慎哉。


 驚いて激しく鼓動する胸を手で押さえながら注意事項をしっかり頭に刻み込んだ。


 気づくと、隣に勇吾が立っていた。



「・・・・攻撃魔法の適正はなかったが、補助魔法はそれなりにあったみたいだな?」


『特殊魔法に関しては今は必要ないだろう。』


「ああ、魔法に関しては補助魔法を中心に修業だな。」



 ちなみに、防御魔法は適正はあったがレベル1―――人並みレベル―――だった。


 2人は慎哉の魔法修行の内容をいろいろ変更しつつ決定した。なお、この後は風を纏って空を飛ぶ《飛行(フライ)》も覚えるがここでは省略する。




--------------------------


~慎哉の修業・近接戦闘編~


「―――――とぉ!」



 右腕を突出し、手甲から伸びる鉤爪(かぎつめ)を勇吾に向かってぶつける。だが、当たる前に勇吾の剣が鉤爪を受け止める。そのまま勇吾は剣を振り、慎哉の体を彼の後方へと飛ばした。



「――――ガハッ!?」


「まだまだ単調だ!あと十分でも駄目ならランニング追加だ!」


「――――!まだだ!!」



 倒れた体を起こして立ち上がり、もう一度勇吾に挑む慎哉。基礎体力も鍛えるため、この修行での補助魔法は禁止している。ちなみに、今勇吾が使っている剣は布都御魂剣本体ではなく、布都御魂剣の能力で作った刃のない剣なので大怪我の心配はない。


 その後、何度も吹っ飛ばされ、結局ランニングをすることになるのだった。





 なお、勇吾が作ったこの異空間スローワールドは現実空間とは時間の流れが違う―――現実の1時間が異空間の1日―――ため、今回の修業は1週間行われた。

 その結果、慎哉のステータスは以下のようになった。



【名前】北守 慎哉

【年齢】15  【種族】人間

【職業】中学生(3年)  【クラス】修行者

【属性】メイン:氷 サブ:水 風

【魔力】26800/26800

【状態】疲労

【能力】防御魔法(Lv1) 補助魔法(Lv2) 氷術(Lv4) 水術(Lv2) 風術(Lv2) 体術(Lv3) 白狼の手甲鉤(ウルフクロウ)

【加護・補正】物理耐性(Lv1) 魔法耐性(Lv3) 白狼の加護

【開示設定】ON





「―――ど、どS~~~~~~~!!!」


 勇吾達はかなりやっちゃいました。









勇吾も黒王も人を鍛えるときは容赦しません。



次回こそ日常の話を・・・・できるか?


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