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黒龍の契約者―Contractor Of BlackDragon―  作者: 爪牙
第9-2章 凱龍王国編Ⅱ―2日目―
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第107話 遺児

――勇吾サイド――


「・・・・・落ち着いたか?」


「・・・・・ああ。」



 俺はようやく魔力が落ち着いた瑛介に水の入ったコップを渡し、瑛介はそれを受け取って飲み干した。


 しかし、さっきのは凄かったな。


 まさか、良則の結界でも完全に魔力を押さえきれないとは・・・・・・。



「・・・・・・・アルビオン?」


「――――――本来あるべき姿に戻ったと言うべきだろう。」



 アルビオンは瑛介の体の変化に、僅かであるが顔に驚愕の色を見せていた。



「瑛介、体の調子はどうだ?どこか違和感のあるところはないか?」


「いや、何だか逆に調子がいい気がする・・・・・・・か?」


「“封”という枷が外れたせいだろう。お前、鏡で自分がどうなったか見てみろ。」


「――――――――は!?」



 俺が持っていた鏡を瑛介に向けると、瑛介は自分の外見が変化している事に目を丸くした。


 まず瞳の色が黒から赤に変わり、髪は黒のままだったが肩の下まで長く伸びていた。



「何だよ、これ!?」


「髪が伸びたのは魔力の放出による活性化のせいだろう。瞳の色は、それが本来の色(・・・・)に戻っただけだろう。それより、ステータスがどうなっているか確認してみろ?」


「あ、ああ!」



 困惑しながらも、瑛介は自分に対して《ステータス》を使用した。


 そして、予想通り無いように変化があった。



【名前】小嶋 瑛介

【年齢】15  【種族】ハーフ

【職業】高校生(1年) アルバイター 【クラス】龍王の混血児

【属性】メイン:風 サブ:空 土 水

【魔力】2,700,000/2,700,000

【状態】混乱(微)

【能力】攻撃魔法(Lv4) 防御魔法(Lv3) 補助魔法(Lv3) 特殊魔法(Lv5) 風術(Lv5) 空術(Lv3) 土術(Lv3) 水術(Lv3) 剣術(Lv3) 体術(Lv4) 龍眼 龍化 千変千影(せんぺんせんえい)

【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv5) 空属性耐性(Lv2) 土属性耐性(Lv2) 水属性耐性(Lv2) 火属性耐性(Lv2) 毒無効化 感染病耐性(Lv3) 龍神の加護 龍王の加護



「何だこりゃ・・・・・?」


 内容の変化に瑛介は唖然となる。


 何通りかの可能性を読んでいたが、まさか『龍王の混血児』か・・・・・。


 アルビオンの表情もさらに険しくなっているのが見てとれる。



「一番の可能性として予想はしていたが、やはり『天嵐(てんらん)飛龍王(ひりゅうおう)』の直系だったか。」


「確か、ワイバーンの王で30年位前から消息不明になっている龍王だったよね?」


「ああ、当時は多くの同胞が行方を捜したが見つからず、微かに残っていた痕跡から“何者か”と戦っていた事だけが分かっていたが・・・・・まさか、人の世に隠れて暮らしていたとは・・・・な。」



 『天嵐の龍王』か・・・・・・・・。


 俺達が生まれるより前に行方不明になったと言う、凱龍王国に住んでいるとされる龍王の1人だったな。


 ヴァルトを始めとするリンドヴルムやワイバーンなどの飛龍系龍族(飛龍氏族)の頂点に立つ王、俺も写真などでしか姿を見た事はないが、確か黒と同じ黒い鱗に今の瑛介と同じガーネットのような赤い瞳をしていたな。


 数年前から死亡したと言う噂が流れていたが・・・・・ん?


 何だ、何か見落としているような気が・・・・・



「・・・・・父さん、龍王だったのかよ。」


「それは間違いないだろう。今のお前の魔力の波長は俺にも覚えがある。お前の父親は『天嵐』の二つ名で知られる龍王、この国の北部一帯を中心に様々な異世界でも伝承に名を遺してきた飛龍氏族の王だ。」


「・・・・・一体、どうして・・・・・?」


「それは俺達にもまだ分からないことだ。ただ言える事は、お前の父親は自分の子供達に人の世で平穏に暮らしてほしいと望んでいた、と言う事だけだ。だからこそ、お前の中の龍族の血を封印して普通の人間と差異のないように偽装したのだろうな。最も――――――――――――」


「最も、アベルに目を付けられて『覚醒者』になる事は想定外だっただろうな。」



 俺の見立てでも瑛介にかけられた封印は洒落にならないほど強固なものだ。


 気付くにしてもピンポイントで調べない限りは違和感すら感じず、封印自体に気付くのにも最低でも良則の《神眼》クラスの能力が必須であり、さらにそれを解くには黒やアルビオンのような神龍の扱う《神龍術》でないとまず不可能だ。


 あまりにも難しい条件が奇跡的にでも揃わないと現状には繋がらない。


 キッカケがあったとすればアベルの一件、もしかすると奴は瑛介と接触した時点で気付いていたかもしれない。奴の実力からすれば十分にあり得る話だ。


 それにあの一件に俺達が関わるキッカケと言えば“あの神”からの依頼・・・・・・・・・。


 後でライを通して問い詰めてみるか。



「―――――――――来たか!」


「あ――――――――――!」



 不意に視線を逸らしたアルビオンが呟くと、良則も何かに気付いたように同じ方角を向いた。


 なん―――――――この気配は!?



「良則、すぐに結界を解除しろ!」


「うん!!」


「おい、一体どうしたんだ!?」


「瑛介、お前ももう感じられるはずだ。結界の外に集まってきている者達の気配を!!」


「気配・・・・・・・・あ!」



 まだ体に慣れていないのかもしれないが、どうやら気付けたようだな。


 そして、良則の結界が解除されていった。




-----------------


――慎哉サイド――


「・・・・・・ドラゴン軍団!?」



 やあ、俺慎哉!


 今、俺の目の前にはたくさんのドラゴンが集まって来てるぜ♪



「あれ?たくさん呼んだからいっぱい来ちゃったのか?」


「んな訳ないだろ!!」



 俺の呟きに即座にツッコみが入ってくる。


 周囲を見渡すと、みんなこの状況に唖然となっている。



「あり?あれって銀洸の親戚(・・・・・)じゃね?」


「「はぁ!?」」



 丈のビックリ発言に全員呆れた様な声を出す。


 そういや、どれも銀洸と似た(東洋龍の)姿しら(やつ)ばかりだな?


 と言うか、先頭にいる龍、何か銀洸に似てるしデカい!


 あ、何か丈を引き攣った目で見てないか?



「あれ~~~~~?オッチャン、もしかして銀洸の伯父さんじゃね?何か久しぶりだな~~~~♪」


『・・・・・・・・・・・・・。』



 あ、やっぱ銀洸の親戚なんだ。


 うわ~、何かスッごく嫌そうな顔になってるし・・・・・。



「お~~~い!何か久しぶりの顔も多いけど、みんでハイキングか~~~~?」



 あ~~~、何か今度は龍の皆さん全員が嫌な顔になってるよ。


 あ、リサが丈の襟を掴んだ。



「馬鹿、邪魔だから下がって!!」


「あれ~~、俺って邪魔者扱いされてね?」





       ド――――ン!





 あ、丈が吹っ飛んだ!



「・・・・・また馬鹿やってたのか。」


「あ、勇吾!」



 振り向くと、龍達と同様に引き攣った顔をした勇吾がいた。


 その後ろにいるのはヨッシーにアルビオン、それと・・・・・・・え?



「あれ?瑛介・・・・・だよな?」


「あ、ああ。」


「何か髪伸びてね?それに目も・・・・・・・」


「その話は追々話す。今は――――――――――――」


「俺が話を付ける!」



 勇吾の言葉を遮りながら、アルビオンは俺達の前に出て全身を光で包んでいった。


 そして、白龍の姿に戻ったアルビオンは一際大きい銀色の龍と対峙した。



『――――――――龍皇殿。』


『こうして会うのは1年ぶりだな、銀龍の若長。』



 何か、難しそうな話が始まりそうな予感?




---------------------


――勇吾サイド――


 バカは取り敢えずしばらくは大丈夫だろう。


 俺達の視界に映るのは彩雲山周辺に住む龍族の精鋭達。


 その先頭に立っているのはあのバカ龍王の伯父、近々一族の長になると噂されている龍だ。


 彼はアルビオンと対峙しながら言葉を交わしていった。



『――――――お前達が来た理由を分かっている。』


『龍皇殿、あの少年は・・・・・・・・』



 俺の背後に立つ瑛介に龍達の視線が集中する。


 まあ、魔力の気配だけで気付くだろうな。



『――――――飛龍王の遺児だ。』


『『『―――――――――――――――――!!!』』』


「えええ!?」


「マジで!?」


「――――――――――。」



 アルビオンの言葉に、龍達でなくトレンツ達も目を丸くして驚いた。


 蒼空だけは僅かに驚いたものの、何か心当たりがあるような意味深な表情になっていた。


 まさか、何か知っている・・・・・?



『遺児と言う事は、あの方は・・・・・・・』


『―――――6年前、らしい。』


『・・・・・・・・・・・・。』



 龍達を包む空気が一層重くなり、表情も悲嘆の色が見え始めていた。


 無理もない。


 氏族が違ったとしても、龍王とは種の壁を越えて畏敬の念を抱かれてきた存在だ。


 まあ、銀洸(バカ)は少々例外ではあるが・・・・・・・・・・。



『気付いてるだろうが、既に他の氏族やこの国の者達も異変を察知して彩雲山(ここ)に集まりつつある。俺も全てを把握している訳ではないが、今ここで詮索すべき事でもない。』


『では―――――――?』


『明日、北の聖地の里で集まるのが良いだろう。向こうには俺が直接伝える。ついで(・・・)もあるからな。お前も里に戻って長老達にそう伝えておけ。』


『――――――分かりました。では、我々はこれにて失礼致します。』



 全員がアルビオンに頭を下がると、来た道を辿る様に龍達は去って行った。


 俺達の間にはしばらく沈黙が続き、事の中心に立つ瑛介は複雑な顔をしていた。



「なあ勇吾、一体何が起きてるんだ?」


「トレンツ・・・・・。それは今から話す。」



 そして俺は、状況をまるで飲み込めていないみんなに事の次第を話していった。







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