21 クラスメイトの鋭い視線
教室に戻った俺を待っていたのは、クラスメイトから向けられる多くの視線だった。
男女問わずに向けられる視線には、背中を刺されそうな冷たいものがこめられている。
無論、なぜそんな視線を向けられるのか分からない俺は少し混乱する。
・・・俺、なんかしたか?
そんな疑問を抱きつつも、できるだけ周りの視線を気にしないように努めながら自分の席へ座る。
因みに、俺の席は窓際にあって一際目立つようなことをしなければ、視線が集まったり目立ったりすることはまずない・・・筈だが。
「視線が・・・視線が痛い・・・」
一点に集中する鋭い視線に、思わず声を漏らしてしまう。
どうしてこうなったのか、そう考えるが心当たりなんてまるでない。
そんな中、授業開始を知らせるチャイムが鳴り、俺を救ってくれた。
視線が一瞬で分散するが、やはりまだ少しの視線を感じる。
10秒もしない間に、担任が教室に現れる。
今から始まるのは五時間目で、教科は確か英語だったか・・・。
良し、居眠り決定。
自慢ではないが、真面目に勉強しなくてもテストで平均は取れるんでね。
え?テストは良くても成績は下がるんじゃないかって?・・・気にすんなって!
幸いなことに、窓際の席ってのは居眠りしてても担任にばれにくいんだよ。
それにほら、夜にあるバイトに備えて眠っとかないと疲労でぶっ倒れそうになるんだぜ?
俺は机に突っ伏して、目をゆっくりと閉じた。
授業中でも向けられるしつこい視線は無視して、俺は浅い眠りについた。
今回は短めで。
あと、しばらく更新ペースを遅くさせてもらいます。




