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第三十七話

 夜空は漆黒に染まり、星の光さえかき消されるような暗さ。

 ルシアは胸元の光を抱え、石畳を一歩ずつ進む。

 光は手の中で激しく震え、守るべきものの重みを伝える。

 神界――アウレアの圧力は極限に達し、世界そのものが二人を試すように揺れていた。

 「……ここまで来たんだね、ルシア」

 ミカが小さな声でつぶやく。

 肩までの茶色い髪が闇の中で揺れ、瞳には不安と覚悟が混ざる。

 小さな手は光に触れず、ただ守るように前に出していた。

 ルシアは胸元の光を握り直す。

 痛みが胸を焼き、息を詰まらせる。手を離せば光は消える。

 全身で重さと責任を受け止め、踏み出す。

 川向こうにヴァルの影が立ち、静かに二人を見守る。

 声はないが、その冷静な存在感が圧力の中で際立つ。

 黒い影は形を持ち、意思を帯びて二人に迫る。

 光だけでは押し返せず、揺らめく黒は迫力を増していた。

 ルシアは深呼吸し、胸の光に意志を込める。

 痛みを受け入れ、覚悟を光に注ぐ。

 ミカも同時に前に出て、二人の意志をひとつにする。

 「……私たちの絆こそ、光の力を超えるんだ!」

 二人の声が重なり、光は胸の中で爆発する。

 黒い影は揺らぎ、形を崩し始める。

 木々の影が揺れ、小鳥が飛び立ち、川面が光を反射する。

 ――光と祈りの力、そして二人の絆が、世界を変える真の力を示した瞬間だった。

 ヴァルは影のまま、一歩も動かず、二人の力を静かに見守る。

 光は揺らぎながらも、世界に確かな変化をもたらした。

 ルシアとミカは互いに視線を交わし、胸の奥で痛みと覚悟を絡ませながら、次の行動を決める。

 光と祈りの力の核心――それは二人の絆と信念によって完成することを、二人は理解した。

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