Grimoire of Crayford
「初めまして。僕はレオン・クレイフォード。貴方と同じ、グリモアの所有者。」
「クレイフォード……」
「国家議会最高議長、ヴィンセント・クレイフォードの孫にあたりますね。よろしくお願いします」
「どうしてお前が……?」
「この状況を作り出したのは僕です。僕は貴方に用があって来ました」
「用……?」
「あぁ、それよりも先に…まず、謝らせてください。」
「…はぁ?」
「…それでは。単刀直入にお伝えしましょう。再構築者に加入させてはいただけないでしょうか?」
「なぜ?」
「それは僕の祖父が関係してきます。僕の祖父はあなた方に強い敵意を抱いています」
「そんなことは言われなくとも知っている。だから何だ」
「僕の祖父は再構築者を潰すために理式班という精鋭部隊を結成しています。これはご存知ですよね?」
「ああ……その1人がさっき倒した」
「それを差し向けたのは僕です。」
「なっ……!」
レクは驚愕に包まれた。その表情を見て、レオンは話を進める。
「驚かないでください。僕は彼らの思想に反しています」
「彼らがどうして再構築者を潰そうとしているか知っていますか?」
「秩序を保つ為だろ?」
「違います」
「は?」
「彼らは自分が"唯一無二"でありたいんですよ。そのためには再構築者という組織は邪魔なんですよ」
「何故だ?俺たちは国家に反旗を翻したに過ぎない」
「つまり、自分たち以外のもう一つの力を持つ勢力が現れた。それが問題なんです。」
「つまり……?」
「簡単に言えば独裁です。独裁を行う上で、もう一つの力は厄介になります。」
「……」
「信じられないかもしれませんが。これが真実です」
「分かった。とりあえず話だけは聞いてやろう」
「ありがとうございます」
レクがそう言うとレオンは安堵の息を漏らした。
「お前は…理式班ではないのか?」
「はい。僕は契約者であることを隠しています」
「だが……お前はランベールを派遣したんだろう?」
「はい。孫という立ち位置ではありますが、それなりの権威はあります」
「…そんな事をして大丈夫なのか、お前は。」
「全ては祖父の独裁を阻止するため。僕は、国民のために全てを捧げる覚悟があります。」
「なるほど……」
「……なら俺はお前の提案に乗ろう」
「本当ですか?」
「ああ」
「ありがとうございます。では早速ですが、僕の能力をお伝えします。」
「僕の能力は『コネクション』です」
「……それは一体どういう能力だ?」
「僕自身の思考、というよりは想像したイメージを他人の意識の中に送り込むことが出来る能力です。」
「範囲は?」
「集中すれば、2kmほど。また、この能力は理のうちの一つを無視できます。"契約者にグリモアは通用しない"という理を。」
「それは便利な能力だな」
「まぁそうですね」
「理式班の人たちは、"契約者にグリモアは通用しない"という理を知りません。」
「なので、通用していると誤解させるために"意識が停止された"というイメージを見せていました。」
「なるほど。合点が行った」
「それでは案内しよう。ようこそ、我らのベースへ。」
「はい、よろしくお願いします。」
数日後。
再構築者の基地にて。
「初めまして。私は再構築者の参謀を務めております。エルミナと申します。以後お見知りおきを」
「初めまして。僕はレオン・クレイフォード。これからよろしくお願いします」
「えぇ。よろしくお願いいたします。それで、今回はどのような件でいらっしゃったのでしょうか?」
「理式班について情報提供をしに来ました。僕の傘下だったので、かなり詳しく提供できると思います」
「そうですか……。実は私も理式班について調べておりまして」
「何か分かりましたか?」
「いえ。全くと言っていいほど手がかりはありませんでした」
「やはりそうですよね。クレイフォリアの情報工作は、かなり高度なものとなっていますから。」
「では、僕の持っている情報を提供しましょう。」
「お願いします」




