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003

境鳥村立中学および小学校

野咲ミク 中学担任

相原リョウコ 小学担任

霧山ユリ 中2

藤アラシ 中2

藤タイスケ 中2

星ホクト 中1

霧山アン 小6

藤サクラ 小5

星ミナミ 小4

天城マヤ 小2

射手ヒロ 小1


「村の成り立ちなんてどこも似たようなもんでしょ。」

「どこもかしかも巨人だらけとか怖い。」

入学式が終わり、教室での顔合わせが終わり、

カバンにプリントを詰めて帰り支度をしていたホクトに

霧山ユリが「境鳥村」の由来を伝え

さらには「この後部活する。」と言い出した。

断ろうと口を開いた瞬間、

「着替えを覗いたのは黙っていてあげるから。」

これは脅迫だ。

校内での部活動だと思っていると

「さあ行きましょう。まずはホクト君の家に寄ってそれから」

「え?家?」

「鞄置いてお昼御飯いらないって言わないと。」

何処に連行される?

途中藤兄弟も自宅に鞄を置き、到着したのは

「テングランド?」

飲食店のように見えるが。

「何屋?」

ホクトの質問に霧山ユリも

「何屋?」

「イヤ聞かれても。」

「モーニングからディナーまでってのが売り文句な。」

藤弟ダイスケが得意気に、しかしあくまで涼しく言った。

ホクトは後で知るのだが、

いつもは朝、昼、夜のおすすめメニューのボードが店前に立てられている。

今それが無い事を入店してすぐ立てかけられている看板を見て判る。

店内には既に小学生が勢揃い。

「それでは星ホクト星ミナミの歓迎会を始めます。」

霧山ユリの妹霧山アン6年。

藤兄弟の妹藤サクラ5年。

天城マヤ2年。射手ヒロ1年。

それからホクトの妹星ミナミ4年も既に席に着いている。。

ホクトを座らせ、霧山ユリによる全員の紹介が終わると

星ミナミが立ち上がり

「星ミナミです。こちらは兄の星ホクト。」

「兄は極度の人見知りなので私が代わって挨拶を。」

「皆さんよろしくお願いします。」

笑顔で丁寧に人当たり良さそうな無難な挨拶を終えると

一年生男子射手ヒロが立ち上がり店の奥へと消える。

するとすぐに彼と彼の母親が料理を運びに現れ

母親射手ヒカリはホクトの手を取り上下に振りながら

「久しぶりねーホクト君。」

戸惑うホクトの隣で妹の星ミナミが運ばれた料理を並べながら呟く。

「ホクトは覚えていませんよ。」

射手カオリはピタリと手を止めて

「そうだったわね。」

「今日はたくさん食べて行ってね」と店の奥へと戻った。

それを聞いた霧山ユリが

「心配しないでたくさん食べて。ホクト君の分は私が出すから。」

「いや、祖母から」

「母がお詫びにって。貰いたいのは私なのに。」

藤アラシ、藤ダイスケの兄弟はそれぞれ勝手にひたすら食べ

二人の妹の藤サクラがそれを窘めながら射手ヒロの手を取り女子達の輪に加える。

小学生達は射手ヒロ以外は全員女子な事もあって

ホクトの妹ミナミを囲む。

天城マヤが星ミナミに今まで住んでいた場所」について訪ね

その答えに霧山アンが食いつくと姉を呼び霧山ユリも加わる。

こうして賑やかに和やかに星ミナミの歓迎会は行われた。


翌朝のホームルーム。

担任野咲ミクが「部活」の話しをする。

「ユリ、部活の活動方針と副部長と会計を決めておきなさい。」

「副部長って二人でもいいですか?」

「構わないけど、ああそうか。そうだな。それがいい。」

野咲ミクは何かに納得したようだった。

この日は授業がなく学力検査が行われ、その後給食となる。

給食は空き教室で小学生達と一緒になるのだが

霧山ユリはその席で

「部の事をいろいろ決めてしまおう。」

独断で副部長は藤兄弟、会計兼書記はホクトに決まった。

「部費をふんだくるには活動内容を認めさせなければならない。」

「そのためには少々の虚飾もやむなしと考えている。」

「ミクちゃんは耳を塞いでいてください。」

児童と共に給食の席にいる中学担任野咲ミクは食事の手を止めず

「食事中は何も聞こえないから心配するな。」

藤アラシも手を止めずに

「災害対策部って言うなら避難経路とか」

「災害対策本部ではない。それは公的機関に任せる。」

「我々の部は怪獣対策本部だ。しかしそうだな避難経路の作成はアリだな。」」

「ホクト君。メモ。」

「給食に筆記具は必要ないかと。」

小学担任の相原リョウコが

「こんな事もあろうかと。」

ボールペンとルーズリーフを一枚ホクトに差し出す。

困惑しながらも「ありがとうございます」と受け取るホクト。

それを見ていた霧山ユリの妹、霧山アンは

「ホクトさん。姉の言う事を真に受けなくても」

「何を言うか。これは部活動だぞ。」

妹の言葉を遮る姉。しかし負けじと反撃。

「怪獣対策部なんて部活は無いっ。」

「対策部ではない、対策本部だ。」

そこはどうでもよくないか?

昼休み中に決まった活動内容は

「怪獣出現時の避難経路の作成と住民への周知」となったが

会計と書記を言いつけられたホクトは「どうして自分だけ二役」と嘆きながら

放課後に職員室を訪れ、書類を提出すると担任野咲ミクに

「怪獣出現」の部分を「災害発生」と書き直しを命じられた。

「元々予算は決まっているから活動内容で変わる事はないが」

「教育委員会やら保護者会の監査もあるからな。」

「物事を動かすには相応の根拠とか必要だと教育しているわけだよ。」

「何より内申に良いことが書ける。」

などと言いながら受理し

「人見知りとは聞いていたが大丈夫そうだな。」

その日は職員会議で部活動はなし。なのだが


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