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027

境鳥村立中学および小学校

野咲ミク 中学担任

相原リョウコ 小学担任

霧山ユリ 中2

藤アラシ 中2

藤タイスケ 中2

星ホクト 中1

霧山アン 小6

藤サクラ 小5

星ミナミ 小4

天城マヤ 小2

射手ヒロ 小1


「困ってはいないよ。」

答えたのは野咲ミクだった。

「むしろ朝と夜なんて殆どサービスじゃあないかな。」

大人の衝撃発言に口を開けるのは教卓の2人。

「日曜日、あの後ヒカリさんと話した。」

「テングランドの経営は安定しているよ。」

「でも、でも土日の観光客だで」

藤サクラが慌てるのを制し

「種明かしすると、一部ホテルと提携して」

「従業員用の弁当を請け負っている。」

「さらにっ」

「学校の給食の一部もテングランド産だ。」

一瞬の静寂の後、

霧山ユリの

「なんで最初から言わないの?」

この発言をきっかけに全員が一斉にブーイング。

「授業だよ。経営について考える教材としての許可は取ったよ。」

「本気で取り組んだサクラが可哀そう。」

霧山アンの言葉に野咲ミクも慌て

「いやいや本気だからいいんだよ。」

「それに実際いい案が出たら採用するって言ってたんだから。」

「だからそれを最初に言えと」

「ヒロが言ったじゃん。」

ぐだぐたな喧噪になりかけたところで突然

「おいホクトっ。どうにかしろ。」

どう、とは?

野咲ミクの無茶振りに全員がホクトに注目する。

「観光客をあてにするのではなく」

「観光客にしてしまうのはどうでしょう。」

全員黙る

全員が目配せをし合う。

それから全員が妹の星ミナミに目を向ける。

「いや、私もこれが何を言っているのか判らないんだけど。」

「説明しろっ。」

「温泉目当ての宿泊客を取り込むのではなく」

「テングランド目当てに来るようにする?」

「返答が疑問になっているのは無視していいのか?」

野咲ミクはミナミに尋ねるが答えられるはずもない。


「当初の議題に戻ったな。」

霧山ユリが得意気に言うのだがサクラは意味が判らず聞き返す。

「当初?」

「テング改造計画。」

それに乗っかり挙手しながら藤ダイスケが

「テングに足りないのはメカパーツだと思うんだ。」

メカ?

アラシが弟を窘めるように

「テングじゃあなくてテングランドな。」

「監督を変えてシン・テングランドとしてリメイクすべき。」

「いっそテングランドを観光スポットにしろって事だよな?」

霧山ユリが暴走を始める。

「店の前にゴ〇ンジャーの看板を置くのはどうよ。」

「観光地っぽく顔の部分くり抜いてもいいぞ。」

中学生になると皆こうなるのか?

こんなふうになってしまうのか?

藤サラクが見るからに動揺している。

霧山アンは姉の暴挙に動揺しながらも友を助けようと

「ホクトさん。ホクトさんは何か具体案とかありますよね?」

無茶振りに対して

「シン」

お前もかっ

「メニューとか。」

「あ、新メニュー。ですね。そうですよね。」

藤サクラも霧山アンも「まともな人がいてよかった」と胸を撫で下ろすが

「あまいっ。ナット・キング・コールの歌声より甘いっ。」

「新規メニューではなく、新規事業のプレゼンだ。」

「判った。メイド服だ。」

「俺が?」

「アラシのメイド姿を見たい客がいるのか?」

「猫だ。猫を飼え。猫ランド。」

「座席に端末を置いて配膳ロボから配膳用のレーンを整備。」

「テーブルをゲーム機にする 」

霧山ユリ、藤アラシ、藤ダイスケ3名だけが盛り上がっている。

藤サクラは無視して

「じゃあホクトさん。新メニューの案もあったりします?」

「案と言うほとけじゃあないけど」

「ダムあるのにダムカレー無いんだなぁって思って。」

星ミナミが机の中からスケッチブックを取り出し

「ダムカレーってこんなんでしょ?」

ご飯でダムを作りカレーを放流するようなダムカレー。

「エビフライ乗ってるのありますよね。」

天城マヤも身を乗り出す。

ミナミがエビフライを描き足す。

「ヒロは?何かある?」

サクラの問いかけに

「カレーを湖の形にできないかな。」

八手ダムの湖は八手湖。

その名の由来となった天狗の団扇のような入り組んだ湖。

「器の形を八手にする?」

「それなら」

星ミナミは器はそのままに

「ここにカタを置いてご飯で囲むとかは?」

皿の内側に八手の形を描く。

気付くと中学生悪乗りトリオも覗き込む。

「八手ダムカレー、いやテングのダムカレーってどう?」

霧山ユリの提案には誰も何も答えられなかった。



同日夜、テングランド店内。

野咲ミクは店主の射手コウ、アカリ夫妻に

「これが今日子供達がまとめた結果ね」

「ダムカレーか。結構具体的だね。」

「検討しとくって言われたって答えでいいかな。」

「うーん。実際作って試作として提供してみるよ。」

「そこまでしなくても。」

「言葉だけより説得力あるんじゃないかな。」


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