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025

境鳥村立中学および小学校

野咲ミク 中学担任

相原リョウコ 小学担任

霧山ユリ 中2

藤アラシ 中2

藤タイスケ 中2

星ホクト 中1

霧山アン 小6

藤サクラ 小5

星ミナミ 小4

天城マヤ 小2

射手ヒロ 小1


「うちも人手不足でね。」

霧山ユリがこっそりと藤サクラに呟いた。

この時、「この人はダイスケの気持ちを全く知らんのだな」と理解した。

それにひきかえ当のダイスケは

「ユリがどうしてもって」

「母親からも将来は正社員ねって。」

かわいそうな兄。と同情しかけたのだが

「正社員の次は支配人だな。」

「ユリとアンがいるから、まあどっちか。」

「確率が半分ずつなら2人で100%だ。」

妹は本気で絶句した。

こいつは何をほざいている?

アラシを見るとアラシも同じように口を開けこちらを見て目が合った。

「あ、アラシ兄はどうして大太楼にしたの?」

妹サクラはどうにか話題を変えようと試みる。

「は?え?

「料理修行ならヒロのとこでもいいかなって。」

「あー、」

アラシは何かを躊躇していると妹は理解した。

「いやあ実は頼もうと思って行ったんだけど」

「結局お願いしなかった。」

「なんで?」

「元々バイト募集してなかったけど」

「忙しいなら手伝いさせてくれって頼もうと思ったんだ゜けど」

「暇なのか?」

「まあ忙しくはなかったな。」

「ヤバクね?」

「バイト雇う余裕はないくらいには。」

サクラも食事の手を止め

「たまたま客がいなかっただけじゃなくて?」

「様子見るつもりで日曜日の昼に行った。」

観光シーズンではないが

日曜日の昼に客が他に2組。

アラシがバイト先を変えたのはこの際どうでもいい。

テングランドにはヒロがいる。


土日を挟み月曜日。

5時間目の合同授業。

時間割には月曜から木曜日まで「個別」と記されている。

普段は小中学生達が一つの教室でこ

個々の苦手科目に取り組む時間である。

「いつも一緒でもよくね?」

藤アラシの疑問に中学担任野咲ミクが答える。

「授業時間違うし、教師も1人でよくね?て教育委員会から言われたらどうする。」

「どちらかが職を失い、どちらかはたった1人でお前達全員を相手にするんだぞ。」

「どっちにしたって負け確定だろ。」

ホクトは哀れみ

「そこは嘘でもお前達をより丁寧に指導、教育できるように」

「教育委員会に無理言ってこうしているんだよ。とか言ってください。」

「そしたら先生ありがとうって気になるのに。」

ため息交じり言うホクトに野咲ミクは開き直り

「私は正直であれと身をもってお前達に示しているっ。」

「そんなことよりだ。」

「今日はサクラからこの時間をくれと言われた。」

「協議の上許可したのでサクラ、お前から話をしなさい。」

「はい。」

立ちあがる藤サクラ。

「テングランドを盛り上げる会の設立を宣言するっ。」

突然の発表に兄ダイスケは

「お前は何を言っている。」

「お前にだけは言われたくないっ。」


遡って一昨日、土曜日午前8時

「おはようございます。」

藤サクラはテングランドの扉を開ける。

射手ヒロの母親、射手ヒカリはテーブルを拭きながら

「いらっしゃい。サクラちゃん。朝食?」

「いえ、今日明日と見学させてください。」

土・日はアラシは手伝いに来ない。

忙しいのは週末の筈なのに謎だが好都合。

藤サクラは邪魔にならないようにと店の奥の席に座りながらメモをとる。

残念ながら予想通りモーニングの客はいない。

週末それなりに観光客はいる。

現れないのはホテルや旅館で朝食を済ませるからだ。

開店が8時と朝食には遅い事も原因の一つだろう。

30分ほどすると店の扉が開き7、8人の女性がぞろぞろと入る。

射手ヒカリが「いらっしやませ」と声をかけると

女性達は「いつものこと」のように慣れた感じ席に着きながら

「モーニング人数分で。」

1人が告げるとそれに続いてそれぞれが

「ホットコーヒー」「オレンジ」「アイスティー」などと飲み物を注文。

人数分の注文を書き終えると「少々お待ちください」と厨房へ。

常連客か?何の団体だ?どうする聞くか?

しかし突然どう聞く?

「あ。」

藤サクラは立ち上がり女性達の席へ向かい

「あのー」

「はい?」

「えーと、学校の職場体験でこちらでお世話になっていまして。」

「よろしければお話を。」

女性達は藤サクラを同席させ

全員天城マヤのいるホテル「シエルシャトー」の従業員で

夜勤終わりの朝食だと話した。

話をしていると射手ヒロと母ヒカリが料理を運ぶ。

サクラは「はっ」と立ち上がり

「あわあわ」と昨日の兄2人との会話を聞かせた。

射手ヒカリは真面目に聞いてから笑って

「何かいい案がでたら教えてね。」

迷惑にならない程度に客へのアンケートを許可した。

「せめて配膳の手伝いをさせてください。」

「そのほうが聞きやすいし。」

この提案も快く受け入れてもらい

調子に乗った藤サクラは

この後も現れる客に突撃を続けた。


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