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018

境鳥村立中学および小学校

野咲ミク 中学担任

相原リョウコ 小学担任

霧山ユリ 中2

藤アラシ 中2

藤タイスケ 中2

星ホクト 中1

霧山アン 小6

藤サクラ 小5

星ミナミ 小4

天城マヤ 小2

射手ヒロ 小1


夕食。バーべーキュー。

「アラシはもっと野菜を食えっ。」

「ホクトはもっと肉を食えっ。」

担任野咲ミクが鉄板奉行と化した。

「パワハラだパワハラ。」

嘆く藤アラシ。

「野菜を食うな。肉を食うな。と言ったならパワハラだが」

「これはお前達の成長を考慮した教育的指導である。」

その隣では藤ダイスケと藤サクラが言い合っている。

「肉を確保する約束はどうした。」

「確保はしたがお前にやるとは言っていない。」

「なんて卑しい」「お前が言うな」

サクラは焼いた肉を射手ヒロの皿にのせる。

「さあお食べ。」

「え?でも。」

「ヒロが遠慮してあまり食べていないの知っているよ。」

真っ赤になるが夕焼けかそれともコンロの火か。


片付けを終え、まったりの夜8時。

南の空に丸い月。

「満月は来週かな。」

ホクトが呟く。

「大きくなるの?」

隣の射手ヒロが尋ねる。

「月の形がローマ字のDになっていると大きくなって」

「Cの形だと小さくなるんだ。」

ヒロは月を見て「へー」と感心する。

すると藤アラシが

「デカイのDとチッサイのCだな。」

「デカイのDは判るけどチッサイならTじゃね?」

ダイスケの突っ込み

「チはCHIだろ。」「チはTIだ。」「TIはティだ。」

藤兄弟のやりとりに

「どっちも正解だよ。日本語のローマ字表記は二種類あるから。」

小学担任相原リョウコが割って入った。

「学校で教える訓令式ってのだとTI。それと」

「英語読みに近いヘボン式ってのだとCHI。」

「結構面倒でいろいろと混ざっているからどっちも正解で大丈夫。」

「どっちも正解でいいけど」

藤サクラが呆れるように続ける。

「でっかくなるDだけ覚えておけばよくね?」

それを聞いた藤兄弟は揃って「なんで?」と。

「Dじゃ無かったら小さくなるからだよっ。」

「あー。あ?うん。あー。」

判ったのか判っていないのか。

その横では既に別の星を眺めるヒロとホクトに

天城マヤが加わり

「北極星は知ってます。こぐまの尻尾。」

そのすぐ上におおぐま座の北斗七星が見えるが

ホクトはそれを無視して星空を指差しながら

「尻尾の先をまっすぐ降りて明るいのがカペラ。」

指を動かしながら

「その先にあるは多分木星。」

「ペテルギウスもぎりぎり見えるね。」

「シリウスも見える。その上のプロキオンと合わせて冬の三角形。」

「あれ?この時期って」

ホクトが振り向きながら

「まだベガしか見えないか。」

「あと1時間とか2時間で夏の三角も見られるよ。」

「詳しいですねホクトさん。」

天城マヤの言葉にホクトの手が止まる。

少し離れたミナミがぼそりと呟く。

「そんな事は覚えているんだ。」

それを聞いた霧山ユリがミナミに声をかけようとするが

「さあ皆さん。天体望遠鏡の準備ができましたよ。」

藤兄弟妹の母、藤アキがいつの間にやら

寝泊まりする倉庫から台車に乗せられた望遠鏡をセッティング。

「なんかゴツイのきた。」

「なにこれ専用のカート?電動?」

その大きさに子供達が騒然となる。

「これプロが使うやつじゃん。何このケーブル。」

「いやいや私プロだから。」

「全員の分はないから順番にね。」

「私は月に合わせるからミクちゃん先生は木星ね。」

「私が月がいい。」

藤アキは無視して

「ホクト君は火星をお願い。」

「だらか私が月を」

「ぐずぐずしていると木星沈んじゃうから。」

「合いました。」

ホクトは探索用のファインダーからではなく

本体鏡筒の接眼レンズから覗きながら手を挙げた。

「まじかよ。早くね?リョーコ確認して赤道儀入れて。」

相原リョウコが覗く。

「火星だ。凄い。」

「ホクト。木星も頼む。ほかの者は順番に月と火星を観測。」

「所員のプライドは?」

「プライドなんて傷付くだけの物はとっくに捨てた。」

「恰好いい事言っているけど映画の台詞パクっただけよ。」

相原リョウコの暴露に呆れながら目視で木星を見て

ファインダーを覗かずに望遠鏡を操作するホクト。

手慣れているな。と口にはしないが

赤経赤緯それぞれのハンドルを目を離すことなく操作し、

パネルでピントまで合わせる様子に動揺さえ感じた。

「望遠鏡を扱った事がある」程度の知識と経験ではない。

「あ、合いました。この口径でも縞が見える。」

野咲ミクは藤アキの隣に立ち

「いつ操作教えた?」

「教えてないよ。悪戦苦闘しているところに」

「このパソコンがあれば一発で」

「的な事をしようと企んでいたのに。」

藤アキはノートパソコンを抱えながら答えた。


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