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第47話 炭火・串焼き・チンピーラ

昼から少しばかり時間が過ぎているが昼飯を食い損ねている。


俺は通りから少し離れたところで人が並んでいた店に決めた。

店頭では炭火で串に刺された羊肉、鶏肉、つくねのようなひき肉を串に刺したものが香ばしい香りを放っている。


羊肉の串と、わりかし長くて大きいつくね状のひき肉の串の2本を買った。


露天市場の広がる大通りから離れた大きな広場だった。


羊革で出来た水筒の水を飲みながら、串焼きを味わう。


何かのソースか何かに漬けこまれているらしい羊肉に臭みは全くなく、肉その物も新鮮味が感じられるそれは素材自体の質の高さを感じられるものだった。


ひき肉の方もスパイスを効かせたほど良いピリ辛感があり、それでいて辛すぎない。


焼くのに用いている炭火もかなり上等なものではないかと感じた。

この世界に備長炭があるのかは分からないがそれに近い遠赤外線の炎の力を肉から感じた。


さて、どうしたものか・・・。


とりあえず酒場とか人が集まる場所で聞き込みを開始する。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2時間後。


「はあ~・・・。あーうっとうしい!!!!」


この町は想像以上に厄介だった。


酒場では誰も話を聞こうとしても避けられる。


あとはとにかく異常なまでにガラの悪い奴、しつこく金をせびろうとしてくる押し売りが多すぎる。


やっと話を聞けると思ったら金貨10枚よこせとか法外なことを言う。


因縁をつけて裏路地へ連れ込もうとするチンピラも2匹いた。

無論煙幕弾でくらませてから急所蹴りを叩き込んだ。

いずれも小便をもらして悶絶した。

そいつらの所持していたヒュドラの剣と同短剣それぞれ1本ずつ、アンデッド系モンスターへの効果が高い珍しい特殊武器ゴーストスレイヤー1本、金貨52枚を回収する。

チンピラ御用達の飛び出しナイフ(ジャックナイフ)も持っていた。

大した価値はないがどこかで役立つと思いそれも取っておく。

防具はさびれた旅人の服装ゆえ価値はない。

そいつらに猿轡さるぐつわをはめてパンツ一丁で男娼街らしき裏路地に放置しておく。

後は“とびきりの肉体を持った男たち(オーク・オーガ含む)”が後始末をしてくれるだろう。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


聞き込みをしてもまともな情報を得る方法は難しそうだな・・・・。


行き当たりばったりで衝動的にこの町に来てしまったとはいえ、骨が折れるな。


何百年も前の魔導書に入っていた住所の魔導士が今いるとも限らないことは分かっているつもりだ。


しかし、何か斜め上の強大な力が欲しい。


そのためには正攻法だけでは無理だ。


そのためには禁術と呼ばれるような破壊力のある魔法がいる!


脳筋と呼ばれようとかまわない。


何が起こるか分からぬ場所で生き残るのに必要なのは、敵に我が意志を強要することができる力なのだ!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一旦町の城壁の外に出た。


平原と森林地帯が合わさった比較的豊かな土地柄。


直感的に城壁の外の方が穏やかな感じがしたが正解だった。


皮肉にもまだ外の方が治安は良い。


モンスターや野盗が出没するのになぜだ?


森の近くの大きな岩が密集している所に手ごろな石を見つけて座る。


水筒の水を飲んで空を見上げると、太陽の位置から時刻は15時くらいか。


どうする?


このまま夜になるとあの治安の悪いところで宿を探すのは骨が折れる。


大抵あの手の都市の宿はかなり高値の高級ホテルか、ガチで危険な安宿の類か・・・。



「“銀龍の魔女”ってどこにいるんだよ!」


ガセネタだったのかな?っと思い俺が叫んだその時だった。





「・・・・“銀龍の魔女”とは・・・・・・・人間種の方からその名を聞くのは二、三百年ぶりかのう・・・・・・・」





!?


背後から少女の声!?


振り返るとそこには・・・・。





「ワレの名を呼ぶものはお前か~」


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