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第38話 情報屋の分析

「一つ目は、この世界に来ている転生者とはどこから来ているの?」



「ワシが知っている限り、約20年ほど前からこの世界で生まれたのとはあきらかに違う別世界から転生してきた人間種が出没するようになった」

「その前から別世界から人間種が来るときはちらほらあったが少数だった」

「問題は約20年ほど前から明らかに別世界からくる人間どもが徐々に増えてきた。そして約15年ごろからは急激に増加してきおった」


「15年ほど前から急激に?」


「奴らがどの世界から来ているのかははっきりせん。だが、・・・・」


ゴブリンはポケットからメモを取り出し、ペラペラとめくった。

「他の国の仲間から聞いた情報では・・・・、全部ではないが向こうの世界ではトウキョウ、オオサカ、シマネ、フクオカ、トヨハシなどの都市にいたと証言している若い人間種がいたと聞いておる」


「・・・・・・」


やはり・・・・。


ベルリオーネは心の中で思い当たる節があるという表情をした。




「二つ目の質問。転生者たちはこの世界で何をしているの?」



「ワシが仲間とともに収集した情報を総合して言えることは、別世界から転生してきた連中はこの世界の一つの地域に決まって出現するわけじゃない。様々な国や地域に転生されて、どういうわけか様々なシチュエーションの身分や職業をそれぞれの国で都合よく与えられる。中には訳の分からん立場や、理不尽な立場を押し付けられてそれを何度も繰り返す例もあると聞いてはおるがな」


・・・。


黙っているベルリオーネをよそにゴブリンは続ける。


「大事なのはここから。そいつらは一定期間それぞれの立場で決まった期間過ごした後、そのまま過ごす者、より好待遇のところへと行く者、そして・・・」

「何らかの施設へと移送されていく者たちがいる。ワシ自身の経験と情報収集仲間の奴らからの情報を突き合わせると、最後の枠に入る転生者連中が最も多い印象じゃな」


「どこに移送されているの?」


「この世界は広大ゆえに一ヶ所ではない。おまけに実際に移送の光景を見たのはわしでも数回ほど。」

「だが、その中でも移送された可能性が最も高い場所が3ヶ所ある。その中でここから最も近い地域は東部地方ブロッケン渓谷のあたりじゃ」

「ワシはハイン王国の騎士団の動向を別の国の諜報員に依頼を受けて調査していた時、なぜかハインの国内治安騎士団の紋章をつけた馬車がさっき言ったブロッケン渓谷へ数台向かって行くのを確かに確認した」


“ブロッケン渓谷!?東部地方最南端の渓谷。あそこはほとんど無人地帯で村もほとんどない森林地帯のはず・・・”


“しかも国内治安騎士局は都市を管轄する部隊。辺境地帯への外征は基本しないはずなのに・・・・”




「最後の質問。転生者が関与する場所でこの世界にはない施設とか、研究とかがおこなわれている痕跡はない?」



「さっきの質問と重なるが、ブロッケン渓谷の森林が生い茂る中に奇妙な建物を数棟見た」


「背景に合わせて緑色に塗料か何かを塗っておったが、あれはこの世界では見たことのない雰囲気の建物じゃったな。それに見たことのない鉄でできた魔獣みたいなものを使役している人間種どもを見たわい」


「ワシの見立てでは、ハイン王国をはじめとする各国の上層部はこの世界に点在する鉱物資源の開発をもくろんでおる感じじゃ」


「なぜそんな役に立たん石ころや、臭いだけのべとべとした黒い液体を開発するのか理解できんが、それらはどうも闇ルートでどこかが買い取ってくれるらしい」


「あと、ブロッケン渓谷では逃げる途中で見ただけだから確証はないが何かを大規模に栽培している畑を見た」


「畑?」


「警備兵に見つかって逃走する際中で少し見ただけじゃったから確証はないが、そこに転生者らしき若い人間種がいた気がするな」


「ついでにサービスで言うが、この都市オホロシュタットも意味不明な鉱物を採掘していて、オホロシュタットどころかハイン王国全体の財政を支える一大財源になっていると聞いておる。ただ、何を採掘しているかまではワシでも分からん。あそこは警備が厳しすぎてサンプル入手も今のところできておらん。それにこの町で隠れ住む以上、合議商人どもににらまれたくないからのう」


「あなたが手にしているのは銃という武器。それはどこから手に入れたの?」


「こいつはブラックマーケットで手に入れたもんじゃよ。詳しい経緯は知らん」

「ただ、そこの武器商人が言うには何でも別世界とこちらを行き来して何かわけのわからんことをしている人間種がいるらしく、そいつらが別の世界から持ち込んだものが偶然流れてきたとは聞いたわい。こいつはこの世界では作れん武器でな。魔法とも違う素晴らしい得物じゃ。わしはこいつの弾に魔力を込めてカスタムチューンして使っておる。いざとなればこっそり敵を始末するのに持ってこいじゃからな」




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