第30話 クラウディアさんとのひと時
ヨーロッパ風の通りに面したカフェはいつものギルドのそれより椅子から店内の調度品まできらびやかな銀色の装飾が施されていて、店員の服装からマナーまで洗練されている。
いつものギルドのカフェも庶民的な感じでよいが、ここはさらに格式が高い。
クラウディアさんはカフェオレを、俺はウインナーコーヒーを頼んだ。
「いつも俺の身の回りのことを世話してくれてありがとうございます」
「スドウ様はこちらに来られる前、どうされていたのですか?」
「東京で中学生をしていました。それが突然変な死に方をして・・・」
「チュウガクセイ?ああ、勉学に励む場所ですね」
彼女は手を軽く叩いた。
「ああ、そうでしたか。この世界へ来られる方はよくそうおっしゃっておられますわ」
クラウディアさん、中学校とか俺のいた世界のことを知っている?
「どういうこと?俺の元居た世界のことを知っているわけ?」
「この世界にはスドウ様のいた世界からよく転生者が来られます。私も何度かお会いしたことがありますわ」
「その人たちはどこにいるの?」
「皆、亡くなったとコンスタンチンから聞いております」
・・・・・。
「ああ、ごめんなさい。変なことを言ってしまって・・・」
「いいえ、亡くなったというのはどういうことで?」
「スドウ様の前にも同じような方がおられたのですが、単身洞窟に行かれたきり行方不明になられる方、魔王に挑むために伝説の魔導士から極意を習うと言って帰ってこなかった方、戦死された方もいたとコンスタンチンから聞いております。帰ってこない方々は絶望視されております。皆さんこの世界に転生して新たな人生を自由に生きれると希望を持っておられましたのに・・・」
クラウディアさんの顔がやや暗くなった。
俺は話題を変える。
「クラウディアさんはどういう経緯でお城のメイドさんになったのですか?」
「私には記憶がありません」
「記憶がない?」
「実はわたくしも別の世界からの転生者であると執事のコンスタンチンから聞いております」
「えっ、じゃあ俺と同じ世界から来たってこと?」
「それが分からないのです」
分からない?
どういうことだ?
「こちらへと来る前の記憶が全くなくて・・・・、物心ついた時から私は執事のコンスタンチンの養女としてここで育てられてきたのです」
「でも、クラウディアさんは正直この世界怖くないのですか?この世界ってモンスターとか変な魔女とか結構いるでしょ?俺も比較的攻略しやすい北部地方へ行っているけど、やっぱりオーガとかオークとか悪い魔女とかいっぱいいるし、奴らには人間の倫理なんか通用しない。あまりこんなとこで言っちゃだめだけど食われた人の遺体も見たし、明らかに暴行された女の人の遺体も見た。俺も正直怖いことが最近多い。いくら安全なこことはいえいつ魔王軍が攻めてくるか分からないし・・・」
「それは心配に及びません。なぜな・・・・」
「※※!!!※※※※※!!!!!!!!!」
ドオオオオォォォォォォォンッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!
「キャアアアアアああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
意味不明な怒鳴り声が表通りに響き渡り、爆発音と悲鳴が通り全体に響き渡った!!!




