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第14話 追撃

ようやく表通りへ戻って来れた。


さて、ベルリオーネさんの言ってたギルドはと・・・。


すると、俺の背後から猛烈な勢いで追いかけてくる何かを感じた。


「・・・・待ちなさい・・・・・」


例の露出度の多いビキニアーマが表通りへ出る路地入り口手前で目の前に立ちふさがった。


「あんた、キョトンとして戦意喪失したんじゃなかったのか?」


「・・・ミス・シュヴァルツ様を返せ!!!!!」


「返してほしけりゃ金貨を払え」


俺はハッタリをまたかます。


さっきまでの無表情とは異なり、主人を捕虜にされたせいかこの少女明らかに焦っている。


「・・・金を払えなどという要求を拒否する・・・・」


「覚悟!!!」


少女は脇差くらいの刃渡りを持つ腰のショートソードを抜いて襲い掛かってきた。


俺は買ったばかりの剣を抜いて少女の剣と切り結んだ。


そして、力任せに前蹴りをかまして突き飛ばす。


「ぐっ!!!!!」


後ずさりする少女。


だがゴミ箱に激突する前に踏ん張りやがった。


スピードはかなり速いが、狭い路地ゆえにその機動力を生かし切れていない。


俺は魔法が封じてあるという触れ込みの剣から攻撃魔法を出そうと考えた。


えっと。


剣から魔法を出すのってどうやって使うんだっけ?


まだベルリオーネさんから使い方を指南されていないから正直どうすりゃいいか分からん。


アークティスクリンゲには氷属性の魔法が封じてあるって言うからその属性の魔法だろうが・・・。


とりあえず我流でやってみる。


「アークティスクリンゲ、唸れ!!」


適当に叫ぶ。


すると、刀身から吹雪と氷の針が生成され、目の前の少女へと襲い掛かった。


「くっ!?」


少女は狭い路地の両サイドの建物の壁を蹴って上空を左右に飛びかうように移動して俺の攻撃をギリギリかわしたが、部分的に吹雪で足の部分が凍り付いた。


「それはなかなかの魔剣。どこでそんなものを・・・?」


「今日買ったばっかりだ」


軽く適当に唱えただけである程度の吹雪とかが出るか。


ただ、これが全力なのかはわからん。


「ならば私も手加減はしない」


「魔の深淵よりいでよ!!」


シュヴァルツと同じ闇属性の攻撃魔法か!?


マズいな。


狭くて隠れる場所がない。


剣から出る魔法じゃまだあの攻撃魔法には対抗できないだろう。


どうする?


魔力は俺にも多少はあるのだろうが・・・?


どう使えば?


“魔法は人を自由にするものです。一つのことにとらわれてはいけません”


ベルリオーネさんはそんなことを言っていた。


ならば自分の心のおもむくままに頭にえがこう、自分のイメージする魔法を。


目の前の敵を征伐する方法、その手段として魔力を発動したい。


頭の中でストーブに点火する映像が昔の記憶から引き出された。


古くてレバーを下げるだけでは点火せず、マッチで直接点火するのをばあちゃんちでやった記憶をふと思い出したからだ。


すると、何か頭の中心が熱くなってくる。


この頭の中心のもやもやが多分魔力かな。


幼稚園の時初めて補助輪なしで自転車に乗る直前と同じような感じがする。


ではまずこの魔力を・・・・・。


そう言えば・・・・。


俺は後ろの女の腰についている魔力貯蓄用の印籠、正式な名は聞き忘れた、の一つに意識を集中し、一気に魔力がいっぱいになるイメージを浮かべた。


すると、少女の腰の印籠?がだんだん赤く光り始めた。


だが、少女は両手に攻撃魔法を放つために意識を集中して気づいていない。


俺はそのまま印籠に魔力を限界を超えるまで一気に送り込むようイメージを集中した。


「死ね!!デュンケルハイトヴェっなっっっ!!!!!」


彼女があの黒魔女と同じ魔法を放つ直前に少女の腰の印籠が爆ぜた。


ドギュゴオオオオオオオオッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!


すさまじい地響きとともに印籠は破裂した。


俺はすぐに後ろを向いてそのまま表通りに走った。


後ろは振り返らない。


どのみちあの衝撃では防御ができても大ダメージは必死であろう。




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