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ターン3 魔王キエタと魔王ウィング

『魔王をとらえ、ポーションを我が物とするのだ!』


 宇宙船がいくつも空に並び、宙行蟲と睨み合う。

 どうやら、ポーションによるお土産作戦で、魔王>>>地球となってしまったらしい。


 魔王ウィングからの援軍の宙行蟲もいるが、正直言って不安だ。

 巨大な虫と宇宙戦艦だ。普通に考えて、後者が買って当たり前ではないだろうか。


「随分と心配しているみたいだけど、大丈夫。不安なら君が出たら?」

「私が?」

「そう。狙いは魔王様だから被害が他に出ることも無くなるし、一石二鳥かと」

「しかし、私が戦闘なんてできるはずがない」

「出来るよ。ほら、魔王ウィングもきている」


 確かにそこには困惑顔の魔王ウィングがいた。


「やることは簡単。手を翳して思い切り力を込めればいいんだよ。ほら、外へ出て」

「宇宙で生きられるはずっ」

「君は魔王だ。いい加減、理解しなよ。魔王キエタ様」


 そして、あろうことか宇宙に放り出される。


 息が……っ



 そこで、私は気づいた。


 なんだ。



 呼吸なんて私には必要なかったのだ。



 宇宙船に向かって、力を放ってみる。


 すると、光球がすごい勢いで宇宙船を貫いた。


「!??」


 宇宙船、大破である。大騒ぎをしている。

 やってしまった。命を奪ってしまった。体がガタガタと震えた。


 だが、相手は次々と襲ってくる。

 無我夢中で戦った。

 ウィングも加勢して、気がつけば宇宙船団は撤退していた。


 ポーションなんて、交渉してくれればいくらでも売ったのに……。

 私達はとても悲しい気持ちになった。


 月基地まで撤退すると、私達は歓声を持って迎えられた。


「魔王様万歳!! この調子で地球まで攻め込みましょう! 緑が恋しいです!」

「襲撃はしないよ!? でもまあ、地球への定期便は用意しようか……」


 魔王ウィングは商売に集中するようだが、通販業への進出は国に禁じられた。

 そりゃショップを使えば通販は最強だろうが、それでは他のお店が潰れてしまうとのことだった。

 あと、税金の問題も。


 私はといえば、助手と研究に戻る事となった。

 研究は国も支援してくれるらしい。


 研究によると、魔力に適応したあと魔力の源である魔王がいなくなると、魔力枯渇による体調不良というとても大きな被害が出ることがわかった。これはフェアリーであるアレンの証言も取れている。


 魔王達を追い出し、私もこの地を去るか、誰かが永住するか。二つに一つだ。

 しかし、そんなの考えるまでもない。


 私もウィングもこの国を愛しているのだから。


 エイリアンとの交渉は無事、国が纏めてくれた。

 

 後は和国が落ち着いてくれればいいのだが。


 魔力の嵐が、和国で吹き荒れようとしていた。

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