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ターン2 魔王ライトシャドウ

「侵入者が来たみたいだね。惑わしミストを突破されたわ」

「へぇ」


 訓練にイチャイチャ。やれることの確認。

 すべきことは沢山で、今はジャーシンショップでどの民衆セット、あるいは軍団セットを買おうかと頭を悩ませている所だった。

 国を名乗るなら、あるいは守りを固めるなら民は必要だ。

 城の維持もある。


「決めた」


 雫族と魔族、符族の民衆に武族の軍団、勇軍団と獣軍団。さらにショップアイテムセットをいくつか。


 侵入者が来ると言うのなら、それを魔王らしく身だしなみを整えて迎え撃ってやろうではないか。


 それから、俺はワクワクと客人を待った。

 とうとうお客様が来た。


 左に勇族。右に獣族の軍団を配置してお出迎え。もちろん、装備は部族だ。


 殺気の中を、ガクブルしながらも侵入者は進む。

 俺はというと、俺のメイン武器であるユミコを手の内で弄びつつ、本日の護衛嫁、蟲族のキリーを侍らせていた。

 ちなみに真の姿である。全裸の心! 服は着てるけど!

 そして、目の前にいるのはどれとも当てはまらない人外だった。ふむ?


「よく来た。我が名は魔王ライトシャドウ!」

「きさ、いや、あなた様にお聞きしたい。今目の前にして、はっきりわかった。貴方様は妖魔ではない。何者だ?」

「妖魔。前も聞いたけど、妖魔ってなんだ?」

「はるか昔から、和国と敵対していた闇に住まう生き物だ」

「そうか。俺はジャーシン様に選ばれし5人の魔王が1人。おそらくは古の魔王を楽しませる道化師」

「道化師? 馬鹿な、ジャーシン様とは」

「とても偉くて気まぐれなお方、だと思う。まあ、ジャーシン様と古の魔王は特別と考えてくれればいいよ」


 そして、俺は足を組んで聞いた。


「で? お前達は何を望むんだ?」

「我ら妖魔を束ねるものも、魔王と呼ばれる。魔王候補は3人。そして、そのうち魔王になれるのは1人だけだ」

「ふぅん」

「我が魔王を、後見してほしい。我が魔王は未だ幼い」

「俺にとっては、人類も妖魔も乗っ取るべき対象にすぎないんだけどな。なにせ、俺は新たなる生態系だ。首の短いキリンは滅んだ。そうだろ? それとも、俺になんか得ある?」


 後ろに庇われていた幼女が飛び出した。


「お兄様! どうか私を妹にしてください、お兄様! お、お兄様のお言いつけならば、なんでも従います!」

「お兄様! お兄様か。いいな! 俺に絶対服従と言ったな」

「は、はい」

「なら、魔力を受け入れて生き延びろ。進化しろ。そうしたら俺の配下にしてやるよ」


 無遠慮に、傲慢に。俺はマジカルストームを使った。


 どうやら、妖魔は魔力に対する親和性が高いらしい。


 幼女は真っ黒な羽を生やしていった。


「これでどうでしょうか、お兄様」

「シズク。妹の世話をしてやれ」

「かしこまりました」


 雫族の嫁は頷く。


「キリー。戦の準備を。まずは訓練からだな」

「どちらを攻めますか」

「二体の妖魔の魔王だ」


 せっかく領地ゲーなんだから、戦争イベントもしないとな。


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