宮森華のストレートヘア
「華―っ、起きて。そろそろ朝ごはんだよ」
宮森華は頬にピタピタと何かがぶつかる違和感があった。
「う、うーん」
華はまだ眠気を感じていたが体は軽く爽快だった。ぼんやりと眼を開けるとピンクのワンピース姿の美冬が茶色い髪をブラシでといていた。
「美冬・・・・? あれ、どうして渡辺美冬がここにいるの?」
「フフフッ、よっぽどぐっすり眠ったのね。華、ここは高梨君のお家よ。ゲストルームだけど」
「えっ! 尊君のお家? んん? あっ、そういえば白石先生、死んじゃったんだ・・・」華は長かった昨日のことを思い出した。そして大きなため息をついた。
「華、あまり高梨君たちを待たせるのは良くないのでは?」
「アッ、そうだね。よし、起きるぞ! あれっ? なんか下の方がスカスカして変な感じが。ん、私は下着を・・・」
「華、あなたの下着は昨夜洗濯して乾燥機に入れて干してますけど。それからTシャツとハイソックスも」美冬は笑っていた。
「アレーッ! そうだった。美冬ぅ、どうして君は下着の着替えを持ってきたの? 予知能力でもあるんじゃない?」華は頬を膨らませながら着替えをした。そして顔を洗い、黒髪をポニーテールに括ろうとした。美冬は華の手を取った。それから彼女の黒髪をブラッシングした。
「美冬?」
「宮森華さん、今日はストーレートヘアで高梨君のお相手をしたらどう?」
「えっ、駄目だよぅ、似合わないし。それに動きにくい」
「華・・・、私もあなたも白石先生のことはショックだったね。高梨君も先生が池で亡くなったことはショックだと思うし、責任も感じているのではないかな」
「でも、それは先生の問題であって尊君には責任がないと思う」
「昨夜、華も同じことを言ったよ。私が高梨君のお家に先生を呼ばなければよかったと」
「うーん」
「あなたのチャーミングな髪型を見せれば高梨君も元気になるんじゃないかな?」
華は黒い眉を寄せてしばらく考えた。
「うーん、分かった。そうする! でも本当にこの髪型似合っているのかなぁ」
「大丈夫、大丈夫」その時、華の携帯電話の着信音パッフェルベルのカノンが鳴った。
「アッ、尊君、おはよう。うん、今から昨日の大広間に行きます。朝ごはんまでご馳走になるなんて、申し訳ないなあ。うんうん、分かった、ありがとう。じゃあ、またね」華は数秒間、携帯電話の画面を見た。
「華、行きましょう」
「うん、行きます!」
美冬はゲストルームのドアを開けた。




