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今回は多い

 はいはい。僕です。本拠でごそごそしたいのにいろいろしなくちゃいけなくてまた飛び回ってました。一仕事…二仕事…とりあえず大きな物は何とか解決。北方と『不破の森』の件であちこち飛んでいたけど、周りからも請われてしばらくは本土に常駐することになった。力による制圧や僕が出た方がよかった事案の次は、新たに僕の子として生まれら子供達にある。今回は多かった。生まれた時間は少しずつ違うとのことだけど、機密工房班長と彼の弟子の話では同じ日に生まれたらしい。

 今は僕の屋敷の談話室で机の上に居る四体の名前を考えている。

 僕の子らも名前が増えてしまい、名前を考えるのも大変だのだ。名前ならゴロとか語感でいいのでは? と思われるかもしれないが、意外と名前と言うのは馬鹿にできない。名前はその者の傾向を示す最初の指標だ。なのであまりにもキラキラした物は好まれないし、できる限るこの子達の力に寄るようにしてやりたいのだ。

 今回生まれたのはヤモリ二体。ヘビ二体。ヤモリ二体は僕に対し興味津々。ヘビの片方は僕の事お構いなしに食事中。もう一匹のヘビも僕のことなど関係なく昼寝してやがる。クレステッドゲッコーとガーゴイルゲッコーの二体。カリフォルニアキングスネークとメキシカンブラックキングスネークの二体。どうしたもんかね。


「今回は一気に4体も生まれたのね」

「みたいだね。確かに数が増えるて管理してもらえる子が増えるのは嬉しいんだけど……」

「ならばこの子らが母として認めた者につけさせればよいのではないか? 旦那様が付けねばならぬワケでは無かろう」

「そうだね。そうしようか」


 最初に動いたのはスペアリブにむしゃぶりついていたカリフォルニアキングスネークだ。動いた先に居たのは、自身も骨付き肉にかぶりついていたジュネ。もうこれは決まりだろう。今回の子の行動で判ったのは、魔法特性だけで僕の眷属が母親を決めている訳ではないのだという事。ジュネは光属性の魔法と異能の特化型だけど、目の前の個体には一切光魔法に関係する魔法の特性はない。驚くことに、こいつには『時空魔法』の特級がついていたのだ。ジュネは肉に齧り付きながら視線を左右に振る。ちゃんと考えているらしい。ちなみに性別は女の子である。そして、決まった名前は『クロノーサ』となった。嬉しいのか頭をフリフリしながらスペアリブを新たに食べ始めた。……うん。これは親子?だ。

 二体目のヘビでメキシカンブラックキングスネークの方は呼びかけたら起きた。……誰を選ぶのかと思いきやスミオの首にシュルシュルと巻き付いて頭を揺らしている。それもそうだろうね。この子はまさかの『爆破魔法』の適性スキルと隠密系のスキルも持っている。完全に僕やスミオに寄っているのだ。この子は男の子だが……。さて、スミオはどういう名前を付ける? 二体目の名前はケイオスとなった。


「今回はヘビが二匹とヤモリが二匹。ヘビの二匹は凄く特殊ね~」

「そうだね。一極特化は最近はコンゴウだけだったけど、今回は二匹がいきなり一極特化だからね」

「ただ、さすがに爆裂魔法ではなかったわね」

「考えようによっては爆破魔法の方が強いけどね。さて、ヤモリ組もそろそろ決まったかな?」


 ヤモリ組は意外と話す。二体で相談していたのか、どの妻がどの特徴を持つかで選んでいるようで、情報共有しているのが見て取れた。そして、先に大ジャンプしてその顔面に張り付かれたのは淫魔族のセレナーデだ。ビックリはしているがこれが愛情表現というか……、挨拶のような物だと思っているようで怒らずに手の上に乗せる。それからは大人しく命名を待っている感じだ。この子は光と闇の上級適性がある上で隠密に秀でている。イオに近いところがある。名前はアフラ。

 そして、最後。最後の個体は……ガーゴイルゲッコーで、彼女が張り付いたのはカサブランカだった。名前はマンユとされた。この個体も光と闇の上級魔法適正があり、この子もイオに近いところがある。樹上性ヤモリの特徴なのか?


「クロノーサ」

「は~い」

「ケイオス」

「よろしくお願いします」

「アフラ」

「よろしく、お父さん」

「マンユ」

「よろよろです」


 そこからは四体の意見を聞いて、修行の場所を決めた。

 この四体は比較的どこでも働ける。まぁ、ケイオスに関してはかなり攻撃よりのスキル構成なので、今後の生活次第なところはあるけど、前線配備がいいかもしれない。クロノーサに関しては魔法の中で一番利便性が高い代わりに暴発しやすい時空魔法の特化型だ。最初はディオ達の時空龍達に預けて練習させた方がいいかもしれないけど。

 ヤモリ組は僕が問う前から行きたい場所は決めていたようで、揃ってイオの所に行くと声をハモらせた。アフラとマンユに関してはそれでもいいだろう。光魔法に関しては隣に居るアポロンにも教えてもらえるからあそこなら特に問題もない。なので、ヤモリの双子は今度イオが来た時に行かせるように手配。近々報告に来る予定だし。

 で、改めて問題のヘビの2体。クロノーサはディオの提案で彼女のお母様であるティティさんにあづけられることになる。ティティさんはもうここに住み着いているらしい。龍の居住区で子龍の教師をしながら日々を楽しく過ごしているとのこと。そうなると、爆破系の魔法を教えられるのが僕しかいないので、しばらくは僕と過ごすことになりそうだね。という事で、新たに生まれた四体の配置や進路も決まったので、今日はスルトに調査を依頼された物を調べる為、ここに居る長命だったり造詣の深いメンバーと話す。


 ~=~


 それは現在スルトの所に居着いた僕の元分体『採掘クロ班長』が掘り当てた未知の鉱石だった。いい機会だから話しておこう。余談になるけど、僕の分体でも最古参の連中。アイツらいきなり人化できなくなり、蜥蜴姿でしか行動できなくなった。そして、僕が分配していた分の魔素やステータス要素が帰って来た。つまり連中は完全に僕から独立したのである。何がどうしてこうなったか解らないが、迷宮の外にも出れるらしいので、今ではいろいろしているらしい。ただ、僕程強くはないので、無理はしないように厳命しているけど。

 余談はこの辺で。それで、採掘班の班長をしていたヤツが掘り当て鉱石なんだけど……。僕レベルの鑑定魔法も弾いた。完全に読み解取れないという事もないんだけど、木炭色で光沢があり、えげつなく硬いが、延性は低く思い切りつるはしで叩くとわれる。それこそ卵の殻みたい。ガラスのような鋭利な割れ方はせず、ボロッと崩れた。突き崩しには弱いがハンマーなどでの殴打には強い。土のように締まる感じの性質があり、熱にも強い。魔力の透過性としてはかなり高い。それでいてそこから放出しないという変な特徴もある。砕けば断面から一気に放出するけど。


「へ~。叩いて固めたところからは魔力が漏れ出さないのね~」

「コスモは見た事あるかえ? 私はないんじゃが」

「ない。そもそも鉱石には詳しくない……。けど、隕石でもないと思う」

「私もこの鉱石は見た事ないですね」

「私もない。全くの初見」

「ツェーヴェはどう?」

「解ったわ。これ、これまで完全に未発見の金属よ」


 全員がツェーヴェの言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった。その中で最初に立ち直った僕がどうしてそれが解ったかを聞いてみる。僕の鑑定魔法では見れないのだが、ツェーヴェの鑑定魔法では物体や様々な物の細かいところまで選択して見られる。ツェーヴェ曰く、この世界で未だ誰も見つけていない物には名前や様々なデータがないので、普通に鑑定しても空欄ばかりで鑑定の意味をなさないらしい。しかし、ツェーヴェの鑑定はその細かい組成まで見られるので、それをツェーヴェの膨大な知識と照らし合わせた答えから新しい鉱石だと判断したという。それこそ魔素の段階から新たな組み付きをしている鉱石とのこと。

 採掘班長の話ではかなりの埋蔵量らしい。どうする? ……と聞かれるが、これは据え置きで。僕も調べないと解らない。それから、採掘班の数名でそういう新しい鉱石や素材の探索を頼んだ。絶対出てくると思うので。これはスルトの願いの関係がありそうだな。

 迷宮は迷宮主の思考により変化する。スルトのが管理している『豊穣の迷宮』は地表の一階層は幻獣族が住まえるレベルで大地の魔素に満ちている霊域。作物の成長速度や品質、寿命に軒並みバフをかけるという。その上で地脈の魔素を調整できる樹龍が多く住み着いている。あそこはもう天国のような農園らしい。地下一階の居住区や温泉街、酒場街があり活気もあれば、地下二階からは各工房や生産施設。地下三階には仕分け場や精錬所など施設。そこから下には3つの大鉱脈がある。まず魔鉱脈、通常の鉱脈、魔晶鉱脈があり未開の場所も多い。特に鉱山区画は遭難者が多発していたので、あまり深入りする者はいない。ただ、環境適応の外套を纏った僕なら大丈夫だったので、彼らに任せようと思う。魔晶鉱脈は上手くすれば魔法石も出て来るだろうし。


「僕は並行して金属の性質調査と実験をするよ。見つけたら入口付近に放り投げといて。他の種族に持ち帰ってもらうから」

「おけ……。おいら用のトロッコ作ってええかいや」

「いいよ。どうせ普通の種族だと入れないし。君ら自身も分体作れるんだろ? というか、新種族になってるんだったら説明してくれよ」

「んや~……別に必要ねぇべ。おいらはただ堀り仕事が好きなだけだぁ~。そんじゃ、頼んだべ、クロよ~」


 まさか完全に別の存在になっているとは。眷属として登録はされているけど、数が多いので全部の把握はできないけれど、初期の100匹の殆どが自我に高い知性を獲得している。まぁ、悪さをする訳でもないし、ほっとこうか。

 僕も興味のあるメンバーを伴い、僕の工房で実験を開始する。調査の内容も多いのでいろいろせねばならないから、僕の機密工房班長以下6名の班員に協力をお願いし、前掛けに白衣というよくわからない服装の黒蜥蜴が走り回る。手数が増えたのはいいんだけど、これはちょっと予想外だな~。


 ~=~


・成長記録→経過

クロ

オス 生後半年(210日~215日)

伴侶 エリアナ・ファンテー

身長130㎝

全長17㎝……身長12㎝

取得称号

~取得済み省略~


取得スキル

~取得済み省略~


 ~=~

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