7/233
給食始まる
「わーい!飯だ!」
まわりの連中は気楽でいい。こっちは、血の滴る肉が食いたいのに、出てくるのはぱさぱさしたパンとかいうやつと、しょっぱいスープにすっぱいサラダ。こんなもんで力がつくわけがない。だから人間には魔力がないんだ。
しかし、こんなんでも食べなければ死んでしまう。いまのレベルでは、魔界に戻ってもスライムにも勝てない。
六年生というキャリアが長いだけの連中がやってきて準備をする。保育園で学んだ。お前たちは教員の手先だ。実質、この学校に君臨しているのは五年生ってやつらだ。やつらは大きい。まだまだ力ではかなわない。
「ダイ君。ピーマン残しちゃダメですよ。」
タンニンごときがうるさい。魔力が戻ったら、お前を真っ先にピーマンにしてやる。
「ピーマンなんて大っ嫌い!」
「人参も残ってますね。いけませんね。人としてどうなんでしょ。」
いや、俺、魔王だから。手違いで、こうなっちゃったの。
「すべての食材が無くなるまで、遊べませんよ。」
こうして、贖罪との戦いの日々が続いた。