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ダイ・マオ。保育園に入る
「今日から、新しいお友達、ダイ・マオ君ですよ。」
どうにか歩けるようになると、保育園とやらに置き去りにされた。
見るからに、頭の悪そうなガキどもだ。魔界にいればこんな連中は豚にしてやるのに。
「マオちゃん。ほら、こっちですよ。」
一人の女のガキが手を叩く。
「か、体が勝手に進む。」
悲しいかな、その音の方へと歩き出してしまう。
やがて、男連中が寄ってたかって、突っつき始める。
「エーン。」
悔しくて、思わず泣いてしまった。
「だめでしょ、いじめちゃ。仲良くね。」
中年のこぶとりのおばさんが割って入る。全員まとめてカエルにしてやるところを。
日が暮れると、迎えが来た。家では夕飯と風呂と寝るだけの日々。
「ワインは?ステーキは?」
目の前にあるのは、そまつな白い粒の集まり。味も薄い。こんなまずいものでも、ぱくついている自分がなさけない。