第8話 魔王様.....マジでございますか
この2人の会話はセリフだけの方が面白みが出ますね笑
もはや恒例となりつつある魔王城最上階
これまで通りそこでは魔王とその配下が大きな水晶を見ている
ただ1つだけ、これまで通りではない点があった....
それは.......
....................
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.....
魔王「.......おい」
魔王の配下「はっ、如何なさいましたか?魔王様」
魔王「....................眠いんだけど」
魔王の配下「.....はい?」
魔王「いや、だから.........めっちゃ眠いんだけど」
突然何を言い出すかと思えば急に眠いと言い出した魔王
返答に困った配下はとりあえず.....
魔王の配下「それでしたら、お休みになられてはいかがでしょう?」
眠たければ寝る
誰もが認める返答であると自負した配下だったが.....
魔王「いや、そうじゃないだろう」
.....どうやら違うらしい
魔王の配下「これは失礼致しました。では、如何様になさいますか?」
魔王が何を言いたいのか分からず答えを尋ねる配下
魔王「....例えば、お前は新しく放送が始まったアニメの第1話を見たとする。」
やだこの人急に例え話出してきた.....
なんて口に出す訳にもいかず、素直に耳を傾ける配下
配下「はっ、それでその次は?」
魔王「お前はそのアニメの第2話と第3話を見逃したとしよう」
配下「見逃してしまうのですね...」
何を言いたいんだこの魔王様は.....
魔王「お前はそのアニメの第4話を見ようと考えるだろうか......否!!考えない!!!」
配下(........なぜに反語)
魔王「つまり私の言いたい事はそういう事だよ」
配下(つまりどういう事だよ)
いつまでたっても理解を示さない配下に魔王は.....
魔王「なぜ分からん、私が眠ると話の続きが分からなくなるだろう?その事を言っているのだよ」
配下「.......あ!そういうことでしたか!」
ようやく理解する配下
そう。魔王のこの暇潰しは完全リアルタイムだ。
故に、見るのを辞めればその分だけ話が分からなくなってしまうのだ。
配下「それでしたら、魔王様がお休みになられている間私が.....」
魔王「ナシだな!」
配下「........ナシでしたか」
配下「それでしたら、いっそ眠らないというのは.....」
魔王「おい」
配下「?」
魔王「...................眠いんだけど」
配下「あ、ダメだこれループするやつだ」
なかなか良い考えが浮かばない
そこで再び魔王の悪い癖が出てくる
魔王「時間を止められれば楽なんだが、デ○オのザ・○ールドみたいな能力があればな....」
配下「魔王様、その考え方は色々とアウトでございます」
魔王「どこかの魔法少女みたいに砂時計の入った盾を操作するだけで時間止められればな....」
配下「ですから魔王様、その考え方は色々とアウトでございます」
なかなか解決策が見つからずにただ時間だけが過ぎていく
すると、しばらく経って魔王が.....
魔王「.........あ」
魔王が何か閃いたようだ
配下「何か妙案が思い浮かんだのですか?」
思わずそう尋ねる配下
魔王「1つだけ決めかねていた事があったのだ.....」
配下「決めかねていたこと.....でごさいますか」
魔王「うむ、あの者|(杜若勇魔)には2つの役目を与えると言ったのは覚えているか?」
そう言われて配下は頷く。
配下「はっ、確かに魔王様はそう仰っておられました」
魔王「まだあの者には『勇者』の役目しか与えておらんのだ。2つ目の役目をいつ与えるか考えていたのだが.....」
配下「その2つ目の役目を与える時を決められたのですか?」
魔王「その通りだ、今決めたことだ」
配下「それで.....具体的にいうと....?」
魔王「まあ待て、1度整理する」
そして順番にこれまでの事を振り返る
魔王「あの者には『勇者』サイドからスタートさせた、その方が色々と面白そうだったからな。」
配下「はっ、その通りでございます。」
魔王「そして、あの者に2つ目の役目を与えるためにはあの者を『魔王』サイドへと移さなければならないのだよ」
配下「.....確かに仰る通りでございます。『魔王』が『勇者』サイドからスタートするのは些か不自然にございます」
魔王「それだ、問題はいつあの者を転移させるかだったのだが.....それをさっき決めたのだよ」
配下「そうでしたか、....それで.....いつに?」
ようやく答えを聞くことができると配下は興味津々で訪ねる
しかしその答えはあまりに安直なものだった.....
魔王「.....私が眠る時だ」
配下「...............はい?」
魔王「だから.....私が眠る時だ」
配下「お言葉ですが魔王様?そんな重要な事をそんな安直な理由でお決めになられるのですか?場合によっては話の展開に大きく関わってしまいますが.....」
そう。魔王は今、杜若勇魔の立ち位置を己が寝るからという理由だけで動かそうとしているのだ
さすがにやめた方がいいと説得を試みる配下だったが.....
魔王「いやだって......めっちゃ眠いんだもん」
配下(子どもか!)
思わず呆れる配下
しかし、配下は立場上魔王の意向に口を挟む事などできるはずもなく、またどうにでもなれという感情からすぐに説得をやめた
配下「さすが魔王様でございます!とても良い案でございます!」
長いものには巻かれろとはこの事だろう.....
魔王「とにかく、私は眠くて仕方がない。お前も部屋に戻って休むといい。」
そういって魔王は1度、指を鳴らした。
配下「魔王様、今のは?」
なぜこのタイミングで指を鳴らしたのか分からない配下
しかし魔王は当然のように言い放った
魔王「何を言う、たった今あの者を転移させたのだよ」
配下「さ、左様でございましたか....」
配下(........マジで他人事じゃなかったら大変だわ)
目の前の魔王の軽率で豪快な行動にはこれからも振り回されるのだろうなと考える配下だった..........
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作者への質問コーナー!
Q. そろそろ魔王とその配下の名前が知りたいので教えてください。
A. 魔王の名前は一応用意してありますが、出すタイミングを逃してしまい、そのままになってます笑。配下の名前はそもそも考えてません笑