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Double Role~異世界魔王の暇潰し~  作者: 遊座 音無
6/17

第6話 俺は信じるよ

キャラクター紹介はもう少しだけ後に回します!


今回の話からイケメンが登場!





勇者。



それは様々な使命を背負う者を指す。



魔王を倒して民の平和を取り戻す者。



魔王を倒して攫われた姫を取り返す者。



神〇様をバー〇ックスの侵攻から守る者。



などなど



それは世界によってバラバラである。



そしてこの世界の勇者もまた......





....................


...............


..........


.....




午前12時 王宮 謁見の間



現在、勇魔・ルミナ・セリアの3人は王宮の中にいる。



王の勅令に従いこうして王宮まで足を運んできた.....のだが....



勇魔「(..............おそくね?)」



ここに来てから既に20分は経っている.....



しかし呼び出した国王本人がいつまでたっても姿を現さない....



勇魔「(ねえルミナ.....国王に会うのっていつもこんな感じなの?)」



ルミナ「(いえ、そんな事はないと思うのですが.....)」



と、聞かれたルミナも不思議そうだった



ルミナ「(.........あ)」



ここで1つ、ルミナに嫌な予感が......



その予感が的中しない事を願いつつルミナの隣にいる女の子、セリアの方へと視線を移す。



そのセリアはというと、さぞ面倒くさそうに体を左右に振りながらボーッとしている。



ルミナ「(ねえ、セリア?まさかとは思うけど...)」



恐る恐る問いかける.....



ルミナ「(また(・・)時間間違えたりしてないよね?)」



勇魔「(ん?.....また(・・)?)」



するとルミナに問われたセリアは......



セリア「(心外だなー、もう昔の私じゃないんだから間違えるはずないってばー)」



セリア「(....................たぶん)」



やはりこの子は語尾にタイムリーな本音がダダ漏れだ.....



勇魔「(これは確信犯だな.....)」



時間を間違えたのはほぼ確定だろう...



勇魔とルミナが途方に暮れていると.....



???「(久しぶりだね、ルミナ)」



いつの間にか入口の扉の前に一人の青年が立っていた。



背丈は勇魔とほぼ同じだろうか。銀髪の髪が似合うイケメンフェイスに、セリアと同様制服のようなデザインの白を基調とした服装。日頃から鍛錬を欠かさずに行っているのであろうその肉体に無駄な脂肪などなく、服の上からでは分かりづらいが、その引き締まった筋肉がそれを物語っている。



ルミナ「(サルヴァさん...お久しぶりです...)」



サルヴァと呼ばれたその青年はルミナの元へ歩み寄ってくる。



そして勇魔の方へと視線を移し......



サルヴァ「(はじめまして。僕はサルヴァ・トールン。勇者兵団の団長を務めているんだ。)」



と、自己紹介を簡単に行い、握手を求めてきた。



勇魔(あ、握手の文化は普通にあるんだ......)



そんな事を考えながらも握手に応じ、サルヴァの手を取る。



勇魔「(はじめまして。俺の名前は杜若(かきつばた)勇魔(ゆうま)、勇魔でいいよ。)」



サルヴァ「(よろしく、ユーマ。.......さてと)」



互いに自己紹介を終えると、サルヴァは背後をひっそりと通り抜けようとしているセリアの方へ視線を向ける。



サルヴァ「(セリア、後で始末書を書いもらうからね。)」



セリア「(ちぇーまたかー........あーめんどくさーい)」



ここで1つ気になったことをサルヴァに問いかける。



勇魔「(ねえサルヴァ、セリアってもしかして..)」



半分くらいは信じられないけど、服装から見るにこの予想はたぶん当たっている。



サルヴァ「(うん..君の言いたい事はよく分かるよ、まさかって顔してるもんね)」



苦笑いになりつつも話を続けるサルヴァ。



サルヴァ「(でも彼女も立派な勇者兵団のメンバーだよ。彼女には副団長を務めてもらっているんだ)」



勇魔「(副団長!?.....セリアが!?)」



ルミナ「(それで...サルヴァさん...なぜ..あなたがここに?)」



勇魔が素っ頓狂な声で驚いている隣でルミナが話を先に進めようとする。



サルヴァ「(実はさっき国王から君達に向けての伝言を頼まれてしまって、僕はそれを伝えに来たんだよ。)」



サルヴァ「(勅令って言われちゃうと来るしかないよね)」



勇魔「(勅令ってそんな気軽に使える物なのか......)」



サルヴァは苦笑いで誤魔化しているが、どうやら国王は結構人使いが荒いようだ。



ルミナ「(伝言....ですか?)」



サルヴァ「(うん...1つ目はユーマに対する謝罪だよ。てっきり14時だと思っていたら12時だったなんて....本当に申し訳ない.....だってさ)」



勇魔(あれ?セリアが時間を間違えたのに、いつの間にか国王が間違えたことに?........)



何となくいたたまれない気持ちになってくる...



サルヴァ「(そして2つ目は、これからユーマにやってもらわなくちゃならない事だね。)」



勇魔「(俺に...やってもらわなくちゃならない事?)」



ここまでくればもう大体の予想はできる。



勇魔「(勇者の.....やるべき事?)」



確認のためにもサルヴァに尋ねる.....



サルヴァ「(その通り。君はこれから魔王を倒すための旅に出ることになる。これは揺るぎない事実だ。)」



勇魔「(やっぱり俺が勇者ってことになってるんだよな.....)」



なにかの間違いであって欲しいと願いつつも、今はサルヴァの話を聞くしかない。



サルヴァ「(魔王軍の能力者は5人全て揃っている。人数的にはこちらが不利だが.......)」



と、急に聞き慣れない単語が飛び出し、思わず制止する。



勇魔「(ちょっとまって、その能力者っていうのは?)」



サルヴァ「(あれ?セリアから聞いてない?)」



首を横に振る。



サルヴァ「(はぁ...セリア..始末書1枚追加だからね)」



セリア「(うぇー........もう帰りたーい)」



どうやら本当だったらセリアから説明があるはずだったらしい。



サルヴァ「(わかった..もういい...僕が説明するよ。)」



そしてその後、この世界の現状、魔王とやらが平和を乱そうとしていること、能力者のこと、そしてこれからやるべき事、諸々の説明を受け、今自分が置かれている立場を理解する。



勇魔「(えーっと、1つだけ俺の意見も言っていいかな?)」



そして諸々の説明が1段落着いた時にサルヴァに尋ねる。



勇魔「(もう分かってると思うんだけど、俺はこの世界の人間じゃないんだ。だから俺はできることなら今すぐにでも元の世界に帰らなくちゃならないんだけど.....)」



言いかけてサルヴァが間に割って入る。



サルヴァ「(そう...そこだよユーマ...君が1番心配する問題だ...それを解決するために、僕達と取引をしないか?)」



勇魔「(...取引?っていうか解決できるの!?)」



元の世界に戻れるというのだ、当然勇魔にとって気になる取引だ。



サルヴァ「(恐らくすぐには無理だ。ただ、僕達も持てる全てを使って君が元の世界へと戻れるように最善を尽くす。だから君にはどうかこの世界を救って欲しいんだ。)」



それはサルヴァの...いや、勇者兵団団長としての頼みだった。



勇魔「(えっとつまり...俺が元の世界に戻れる保証はどこにもないけど、サルヴァ達がその方法をきっと見つけてくれると信じて魔王を倒す旅に出て欲しいってことかな?)」



サルヴァ「(そう...なってしまうね)」



これは取引と言うにはあまりに公平性を欠いていた。



仮に勇魔が魔王を見事討ち倒し、この国に平和を導いたとしても、勇魔が元の世界に戻れるという保証はどこにもないのだ。普通ならこんな不公平な条件を認めはしない...........のだが



勇魔「(わかった...取引成立だね)」



勇魔はあっさりとその条件を呑んで見せた。



これにはサルヴァも、ルミナもセリアも驚いた。



サルヴァ「(本当に良いのかい?もちろん僕達も全力を尽くすが、それでも君が元の世界に戻れる保証はしてあげられないんだよ?)」



しかし勇魔の考えは変わらない。



勇魔「(俺はサルヴァを信じるよ...サルヴァは嘘をつかずに本当の事を話してくれた....その場(しの)ぎに俺を騙すこともできたのにそうしなかった.....だから俺も信じる)」



サルヴァ「(ユーマ...まったく..君ってやつは)」



サルヴァ「(君みたいな人間にこそ、勇者の資格があるんだろうね)」



そう言って再び握手を促してくるサルヴァ。



勇魔も笑顔でその握手に応じて....



勇魔「(これが俺の生き方だからね!)」





今この瞬間、聖都・ルーナイーセで勇者兵団と勇者が手を取り合い、互いを支え合いながら打倒魔王を目指す事が決まった...













セリア「(あー、私こういう男同士の熱い友情みたいなの苦手かもー.........暑苦しいってばー)」



なんて言いながらもその表情はどこか嬉しそうなセリア。



ルミナ「(ユーマさん....なんてお人好しな方なんだろう)」



ルミナの表情にも笑顔が見られる。




こうして杜若勇魔(かきつばた ゆうま)の勇者としての生活が始まるのだった。









ピロリロリ〜ン ピロリロリ〜ン ピロリロリ〜ン



そんな中、突如王宮内に響くどこか気の抜けたメロディ。



勇魔「うぉっ!!ビックリした!...って携帯繋がるの!?」



.....


..........


...............


....................








質問コーナー!


Q. セリアは日常的に時間を守らず人の話を聞き流していますが、あなたはそんな女の子をどう思いますか?



A. かわいいから許す

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