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Double Role~異世界魔王の暇潰し~  作者: 遊座 音無
5/17

第5話 あなたが引っこ抜いた剣は.............

第5話です!


気絶した勇魔をルミアは.....


2人目のヒロインも登場しますよ〜



そろそろキャラ紹介入れた方がいいかな...



聖都・ルーナイーセ



その中心部に位置する大聖堂



聖堂内ではこの日、勇者選定の儀が執り行われていた。



ところがその儀式は魔王軍の刺客により妨害されてしまう。



そして現在、聖堂内には2人の人物がいた。



1人はボロボロの姿で仰向けに倒れており、意識がない状態。



そしてもう1人は..........







ルミナ(とにかくユーマさんをどこか安全な場所に...)



ルミナは焦る感情を押し殺し、今できる最善の選択を選ぶ。



そして、勇魔に倒され消滅した男のいた場所を見つめながら考える。



ルミナ(あれは恐らく魔王軍の刺客....あの男1人だけでこんな事はできない...他にも刺客は潜んでいるはず...急がないと......)



ルミナ「エアーロ!」



ルミナがそう唱えると床に倒れている勇魔の体がフワリと浮かぶ。



そしてそのままゆっくりと聖堂内の隅に運び、傷付いた体を慎重に床に降ろす。



それとほぼ同じタイミングで先程と同じ黒のローブを来た男達が次々と聖堂内へと入ってきた。



ルミナ(やっぱり他にも刺客はいた!...数は....)



巻き込まないように勇魔から少しづつ離れながら、敵の数を確認する。



ルミナ(....6人...この数だったら!.......)



敵の数を把握したルミナは、少し離れた勇魔を背後にこれから始まる戦闘に備えて目を瞑った。



そして手馴れた(・・・・)動きで自らの左腕を体の正面へと突き出し、詠唱を始める。



ルミナ「レーワ・ヲゼカ・ルーベス・ルアデノーモ!」



そして詠唱が終わると、正面へと突き出されたルミナの手には1(ちょう)の弓が握られていた。



ルミナの半身ほどの大きさのその弓は、淡い緑色の光を放ち、まるでルミナを守るかのように周囲を風で(まと)っている。



そして瞑っていた目を開き、その弓をこちらに向かってくる黒ローブの男達に向けて構える。



黒ローブの男達「マサキ....スロコ....」



聖堂内へと入ってきた黒ローブの男達はルミナを囲むようにして陣取り、それぞれが右手をルミナに向けて構える。



ルミナ「..........」



ルミナは動かなかった.....



相手が先に動くのをじっと待つ.....



そして...



黒ローブの男達「レヤ!!」



その掛け声と同時に6人全員が風魔法をルミナに向けて放った!



ところが.....



黒ローブの男「...!?ルイ・テッナウド・ガニーナ.....」



男達が放った風魔法は全てルミナの周囲で霧散していた。



ルミナには傷1つ付いていない。



黒ローブの男「カサマ!.....ワエマオ!....」



ルミナ「エドツ・ノゼカ・キビチミ!」



そして今度はルミナが手に持つ弓を天高く掲げ、再び詠唱を始める。



ルミナ「.....ゲーソソリーフ!!!」



(つが)えられた1本の光り輝く矢が聖堂の天井ギリギリまで放たれる!



そしてその光は空中で停止し、その輝きを増しながら円を描くように大きくなっていく!



黒ローブの男達「イ...イズマ.....ロケ....」



黒ローブの男達が危険を感じその場を退避しようとした時にはすでに遅かった。



ルミナ「ノチノイ・ヲキヤガカ・メザキ....」



ルミナが言い終えるのと同時に大量の光の矢が男達に降り注ぐ!



黒ローブの男達「グッ!....グハッ!...ギャァ!」



男達は為す術もなく数多(あまた)の光の矢に貫かれ、鮮血を散らしながらその姿を消滅させる。



ただでさえ辺り一面血の海だった聖堂内は、今の6人分を追加してその赤色を塗り広げる事となった.....



ルミナ「ガシタワ...ハノモ・タメキトルモーマ...ルセミ・テッモーマ!!!」



....................


...............


..........


.....








???「ユー...さん....私の..武器..と..能力........あなた....に.....」



???「....ナ!!.......!!!」



???「もう...いちど....あなたに会えて..うれし..かった」



???「........!!......ミナ!!!」



???「..............................」



???「うぁああああああ!!!!!!!!」




....................


...............


..........


.....




勇者「..........ハッ!!!!」



また.........あの夢......



あれはやっぱり....俺.....なのか?



この夢は一体.........何なんだ?





.................ていうか



夢の事に気を取られていたが........



勇魔「.....ここ..........どこだ?」



勇魔は真っ白のベッドに横たわっていた。



...........上半身裸の状態で...



勇魔「うおっ!?な、なんで俺上半身....何も着てないんだ?」



その事に驚きつつもなぜこんな状況なのかを確認するために自分が最後に何をしたかを思い出す。



勇魔「たしか..........あっ!そういえば俺....」



そして思い出す。



己が実際に体験した事を.....



あと一歩で殺される(・・・・)ところだった事を.......



勇魔「あの時は必死だったからよく思い出せないけど.....たしか黒いローブを着た変な奴に急に襲われて.......」



そこで勇魔の思考は中断される.....



誰かが部屋の扉をノックしたからだ.....



そしてそのまま扉が開き、ルミナともう1人女の子が部屋へと入ってきた。



ルミナ「(あっ!?目が覚めていたんですね!)」



???「........」



勇魔の傍に寄るルミナとは対照的にもう1人の女の子は扉のすぐ近くで静かに(たたず)んでいる。



勇魔は率直に抱いた疑問を口にする。



勇魔「えっと、後ろの女の子は....」



ルミナ「(あ、すみません。テレパシー使ってもらってもいいですか?なんて言っているのか分からなくて.....)」



あ、そっかテレパシー使わないと....



その事を思い出した勇魔は....



勇魔「(えっと、後ろの女の子は....)」



今度は聞きたいことを頭の中でルミナに問い掛けるイメージで話す。



ルミナ「(あ、紹介しますね!彼女はセリア・レイアース。)」



???「イータリエカ〜、ア・モデ・トゴシ・ルテッコーノ」



面倒くさそうに自分がセリアだと右手を軽く上げて返事をする。



勇魔(何を言っているのかサッパリ分からない!)



彼女...セリアが何を言っているのか、やはりテレパシーを介さないとまるで分からないが、客観的に見て彼女には三つの特徴があった。



1つ目は彼女のその外見の可愛らしさであった。



背中まで伸びるブロンドの髪はまるでどこかのお姫様のように美しく、また透き通った蒼眼がより上品さを(かも)し出している。また、ルミナとほぼ同じくらいの身長だろうか、こちらもルミナ同様まだ僅かに幼さを残す身体付きであるが、胸はルミナの方が僅差で勝っていそうだ。.....



2つ目の特徴は彼女の服装だった。ルミナはなんというか『私服』というイメージの服装であるのに対し、セリアの服装は私服と言うよりは『制服』のようなイメージだった。全身白を基調としており、スカートは短く、少し動けば中が見えてしまいそうな程である。上半身は長袖の羽織(はおり)のようなデザインで上下ともバランスが取れている。一見すると何かのコスプレにも見えるような格好だった。



そして3つ目の特徴、それはギャップだった。見た目はどこかの国のお姫様のように美しくそれでいて可愛らしい。にも関わらずセリアから感じるのは純度100%の面倒くさいという感情だけ。(ことわざ)で言うならば正に『宝の持ち腐れ』となるだろう。RPGで例えるなら、めちゃくちゃ豪勢な宝箱を開けたら中から出てきたのは薬草だった...みたいなイメージだろうか。



初対面の相手にこれだけの印象を覚えたことは1度もない...



恐るべし....セリア・レイアース.....



ルミナ「(...ユーマさん?聞こえてますか)」



セリアの印象が強過ぎて思わず思考が停止していた。



慌ててルミナの方へ向き、何も問題は無いと告げる。



ルミナ「(実はセリアからユーマさんに話しが....)」



言いかけてセリアが間に入ってルミナを制止する。



セリア「セリア・モニシターワ・テレパシー・テケーカ」



セリア「二カージ・スナハ」



ルミナ「....タッカワ・シーコス・ネーテッマ」



勇魔(...?二人で何を話してるんだ?二人は知り合いなのかな?)



などと不思議に思っていると.....



セリア「(あー、聞いて。あなたには国王からの勅令(ちょくれい)が下っているの。.......めんどくさいな〜)」



ルミナのテレパシーを介したのだろう。勇魔に直接話しかけてきた。



セリア「(えーっと、本日午前12時に王宮まで出向かれたまえ..だっけ?.....あーはやく帰りたい....)」



なんだろう.....



セリアという女の子は語尾に感情が出てしまう病気か何かだろうか?タイムリーな本音がこちら側にダダ漏れである...



そんな事を考えていた所にルミナからも話しかけられる。



ルミナ「(えっと、急な話で理解できないかもしれないですけど、普通ならたった1人の人間のために勅令が下るなんてまず無いことなんです。)」



ルミナがわかりやすく説明してくれるおかげで最低限の話にはついて行く事ができている。



勇魔「(......え、まって....てことは....俺は普通じゃないの?)」



ルミナ「(当然です!..だってユーマさんは....)」



ルミナが言いかけた所で再びセリアの制止が入る。



セリア「(あーちょっとまって....まさかこの人自覚してないの?.......マジ?)」



ルミナ「(...うん。あの時はユーマさん必死だったから無理もないと思うよ....だから...)」



セリア「(まって.......分かった....だったら私が言う......マジか....)」



この2人は一体何の話をしているのだろう?



ルミナの説明が無いと話についていけない。



そんな勇魔にセリアがズバッと言った.....



セリア「(えー、勇者(・・)ユーマ...勇者の剣(・・・・)を引っこ抜いたからにはあんたには勇者(・・)として戦う義務と責任がある.......分かる?)」



...勇者ユーマ?.....だれそれ.....







....................え、俺!?



そして淡々と話は続けられる。



セリア「(あなたが引っこ抜いた剣...あれ勇者の証だから...)」



え....まって...俺そんな剣なんて引っこ抜いた覚えは.....



...............あれ、そういえば......それっぽいの引っこ抜いた気が......










セリア「(あなたはこれから勇者(・・)として魔王軍と戦うことになる........おっけー?)」



.....


..........


...............


....................






作者への質問コーナー!


Q. ずっと気になっていたのですが、ルミナ達が話す『異世界語』は日本語に翻訳することはできますか?



A. できます。伸ばし棒『ー』は割と適当に入れていますが、後は普通に読めます。

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