第2話 全ての始まり
前回の『全ての始まりの元凶』はプロローグみたいな感じですので、実質ここから本編スタートですね....ややこしくて申し訳ない...
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???「.....さん....私の........能力.........あなた.....に.....」
???「....!!.......!!!」
???「もう...いちど....あなたに会えて..うれし..かった」
???「........!!......!!!」
???「..............................」
???「うぁああああああ!!!!!!!!」
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ピピッ......
アラームは鳴った瞬間に止めることができた。
普段ならいくら鳴り続けていても起きないというのに。
今朝に限っては違った。
夢を見た。
内容はまるで憶えていないが。
ただ一つ言えることは、とても悲しい話だった気がする。
勇魔「.......夢.....だよな」
アラームが鳴る30分程前に目は覚めていた。
ただ、一つ気になることが勇魔にはあった。
勇魔「悲しい話だったと思うんだけど、なんだろう?」
悲しさ以外の感情がたしかにあった気がするのだ。
勇魔「あれは.........悔しさ?」
必死に夢の内容を思い出そうとしていたその時
コンコンコン
部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。
夏姫「兄さん?もう起きてるの?」
妹の┃夏姫だ。律儀に毎朝起こしてくれる大変優しい妹だ。
勇魔「ああ。起きてるよ!すぐに着替えて下に行くよ」
考えるのを一旦やめて着替えの用意をする。
夏姫「分かりました、先に下で待ってますね」
そう言うと夏姫は階段を降りて1階の食卓へと足を運ぶ。
勇魔「まあ、細かいことはいっか。たかが夢だもんな」
着替えながら軽い気持ちでそう結論を出すと勇魔も妹の後を追いかけて階段を降りる。
〜食卓〜
妹と2人で食卓を囲みながら朝食をいただく。
毎日2人で食べているからもう慣れたものだ。
勇魔「いつも思うけど、やっぱ夏姫の料理はうまいな」
夏姫「もう、その言葉毎日聞いてますよ?」
と言いつつも嬉しいのだろう。
夏姫は照れながら視線を逸らす。
勇魔「いや、ほんと感謝してるよ。夏姫がいなかったら俺の食生活は壊滅的だっただろうし」
夏姫「まあ、たしかに兄さんは少し抜けた所がありますからね。とてもではありませんが、任せてられません」
そもそもなぜ夏姫が料理を作ってくれているかというと。
家事全般は夏姫が引き受けてくれているからだ。
俺達の両親は今海外にいる。
仕事なのだから文句は言えない。
ただ、だからといって不満がない訳でもない。
そんな不満は一緒に暮らす夏姫と話しているとどこかに消える。
夏姫はとても優しい。真面目な性格で何事も器用にこなす。
兄である自分のことを慕ってくれるところもまた可愛い。
つまり我が妹は可愛いということだ。
異論は認めない。決してだ!
これでは周囲からシスコン認定されても文句は言えない。
それぐらい完璧な妹なのだ。
夏姫「.....兄さん?どうかしたの?」
勇魔「あ、いやなんでもないよ。あまりのおいしさに言葉が出なかっただけだよ」
夏姫「もうっ、兄さんったら。いいから早く食べちゃってください」
仲良く2人で朝食を終えたら次は学校に出掛ける支度をする。
今日は7月18日。通っている高校の終業式がある。
俺が2年生で夏姫が1年生。同じ高校に通っている。
そのため、今日の終業式も2人で登校する。
夏姫「兄さーん!早くしないと置いてっちゃいますよー?」
先に支度を済ませた夏姫が玄関から俺を呼んでいる。
勇魔「もうちょっとだけまってなー!」
あまり夏姫を待たせるのも悪い。
急いで支度して玄関へと向かう。
勇魔「ごめんごめん、お待たせ」
夏姫「それじゃ行きましょうか」
勇魔「おぅ、そうだな」
玄関の扉を開けて外に出る。
そして鍵を掛けようとした時に.........
勇魔「あっ!!」
夏姫「うわっ!ビックリした、急に大声出さないで下さい」
勇魔「わるい!スマホ忘れたから取りに行ってくる!」
夏姫「もう、兄さんてばやっぱり少し抜けてるんだから」
勇魔は急いで自分の部屋に戻り、スマートフォンをポケットに突っ込む。
そしてまた玄関へと急いで戻り靴紐を結び直す。
扉の向こうの夏姫は呆れてるだろうな〜
なんてことを考えながら再び扉を開ける。
勇魔「ごめんごめん、お待た..........」
しかし、扉を開けた先に妹はいなかった。
否、妹の姿どころか扉を開けたそこは見たこともない場所だった。
勇魔「.....................あれ?」
急いで振り返り玄関に戻ろうとする。
が、振り返った先には壁があるだけで扉は無かった。
まるで最初からそんな所に扉なんて無かったかのように。
勇魔「........................どゆこと?」
7月18日 金曜日
杜若勇魔は、見たこともない所でただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
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質問コーナー!
Q. あなたは夏姫のような妹が欲しいと思いますか?
A. ............え、欲しくない人いるの?