創世記D0008
スライム以外の3種を、それぞれ100万体召喚っていっても召喚する場所がない。
いや、部屋を増やせば良いのだろうけど、そのためだけに部屋を増やすのも嫌だなぁ。
そう考えている俺の目にはダンジョンコア機能にて宙に映し出された映像に映る【ツィーイック・ツィーツェ】だった…
「コイツに始末させるように召喚すればコイツのレベルも上がって一石二鳥じゃね?」っと考えを呟きつつ思案を。
って、自然に独り言が漏れ始めている現状ってさぁ、ちょっとヤバくね?
それはそれとして、早速【ツィーイック・ツィーツェ】の内部への召喚を試みることに。
無論【ツィーイック・ツィーツェ】には召喚するゴブリン、コボルト、スケルトンは消化吸収許可を与えておくことを忘れない。
いや、忘れていたら【ツィーイック・ツィーツェ】部屋に召喚した固体が溢れてしまうからねぇ。
そして早速召喚したのだが…
ゴブリン…ファンタジー定番の序盤雑魚モンスターにて緑色の肌を持つ小汚い小鬼にて悪臭を放つとして有名。
そんなイメージだったのだけれども…
5歳児位のショタっ娘で黄緑のボブカットな、ぷくぷく肌した保護欲そそる感じでな、額の左右に小さな角がなければロリ・ハァハァ男共に攫われかねない存在だったりする。
い、いや…これがゴブリン?イメージと大分違うんですが…
コボルト…犬の頭部を持つ2足歩行の犬型生物にて口から涎を垂らしつつ狂犬のように襲い掛かって来る存在にて銀を腐らせる存在。
そんなイメージだったけれども…
ヨークシャー・テリアな頭部を持ちウルウルした大きな瞳を持つプリティさん。
気弱なのかピルピルした外観は非常に保護欲を刺激する姿と言って良いだろう。
っか…コヤツでダンジョン防衛しろと?
スケルトン…人骨が動く感じの魔物さん。
うん、これはイメージ通りな訳で…コイツだけが戦力となりそうなかんじだな。
っかさぁ、召喚できるゴブリンとコボルトが酷過ぎないか、あれ。
絶対に鬼畜仕様だとしか思われないんだが…っか、【ツィーイック・ツィーツェ】に捕食されて行く姿を見るに耐えかね映像を切っています。
罪悪感が半端ない現状、召喚指示をキャンセルしようとしたけど中断は不可能だった…ゆるせっ!
召喚が終わるまで時間が掛かるようなので、俺は召喚可能となったスライムについて調べることに。
いやな、何かをしていないと現状が耐え切れそうにないんだよ…へたれ?好きなように言って下さいやぁっ!
だってよぉっ、ゴブリンとコボルトが雅かあんなに庇護欲そそる程に愛くるしい生き物だって、誰が想像できんだって!
内心で悲鳴を上げつつダンジョンブックのスライムページを開く、俺。
脳裏には先程の光景が、こびり付いて離れない。
召喚されたゴブリン・ショタっ娘とヨークシャー・テリアなコボルトが【ツィーイック・ツィーツェ】内部へと召喚され思考が追い付かず戸惑っている感じから驚愕顔へと!
悲鳴を上げる暇もなく溶かされて消え去る姿が無数に…うん、忘れよう、そうしよう。
今からダンジョン防衛を行う身なんだから生き物を殺すことに慣れるしかないんだ。
そう自分に言い聞かせつつダンジョンブックを調べて行く。
しかしスライムにも色々な種類が揃っているものだ。
通常のスライムもだが、各種属性に特化したスライムが存在しているようだ。
地水火風光闇雷氷などなどのスライムは、各々の属性魔術を駆使できるとのこと。
最初は低レベルの魔術しか扱えないが、レベルが上がれば扱える魔術の幅が広がるんだとさ。
トリッキーなのがオイルスライムかな。
滑り易くしたりもだけど、オイルを相手に吹き付けて付着させる性質があり、これにより火を扱うと火達磨に…
意外と恐ろしいスライムだったりするな、コイツ…
巨大なスライムや状態異常を付与する系統に魔術を操る系統などなど、実に多様性に富んでいる。
物に擬態したりする擬態系スライムとかも存在するが、特に目立つのがメタル系とジュエル系のスライム達だな。
メタル系…液体金属系とでも言えるスライムであり、様々な金属系スライムが存在する。
胴や鉄、鋼などの一般的な金属から銀金白銀などのレアメタルなども。
特にミスリル、オリハルコンにアダマンタイトとかプラティオンなどの伝説的金属などなど…実に多彩な金属で構成されたスライムが存在するようなだよ。
このメタルスライムは物理ダメージが通り難いのが特徴で、特にレア度が高い金属にて構成されたスライムほど、それは顕著なんだ。
そしてレア度が高いメタルスライムは魔術耐性も高く、しかも金属で構成されているにも関わらず動きが素早いときた。
基本的に臆病で、戦うよりも逃げることを優先して潜んでいるため見付け難い傾向にあるのだとか。
いや…【ツィーイック・ツィーツェ】部屋には全種メタルスライムが存在し闊歩しておりましたが…どゆこと?
ジュエル系…液体宝石って何だか新しい響き系統のスライムであり、様々な宝石スライムが存在するらしい。
ルビーにサファイアやエメラルドとかダイヤモンドなどの良く聞く宝石は勿論のことアクアマリンやアメシストにアレキサンドライトなどなど、実に様々な宝石が液体化してスライムとなっているようだ。
これは女性だったら飛び付くレベルの煌びやかな宝石スライム達だな。
このジュエルスライムも意外と物理が効き難いようだが、魔術は完全無効となっている鬼畜仕様だ。
いや、無効どころか吸収してしまうから魔術を放ってはダメなんだとさ。
そしてコヤツらは魔術を放って来るんだが、属性スライム達と違って最初から高威力魔術を駆使可能らしいぞ。
しかもインシブル系魔術にて身を包むから見付けるのはメタル系よりも困難ときている。
何時も潜んでいるために、大変見付け難い存在なんだとか。
って、をいっ!少しは潜めよ、おまえらっ!【ツィーイック・ツィーツェ】部屋のヤツらは堂々と闊歩しているんだが、どうなってんの?
しかし…例え見付けても狩るのは非常に困難なスライムだと言えるだろうな。
っか、意外とスライムって強くね?