創世記D0007
カスタマイズページを読み進めて行くと、ダンジョン施設についてカスタマイズする術が色々と記載されていた。
特に有用な記載としては拡張と接続についてのカスタマイズ機能だな。
拡張は部屋を広げる遣り方で、知らずにコアルームの拡張をこの機能にて行っていたみたいだ。
小部屋にて作成した部屋を拡張したい場合に便利な機能ってことだな。
これは小部屋や中部屋にだけ適応可能な機能で、大部屋以上にはできないから今回は使用しない機能だ。
そうそう逆の縮小する機能を扱うのは難しいみたいで、縮小する場合は一度内部に存在する物を調整するか除去する必要があるみたいなんだよ。
まぁ、そんな苦労するくらいなら新しく部屋を創った方が良いと思うけどね。
そして今回の件に対して有用なのは接続っていうカスタマイズ機能の方なんだ。
此方は部屋と部屋を繋げて1つの部屋としてしまう機能で、ポイントは掛かるけど大きな部屋を造り出せるんだってさ。
大部屋同士を前後左右上下に並べてから繋げることで1つの巨大部屋へと変えることが可能なんだと。
ま、繋げられる部屋数には制約があるから、限界はあるんだけどね。
この内容を知った時には思わず「これだっ!」って叫んでしまったよ。
ま、1人だから誰にも迷惑にもならないし恥かしい目にも合わないから良いけど…独り言ってヤバイかも…
そんなことよりも【ツィーイック・ツィーツェ】を呼び出す部屋の構築について考えるのが先かな。
部屋の高さなどは調整可能なようだけど、現在のダンジョン構築においては1層以上は創れないみたいだ。
しかも作成する部屋は既存の部屋か回廊へ隣接していなければならないっという制約も科されているときた。
そんな関係上、ポイント生産部屋の入口となる部屋へと隣接する形で【ツィーイック・ツィーツェ】部屋を設けることにしてみたのさ。
ポイントは十分に存在する現状、ただ部屋を創るのは芸がないってことで多少凝ってみたんだけどね。
洞窟奥に存在する地底湖っていう感じの部屋へは滝から水が注ぎ込まれている風に。
岸辺は岩場が多いけど砂場も存在し、苔生した岩場もだけど岸辺には木々も蔽い茂っているように演出を。
無論、水は全て【魔力超流水】を使用してみたよ。
そんな風に創った巨大地底湖へと【ツィーイック・ツィーツェ】を召喚してみたんだけど…うん、巨大だ、ねぇ…
なにせ湖の大半が【ツィーイック・ツィーツェ】になってしまった程なんだからさ。
溢れた水は【ツィーイック・ツィーツェ】が見る見る内に吸収してしまっているんだけど…何処へ消えてるんだ、あれっ!
腑に落ちない現象に頭を悩ませていたけど、考えてみても分らないものは分らないな。
取り敢えずは【ツィーイック・ツィーツェ】を召喚できた訳だけど、コイツだけでダンジョン防衛が行えるとは思えない。
スライムは基本的に食べなくても死なないらしいけど、餌を与えた方が良いとのこと。
なので湖の中や湖畔の森へ生き物を放ってみた。
【ツィーイック・ツィーツェ】は本来、全ての物を喰らい尽くす危険な魔物らしい。
だがダンジョン産のコイツはマスターである俺の命令には従順であり、無闇矢鱈と生き物を狩る生き物を狩ることはしないみたいだ。
逆に辺りの環境整備に力を注ぐことに生甲斐を感じている風に思えるほど、細々と世話を始めている始末。
いや、どうなってんだぁ、これ?
森や湖へバクテリアやら虫に小動物、鹿や猪などの草食動物とか魚とか蟹や海老などに亀や蜥蜴なども召喚して環境を整えて行く。
無論、木々や草花もだが、水草などの水生植物なども充実させたりな。
っても俺は召喚するだけだったのだが、【ツィーイック・ツィーツェ】が適切に環境の整備を行ってくれる。
なので俺は召喚するだけで、あまり考える必要もなかった訳だが…
そんな感じで整えられた【ツィーイック・ツィーツェ】部屋の動物や植物に変化が!
【魔力超流水】の影響を受けて魔樹や魔獣などへ進化してしまっていたんだよ!
これらは魔物とは違い、魔力を大量に得た生き物という括りであり、人間で言えば魔族がそれに当たるな。
あれも魔力保有量が膨大な種族であり人間に違いはないからね。
これはダンジョンブックの基礎知識部分に記載されていた基礎知識から得た情報だから実際に確認した訳ではない。
まぁダンジョンブックの内容を疑い始めたら何もできなくなってしまうから信じる他ないけどさ。
1層の整備が終わった頃に気付いたんだけど…何故か召喚した覚えのないスライム達が【ツィーイック・ツィーツェ】部屋へと現れていたんだ。
一体、これは…
不思議に思いダンジョンコアにて状況を調べると、なんと【ツィーイック・ツィーツェ】がスライム達を生み出していた。
って、召喚しなくてもダンジョンクリチャーを生み出せるのか!?
驚いた俺はコアでも召喚できないのかと確認すると行えるとのこと。
慌ててダンジョンブックを確認すると…スライム系にて召喚可能な項目が増大していました、ってね。
ってぇ!意味分んねぇーっ!!
お、落ち着け、俺ぇーっ!
ヒッヒッフゥーヒッヒッフゥー、良し、落ち着いた、うん。
矢張り効くかラマーズ法。
って、これで良いのか、俺?いや、確かに落ち着いているから良いんだろう…な?
此処で少し小休憩して落ち着くべきだろうさ。
そう考えてダンジョンコアに命じて珈琲を用意させる。
「珈琲をブラックで、飛び切り美味いヤツを頼む」っと曖昧にオーダーをな。
ダンジョンブックへ明確な指示を行わずとも曖昧な指示で処理されるかを確認してみたくなったのさ。
いや、単なる言い訳だけどさ。
実際は疲れたので、ダンジョンコアに詳細をブン投げたってだけさ。
そんな俺の無茶振りにダンジョンコア機能は見事に応えてくれたよ。
小洒落たカップへと注がれた薫り高い珈琲が、スッと現れた訳たんだが…ダッチコーヒーを暖めた品へブレンドスコッチウィスキーが注がれたアイリッシュコーヒーへと生クリームが乗ったアイリッシュ・ウインナー・ダッチコーヒーとでも呼べる品だった。
しかしダッチコーヒー自体が薫り高く濃く味わい深い品なのだが、それへと注がれたスコッチがブレンデッドならではの柔らかな風合いにてダッチコーヒーから香る薫りを後押しして格調高い深みのある芳香へと昇華させているんだ。
そして濃厚かつ深みのある味にコクと旨みを更に添えているのだけれども、甘味控えめな生クリームが味わいを添えている感じかな。
これは熟練の珈琲職人でも提供するのは、なかなか困難と思われる程の品…やるな、ダンジョンコア目っ!
そんな珈琲に癒されつつ、現状を鑑みるに【ツィーイック・ツィーツェ】を召喚したことが原因じゃないかと考えた俺は確認をな。
ダンジョンコアへスライムについての現状を確認すると、矢張り【ツィーイック・ツィーツェ】を召喚したことが原因だった。
まぁ【ツィーイック・ツィーツェ】と同格以上のスライムの召喚は行えず、ダンジョンブックにも記載はされていないようだ。
だが…
「これって…スライム以外のクリチャーも100万体召喚したら上位固体が召喚できるようになるんじゃね?」
思わず思ってしまった俺は、早速行うことにしたのだった。