創世記D0006
120万を超える大量のポイント…これだけあれば色々なことを行うことが可能だろう。
そして俺が一番最初に行ったことは…イートスライム部屋の改装でした。
先ずはイートスライム部屋をコアルームよりも低くして天井近い部分に入口を移したんだ。
この段差を利用して【魔力超流水】をイートスライム部屋へと流し込む!
すると【魔力超流水】で満たされたイートスライム部屋にて【魔力超流水】と親和性の高いイートスライムの増殖が始まり…
「う~ん…これって【魔力超流水】が増水してコアルームに流れ込むんじゃね?」
思わず呟いた俺は再度改修を。
コアルームへと隣接する部屋を別に設けて、イートスライム部屋をその部屋の下へと移動させる。
イートスライム部屋への入口は隣接部屋の床部分として、頑丈な扉にて封をするように閉めてしまう。
そしてイートスライム部屋では部屋の許容量を超えた【魔力超流水】とイートスライムは自動的にポイントへと還元されるように調整をね。
むふふふふっ、これで自動ポイント生産部屋の出来上がりだっ!
命を掛けなくても自動でダンジョンポイントが創り出されて行く環境…素晴らしい!実にブラボーであるっ!ってね。
この作業を終えた後で分かったんだけど…旧イートスライム部屋であるポイント生産部屋からは淡く幻想的な光が部屋へと流れ込んで来ており、その明かりが今も辺りに漂っているんだ。
この明かりのお陰で蝋燭の明かりに頼らなくても行動できていたりする。
そんな明かりの正体をコアを利用して調べたところ…魔力を含んだ空気だと判明!
なんとポイント生産部屋の【魔力超流水】が影響して生み出されていたみたいだな。
このことが分ったため、ポイント生産部屋から魔力を取り出せるようにも改修を行った訳だが…ダンジョン内施設に対するエネルギー供給は、これで賄えることも発覚したんだよっ!
それが分った俺は、コアルームの改修を行うことにな。
床はフローリング状へと替え、壁なども変更した後で気付く…「狭いんだから広くしろよっ俺ぇっ!」ってね。
後で気付いた訳だが、ポイントさえ得られていたらチートなダンジョンコア機能なので気にしない。
気にしないったら、気にしないのだぁぁぁっ!
そしてコアルームは生れ変わる。
なんと言うことでしょう!
あの四方を石材にて囲まれた20畳ほどの部屋が、はい、ドンっ!100畳ほどの大ルームへと変わったではあーりませんかっ!
隣室へは書斎と寝室を備え、飾り棚へと据えられたダンジョンコアがオブジェクトと化しておりまする。
サイドボードには各種様々な酒が飾られ、グラスボードへは酒に合わせたグラスが取り揃えられております。
天井は全て発光素材にて、魔力供給にて淡々と柔らかな光を室内へと降り注いでおり、室内を落ち着く空間へと演出しております。
中央へは大振りな絨毯が敷かれ、テーブルを囲むようにソファーが設置された寛ぎ空間へと。
ま、そんな感じに整えた俺は、麻の貫頭衣から卒業してラフな部屋着へと着替えているぞ。
既にユニットバスとユニットキッチンは還元してしまっている。
風呂は大理石風呂とヒノキ風呂にサウナなどなど。
湯は温泉と同等の泉質を誇る湯と薬湯だな。
疲れた体を実に良く癒してくれる素晴らしい風呂で、【魔力超流水】も混ざっているのが効能を更に高めているようだ。
洗面所なども6畳ほどの大きさにて用意してある。
無論、洗面化粧台形式の大きな代物を用意してあり、のんびりと身支度が行えるように調整してあるぞ。
トイレは当然シャワートイレってヤツでな、ついでに魔術洗浄機能まで搭載ってな。
魔術にて水気も取り去るために紙は不要なトイレとなっておりますよ、ええ。
うん、一夜城ならぬ一夜施設って感じで、アッっと言う間に整ってしまう、この不思議。
ポイントさえあれば、ダンジョンマスターって優雅な暮らしだねぇ。
食事もポイントで賄えるから、この侭過して行きたいところだが…
「猶予期間は3ヶ月って言うのが、なぁ…」っと、声を漏らしてしまう、俺。
そう、有効期限を過ぎれば、自動で開放されてしまうんだよ、ダンジョンってさぁ…
早めに開放すれば、開放場所を選べるらしいんだけど…ダンジョンを造らずに開放なんかしたら襲われて終わりってか…
世知辛い世の中ですなぁ…
オードブルを摘みつつグラスを傾けた俺が嘆息しつつ方針を考える訳だが…
「だぁぁぁっ!素人に分るかぁぁぁっ!
それに欄として獣人、亜人、アンデッド、魔法生物しか無いのは何でだぁっ!
昨日見た感じでは獣人にコボルト、亜人にゴブリン、アンデッドにスケルトン、魔法生物にスライムって…碌なヤツが召喚できんじゃねぇぁっか!
こんなんで、どうしろってぇんだぁっ!」
半ば投げ遣りになりつつダンジョンブックを開き各々の特徴を確認することに。
先ずは一番弱いと思われるスライムからだな。
だが、あれは分裂する可能性があるから無限増幅にて手数を増やすには良いかも…
そう考えて魔法生物欄を開いた訳だが…思わず2度見した。
「へっ?い、いや…なんで選べるスライムが増えてる?」
そう、選べるスライムが増えていたんだよ、訳分んねーっ!
増えていたスライムは【ツィーイック・ツィーツェ】っと言うスライムだった。
なんだか巨大なスライムらしく、特殊なスライムなんだとか。
なんでもスライムが到る頂点の1つらしく、その能力は凄まじい物だった…
液体ゲル状な身体は物理攻撃無効にて各種耐性も高いのだとか。
レベルが上がると耐熱、耐寒の能力が上り、絶縁効果も得るらしい。
その上に魔力吸収能力まで得るようになるらしく、魔術は効かなくなるのだとか。
つまり…地水火風光闇雷氷などなどの攻撃は一切無効で魔術で攻撃された場合は魔術を吸収。
当然、物理攻撃は効かず、意図した形で対象を溶かし吸収するらしい…
唯一の弱点は直径0.05mmにも満たないコアを破壊することだが…コヤツも幾重にもガードが巻かれての大きさらしく、実際は更に小さいらしいぞ。
しかも体内にて流動しているらしく、ダミーコアも無数に…無理だろっ!そんなヤツの討伐ってよぉうぃっ!
完全にラスボスやん!
って!いやいやっ!なんで行き成り選べるようになってんだぁっ!
訳が分らずダンジョンコアにて確認したところ…はい、イートスライム無限増幅の影響でしたぁっ!
実は、この【ツィーイック・ツィーツェ】っと言うスライムの召喚許可開放条件ってぇのが特殊でなっ、スライム族を100万匹ダンジョンに存在させることらしい…
い、いや、100万匹って…普通は無理だろ…って考えて、ハッっと気付いた訳よ。
イートスライムは120万匹以上になってたから還元ポイントで120万以上のポイントが得られたんじゃね?ってね。
そう考えると【ツィーイック・ツィーツェ】が召喚できるようになっているのは当然な事で…
1匹だけどさ、このスライムを召喚できたら勝つるんじゃね?ってね。
だが…大部屋でも3百畳しかない現状では【ツィーイック・ツィーツェ】を呼び出すには心許ない…ってぇっ!どんだけデカイんやねぇんっ!
折角、良いクリチャーが召喚する選択肢へと現れたのに召喚場所に問題が…
再び頭を抱える俺…どないしょ?
召喚ポイントが50万Pって言うのも巫山戯たコストだが、今の俺ならば召喚可能だ。
って…普通は召喚不可能だろ、これ…初心者に厳し過ぎませんかねぇ、ダンジョン経営ってさぁ…
「ふぅ」っと一息入れつつ諦めて打開策を考えるためにダンジョンブックを開く俺。
なにか、なにか打開策はないのか…なにせ【ツィーイック・ツィーツェ】しか、まともなカードがないと来た。
コヤツを召喚運用しなければ安心できるダンジョンライフなんてぇ夢のまた夢ってね。
だから必死に事典みたいな分厚いダンジョンブックを調べましたよ、ええ。
何処の受験生だ、これぇぇぇっ!
そして、漸く見付けたのがカスタマイズページってヤツなんだが…このカスタマイズという機能でなんとかならないのか?
そう希望を乗せて、カスタマイズについて調べ始める、俺だった。