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創世記D0002

改めて認識した現実に打ちのめされてしまっている現在…正直キツイ状態だと言えるだろう。

消されたにしては思い浮かぶ内容に『現実(リアル)は何時でも唐突に突然牙を剥く、無常也』って文言がな。


いや、こんな現実って流石に看過できない…非情過ぎるだろ、これ…


思わず事実から目を背け、羊皮紙より目を離した俺は天井を仰ぎ見たんだが…薄闇に慣れた俺の目に写ったのは石組みの天井だった…

石を削り出して作られたレンガを組み合わせて造られている天井だが、石を組み合わせているようにしか思えない。

薄刃も入らない位にミッチリと組まれているとはいえ、石と石とを組み合わせたに過ぎないよな、あれ…

なんで崩れないんだ?っと気付き…ぞぉ~っと、した。


いや、現在の技術にて組まれた場合、天井裏に支える機材なりが存在すると考えられるだろうさ。

石のレンガも薄いタイルを、そられらしく貼り付けてあるとかさぁ…でも、此処が本当に異世界だとしたら…崩落はしないんだろうか?


恐ろしくなって来たが、先程に散々叩いたりしていたのに今更か…っとも思い、強引に天井から目を背けた。

現実逃避だが、気にしていたら精神的に参ってしまいそうだしなぁ…


天井を見て崩落の恐怖を感じたためか、強制的に気分転換がなされたようで…うん、羊皮紙に記載された続きを確認するか…

そう思い羊皮紙に再び視線を落とし読み進めることに。


どうやら残るは1行のみのようで…なになに?


『なお、本内容について全読み終えた場合、羊皮紙を発火消滅させる故、留意したまえ』


えっ?


意味が飲み込めなかった俺の手の中の羊皮紙の中央から火が上り始め…


「ふぁっ!?」

思わず俺は羊皮紙を放り投げつつ後ろへと跳び退ったんだが…俺の目の前で燃え始めた羊皮紙が火柱にぃぃぃっ!


フォィヤァァァァァッ!?


何で羊皮紙が勝手に燃え上がるんじぁっ、ボケェェェェッ!

どこぞのスパイ映画のテープレコーダが爆発するノリなのかぁっ!そうなのかぁっ!巫山戯んなぁぁぁっ!ヴォケェェェッ!


床下へと落ちた羊皮紙から咄嗟に跳び退って避けたから被害はなかったが…遅れたらどうなっていたやら…悪戯が過ぎるぜぇっ!

っか、辺りに延焼する代物がないが、消さないと拙くねぇか、これぇぇぇっ!


しょ、消火器…ってぇ、こんな所に有るかぁぁぁっ!水だ、水ぅっ、ってぇねぇよっ、そんな物ぉぉぉっ!

人間ってさぁ…動揺したら…こんなもの、って…悲しくなりました。


っか動揺している間に火柱が消えて鎮火しているような…消えるのが早いような気もするが、先ずは落ち着け、俺。


しかし…綺麗に燃え尽きたもんだなぁ、既に羊皮紙だった名残もなく真っ白な灰だけが堆積している状態となっている。

うん、あのフレイズが()ぎる感じがしたよ…『燃えたよ…真っ白に…燃え尽きた…真っ白な灰に………』ってなぁ…

見事に真っ白な灰は、かのボクサーを彷彿させるかの如き見事な灰だった訳だが…


そんな灰をボーゼンって見ているっとぉ…再び…フォイヤァァァッ!っかぁっ、も、イヤァァァッ!

突然に再び燃え上がる元羊皮紙な白い灰!

燃え尽きたんちゃうんけぇぇぇっ!


しかもぉ、先程の赤い火柱所か白に近い青い火柱…いや、青白い?どうでも良いわぁっ!

余りの熱さに、再度無意識に跳び退ってしまったぜぇっ!


しかし…綺麗、だ、なぁ…はっ!思わず現実逃避を…そら現実逃避もしたくもなるわっ!

そんな俺の前で燃え盛る青白い火柱…現実とは何時も残酷な物…認めたくないものだな、残酷な現実と言うものは…

はい、逃避しましたが…なにか?


そんな俺を混乱のドン底へと叩き落した火柱なんだが…唐突に…雅に行き成り消え去る訳で…いや、本当に訳が分からんってさぁ…

そして消え去った火柱があった場所なんだが…存在しなかった筈の物体が行き成り前振りもなしに現れているという受け入れ難い現実がな…


1つは丸いボーリングの玉のような球体を押し戴くような感じで立つトロフィーのような物体がな。

球体を4つの爪が支え、その爪の下には各々柱に連なっている感じだな。

柱は下部にて台座へと繋がっており、台座が柱と球体を支えている感じと言えば良いだろうか?


そして、もう1つ現れたのが革張りの表紙が装丁された分厚い事典のような本だな。


明らかに意味ありげな物体が2つ現れた訳だが…これは?


暫くは用心して2つの物体を伺っていたんだが…流石に火柱が上がることはないみたいだな。

俺は恐る々事典らしき物へと近付き、何時でも跳び退れるように足先で突いてみる。

うむ、発火はないらしい…この侭では埒が明かないから事典へと近寄り確認を行うことにな。


デカイ事典のような本を開くとダンジョンブックと呼ばれる代物だと判明したよ。

もう1つの方はダンジョンコアらしい。

4つの柱が土色、水色、赤色、緑色に染まっていたんだが…それぞれが地水火風を表しているそうな。

装飾は、それぞれにまつわる精霊に由来した装飾らしいな。


そんな小話的な情報からコアの使用方法やダンジョンブックについての記載が冒頭に続く。


ダンジョンブックはダンジョンを作成するための指南書でありカタログでもあるらしい。

どのようにダンジョンポイントを得て、どのようにダンジョンポイントを使用するかが記載されていたぞ。


その際に、ダンジョンポイントにて行えることが詳しく書かれており、ダンジョンの構築もだが生活施設についても記載があったよ。

最低限生きて行くための施設については安価に設定されているようだな。

まぁ、ダンジョンを構築する前に死なれたら召喚した意味がないだろうから当然か。


それに比べ、ダンジョン内施設に対し掛かるポイントは高いと言えるな。

特に罠系のポイントは洒落にならないっと言って良いだろうさ。


召喚できるクリチャーなんだが…スライムとゴブリンにコボルト、そしてスケルトンの4種類だけだった…

いや、こんなラインナップで、どうしろと?


ダンジョンが開放されるまでの猶予期間は3ヶ月らしいのだが…開放後に生き残れるビジョンが思い浮かばない。

思わず頭を抱えてしまう俺だが…そんな時でも腹は減るし喉は渇く、ましてや…(いや、マジで拙い、漏らしそう…)

そう、尿意や便意ってヤツぁ…ヤバイってぇっ!


慌ててカタログ…ちゃったぁダンジョンブックを開き確認したんだがぁ…索引を元に開いた先に記載されていたトイレの値段は…1千万P…「阿呆かぁぁぁっ!」って、思わず叫んじまったぜぇっ!

高価ってぇかぁ、信じられないほどにバカ高い代物だった訳だが…他の頁には妥当な値段の施設がな。


いや…どんな御大尽が設置すんだぁ、あのトイレってさぁ…余りにビックリしたもんで尿意が引っ込んでしまったぜっ。

しかし…トイレも千差万別ってヤツで、ボツトンなんてのはマシな方で、壷ってなにさ、壷って…

思わず唖然としたが…ユニットバス形式の施設は5百Pで交換可能ってさ。

いや、ボツトンや壷は確かに安いんだけど…有得んだろ、それ…


ユニットバス形式に付随するトイレは、流石にシャワートイレではないようだけど…いや、高いヤツには対応したヤツも…3千Pは…うん、我慢だな、これは…

それにユニットバスでの最低価格だった施設でもさぁ、風呂とトイレに洗面台が付いて来るんだぜぇ、お得じゃないか。

何よりも水の確保が可能って言うのが素晴らしいよね。


一応は尿意が治まってはいるが…何時再発するか分からない緊急事態な訳だし…早い所、創り出すべきだろう、うん。


そう思い造ろうと思ったんだけど…どうやって造り出すんだ、これ?

尿意どころか便意まで催す可能性もある現在、悠長にダンジョンブックを確認している余裕はない。

先程にて確認したダンジョンコアの使用方法を思い出しながら行うことにな。


ダンジョンコアの球体部分であるコア本体へと手の平を当てつつ告げることに。

「俺だか選択したユニットバスを作り出してくれ」ってね。

だが…反応が…ダメ、なのか?

俺の顔が絶望的な表情へと変わって行くのが自分で分かる。

いや、その、な…尿意と…ダブルで便意がぁぁぁっ!


絶望的な状況へ一縷の希望の光がぁっ!


『何処へ作成しますか?

 部屋に面した位置を指定して下さい』っと、行き成り脳裏へと声が響いた後、目の前に部屋の間取りを記したウィンドウが浮かび上がった。

俺は咄嗟に脳内壁の一角を指し示して指定したよ、ほんと。


すると…

『5百P使用してユニットバスを設置しますか?(Yes/No)』って文言が、行き成り目の前にウィンドウ形式にて現れる。


「Yesだ、Yesぅぅぅっ!早く造ってくれぇぇぇっ!」って、思わず喚いてしまったぜぇっ!

そろそろ本当にヤバイんだよぉっ、早くぅぅぅぅっ!

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