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危機管理と信用度の話をしよう

「あら、今日は随分眠そうね」

「ああ、大人げもなく少し夜更かししてしまってね。正直、少し辛いかな」

「それなら別に無理して来なくても良かったのに。別にお客様一人減ったところで売り上げなんて……」

「マスター、それはあまりにも趣のない答えだ。僕は別にこの店の売り上げにそこまで興味は……」

「……何よ」

「いや、前言を撤回しよう。ここまで閑古鳥のなく……もとい、落ち着いた店の内情に興味は無くもないけれど、僕は別に義務感にかられてここに来てるわけじゃない。まぁ、その理由をあげろと言われたら……」

「ストップ、待った、待って、待ちなさい。貴方、今さりげなく私の店の事を馬鹿にしなかったかしら?」

「うん? あー、なるほど、いつものことか。マスターの被害妄想はこの際、横に置いておいて……」

「いやいやいや、ちょっと待ちなさいな。それじゃあまるで私がいつも妄想を垂れ流してる可笑しな女って事になるじゃない」

「……訂正が必要かい?」

「ああ、そう、そういう風にからかおうってのね。……貴方、それ相応の覚悟は出来て?」

「おっと、これは本当に夜更かしし過ぎたかな? 真夏だっていうのに悪寒が……」

「(ニコニコ)」

「…………」

「(ニコニコ」

「…………すいませんでした。マスターのいるこの店は偉大な喫茶店です」

「あら、そう? 分かれば良いのよ。分かってくれたならそれで」

「いや、うん。僕もそれなりに危機管理能力は高い方だからね。今回ばかりは少し焦ったよ」

「ふーん、貴方から危機管理なんて言葉を聴けるなんて意外ね」

「マスターは僕を小馬鹿にする節が多くあるね。僕は本来、他人を一切信用してない。だから誰にも無防備な姿は見せたくないし、ましてや自宅以外の場所で………」

「って、ちょっと! どうして話の途中で寝るのよ! こら、そんな所で寝たら……」


「……本当にもう、何が危機管理能力が高いよ。こんな無防備晒しておいて、信用なんてある訳ないじゃない。……全く、信用して貰えてるのは悪くないけど、もうちょっとうまく表現なさいな。だから貴方は小馬鹿なのよ」

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