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勿体ぶったお礼の仕方について話をしよう

「忘れてはいけない約束と、覚えていても叶えられない約束があるとしよう」

「忘れるのは罪ね。叶えれられないのは……」

「甲斐性なしだとでも言うつもりかい?」

「あら、見くびらないで欲しいわね。私はそこまで狭量のつもりはないわよ」

「マスターの懐の深さには脱帽するね。これなら安心して……」

「でも、だからと言って、何事もなく済ますのは好みじゃないわね。例えばそうね、罰ゲームなんてどうかしら?」

「やれやれ、好奇心には勝てないな。一応、その中身を聞いてみても?」

「あら、怖いもの知らずね。本当にいいのかしら? 聞いたら貴方、後悔するかもしれないわよ?」

「だからこその好奇心だよ。それに元来、後悔はしない質なんでね」

「貴方のその図太さには参るわ。だから、今回は私が参らせてあげる」

「素敵だよ、マスター。その嗜虐性の高い表情は他ではとても見られない」

「余裕をかますのね。それはそれで別にもういいわ。慣れましたもの」

「慣れを日常の一部だと考えてくれるのなら、僕にとってこれ以上の誉はないね」

「まあ、馬鹿話はここまでにして……そろそろ出しなさいな。それ次第では見逃してあげても良くてよ?」

「これはまた……催促とは珍しい。期待させておいて何だけど、本当につまらないものかもしれないよ?」


「あら、それを決めるのは私だわ。貴方がいつまで経っても返そうとしなかったバレンタインのお返しだもの。さぞ、楽しませくれるんでしょうね」

「やれやれ、これは安物の貴金属では少しも満足して貰えそうにないね。まぁ、僕だって、その程度は理解しているさ。だからこそのとっておきなんだからね」

「以心伝心ね。嬉しい限りだわ」

「僕としても光栄だよ。さて、僕がマスターに用意したお返しは……」


「あら……ふーん、なるほどね。悪くは……いえ、貴方にしては良いんじゃないかしら。……素敵な贈り物だわ。喜びなさいな。少なくても、罰ゲームは回避できたみたいね」

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