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一 取り敢えず最初の話のタイトルは「始まり」とかにしとけば当たり障り無いよね

 世界は終わった。

 大地は砕けた。

 海は枯れた。

 空は落ちた。

 その原因は全て「人間の欲」と「人間の文明」だった。

 天から眺めていた天使は人間を見捨て、地下から覗いていた悪魔は人間に憤怒した。

 残された人間は絶望と後悔に溺れ絶滅寸前だった。

 天使と悪魔は、相容れないその手で手を組み人間を完全に抹消し世界の再生を決める。

 しかし、そこに人間でも悪魔でも天使でもない「者」が現れ天使と悪魔にこう言った。


「貴様等で人間とその文明を管理をして欲しい、その代わり、我等は貴様つ等にあらゆる世界を提供しよう」


 その者は「提供者」と呼ばれ、その者の登場から300年の時が立った…


 この物語は、天使と悪魔に文明と自由を管理され、それを解放する為に闘うとある人間の物語かもしれない



 青年は、広い草原の真ん中で倒れていた。

「誰かにやられたんじゃない、俺が空を眺めたいからここで倒れているんだ」

 誰に対して言っているのかわからない独り言を言い、空を眺めていた。

 空は青い、雲は白い、一見すると只の空、しかしどう見ても普通の空であった。

「さてと…」

 空を眺め終わった青年は起き上がり、近くの地面に刺さっていた剣を引き抜く。そして、軽く屈伸すると近くに倒れている翼の生えた生物…天使を見た。

「悪いな天使さんよ、かつての人の尊厳を取り戻す為に、殺させてもらったよ」

 動かなくなった天使に話すかの様に呟き、青年はその場を立ち去った。


 青年は、草原を抜けた先の近くの町に向かい、入り口である石の門の前に立つ。

 質素な服を着た門番が青年を見るとすぐに門の近くにあるハンドルを回し門を開く。

「お帰り、少年、その農具はどうだったか?」

 門番が青年に声をかけ、剣を指さす。

「ああ、バッチリさ…おかげで偉そうに町で威張り散らすアフィエルをブッスリと…ね」

 青年は農具と呼ばれた剣を見て笑みを浮かべる。

「後はしばらくすればモンスター共が死体を食ってくれるよ」

「そうかい、それは良かった…後は町長の所に行ってやんな少年、この農具で今年も豊作だ…てな」

 青年は頷き、門を潜り抜け、青年が潜り抜けた門は再び、門番によってしめられた。


「なるほど…アフィエルが死にましたか…にゃふふ」

 ここは町長の住む屋敷、と言ってもそこまで大きくなくシンプルな木造である。

 その二階で青年と町長が椅子に座っていた。

「ええ、この農具を生産すれば神魔連合にも魔法以外で対抗出来る術がようやく出来ます。」

 青年は嬉しそうに剣を見る。

「あら、それで畑を耕せないしそれは農具じゃないわ、武・器・よ・?」

 町長は剣を手に取り、おっとりした顔で刃を眺める。

「町長、これは隠語ですから…それにいくら人気が無いからと言って禁語である武器というのは…」

 青年は驚き椅子から立ち、周りを見ながら町長に静かに喋る。

「あらあら、別にいいじゃない、これから私達人類は天使と悪魔が率いる人間管理組織「神魔連合」に戦争を仕掛けるのですから…にゃふふふふ」

 声を抑える事無く猫の様にクスクス笑いながら青年を見る町長、青年はため息をつき椅子に座り直す。

「なんか説明じみてますけど…とにかく俺達は他の町や村に生活用品にコレを紛れ込ませ神魔連合の目を欺き、広め、静かに奴等に対抗する為の技術とかを準備してるんですよ…それにこれはまだ始まったばかりなんですから…」

 青年は辺りを警戒しながら話す。それを見て面白がっている町長はさっきより声を抑え話す。

「えぇ、これからゆっくりじっくりと浸透させて行かなくては…まずは原始的な武器、そして技術…ゆくゆくは300年以上前に存在したと言われる文明の武器を再現したいわね…そうすれば、人類の勝利は確実ね」

 青年は軽く頭を掻き剣を鞘に収める。

「俺は町長と他の町の代表の考えてる事はわからないけど、お願いしますよ?俺も含めたこの町皆も、神魔連合からの奴隷の様な扱いにはもううんざりですから」

 青年は剣を収めた鞘を背に付ける、町長はハイハイと頷き、青年に手紙を渡した。

 青年は手紙を受け取ると、それを見てその部屋から立ち去った。

「私達が天と魔に勝たない限り、自由は無いわ…」

 町長は、立ち上がり、棚を開けて真っ白な金属を取り出し、いなくなった青年の閉めた扉を見る様に呟いた。


「何故…天使が死んでいる?」

 そこは平原、数時間前まで青年がいた所。

 そこで横たわっている死体を、忌々しそうに見る者がいた。

「人間の持つ剣や道具では、天使と悪魔に致命傷は与えれない…けどこの傷は、剣によるもので致命傷となっている…人間以外の者の仕業か?否、そうだとすると…」

 しばらく考えた後、その者は死体を睨む、するとその死体は音も何事も無かったかの様に消えた。一瞬で。

「これは…何かが起きるだろうな、それが起きるまで、待つのも良かろう」

 そう呟き、その者も死体と同じ様に消えた。


 そしてそこには、何も残っていなかった。

御朗読ありがとうございます。

ここでは、軽くこの世界についての説明をします


まず、この世界において人間は天使や悪魔からゴミの様に扱われ管理されています

天使や悪魔は、過去に人間の欲望により世界が崩壊したので人間を軽蔑してます

その天使と悪魔に提供者と言う謎の存在が人間を管理する様に言います、目的は不明です

人間はそれらから何とか隙を伺いながら、武器や技術を研究し反撃の機会を伺ってます。

以上です、多分。

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